“誂向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あつらえむ71.4%
あつらえむき14.3%
あつらいむ7.1%
あつらいむき3.6%
あつらへむき3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
前日よりはずつと都合の好い、お誂向あつらえむきの天気で、空の一方には、綿の山かと思はれるやうな白雲がむく/\と湧き立つて居りました。
どこへ行くにも身体からだ一つ動かせばたくさんなんですから、ありがたい訳さ。ことにこちとら見たいな気の早いものにはお誂向あつらえむきだあね。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「偽物だよ、よく見るがいい、書いてある場所が誂向あつらいむきすぎるし、第一、悪者にさらわれて行く女が、あんな手際の良いものを書けるわけはねえ」
「おや、誂向あつらいむきですぜ。窓際で、向う向いたまま編物をして居る——」
身代りの花嫁 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
四月一日、それは藥を飮む事と、喰べることと、眠ることと、それから遊ぶ事より外には能のない人間にとつては、まことにお誂向あつらへむきの新規ななぐさみであつた。
嘘をつく日 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)