“肥満”のいろいろな読み方と例文
旧字:肥滿
読み方割合
ふと66.7%
ふとっちょ12.5%
こえ4.2%
こえふと4.2%
でっぷり4.2%
ふとつちよう4.2%
ふとり4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おかの麦畑の間にあるみちから、中脊ちゅうぜい肥満ふとった傲慢ごうまんな顔をした長者が、赤樫あかがしつえ引摺ひきずるようにしてあるいて来るところでありました。
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
肥満ふとっちょのタラスは町へ出て商人になりました。馬鹿のイワンと妹のマルタは、うちに残って背中がまがるほどせい出して働きました。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
また思ふ、柑子かうじたな愛想あいそよき肥満こえたる主婦あるじ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
……それ、十六七とばかり御承知で……肥満こえふとって身体からだおおきいから、小按摩一人肩の上で寝た処で、蟷螂かまぎっちょが留まったほどにも思わない。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
クションは、あの二人ずつ腰を掛けるあつらえので、私は肥満でっぷりした大柄の、洋服着た紳士のわき、内側へ、どうやら腰が掛けられました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
平たきおもてに半白の疎髯そぜんヒネリつゝ傲然がうぜんとして乗り入るうしろより、だ十七八の盛装せる島田髷しまだまげの少女、肥満ふとつちようなる体をゆすぶりつゝゑみかたむけて従へり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
清「桂庵の婆ア、あのなんですか、色の黒い肥満ふとりました…」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)