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肥満
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ふと
ふりがな文庫
“
肥満
(
ふと
)” の例文
旧字:
肥滿
陸
(
おか
)
の麦畑の間にある
路
(
みち
)
から、
中脊
(
ちゅうぜい
)
の
肥満
(
ふと
)
った
傲慢
(
ごうまん
)
な顔をした長者が、
赤樫
(
あかがし
)
の
杖
(
つえ
)
を
引摺
(
ひきず
)
るようにしてあるいて来るところでありました。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
薄暗い廻り梯子を踏んで上がつて行くと
肥満
(
ふと
)
つた南欧人らしい女主人が
招牌
(
かんばん
)
どほりの金輪に乗つてゐる白鸚鵡に餌をやつてゐたりした。
旧東京と蝙蝠
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
一瞬間の後、でつぷりと
肥満
(
ふと
)
つた、背丈の堂々たる人物が、哥薩克大総帥の制服に黄色い長靴といふ
扮装
(
いでたち
)
で、大勢の随員をしたがへて現はれた。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
不幸のあった米本の筋向うに、赤ペンキを生々しく塗ったポストがある。その陰で
肥満
(
ふと
)
った荒物屋のお
内儀
(
かみ
)
さんが近所の人達と
頻
(
しき
)
りに
喋
(
しゃべ
)
っていた。
秘められたる挿話
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
主婦にも劣らず
肥満
(
ふと
)
つた、小い眼と小い鼻を掩ひ隠す程頬骨が突出て居て、額の極めて狭い、気の毒を通越して滑稽に見える程不恰好な女中が来て、一時間許りも
不問語
(
とはずがたり
)
をした。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
デブデブ
肥満
(
ふと
)
った漁師の
嬶
(
かみ
)
さんが、袖無し
襦袢
(
じゅばん
)
に腰巻で、それに帯だけを締めていた。
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
和田英作君の留学時代の
若若
(
わかわか
)
しい写真と近頃のとを比べて「
斯
(
こ
)
んなに変つたか」と問ふ。
肥満
(
ふと
)
つた
赤顔
(
あかづら
)
の主人は
御人好
(
おひとよし
)
で、にこにこし
乍
(
なが
)
ら僕が
行
(
ゆ
)
く度に外套を脱がせたり着せたりする。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
股
(
もも
)
ッたア出すなッてえ、
肥満
(
ふと
)
った
乳母
(
おんば
)
どんが
焦
(
じれ
)
ッたがりゃしめえし、厭味ッたらしい言分だが、そいつも承知で乗ってるからにゃ、
他様
(
ほかさま
)
の足を踏みゃ、
引摺下
(
ひきずりおろ
)
される御法だ、と往生してよ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
金「お
前
(
めえ
)
などはポッチャリ
肥満
(
ふと
)
ってゝお尻も大きいから子は出来そうだが」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
年は六十ばかり、
肥満
(
ふと
)
った
体躯
(
からだ
)
の上に綿の多い
半纒
(
はんてん
)
を着ているので肩からじきに太い頭が出て、幅の広い
福々
(
ふくぶく
)
しい顔の
目
(
まな
)
じりが下がっている。それでどこかに気むずかしいところが見えている。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
やるせなき
淫
(
みだ
)
ら心となりにけり棕梠の花咲き身さへ
肥満
(
ふと
)
れば
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
肥満
(
ふと
)
った月が消えた
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
その男は村長よりも
肥満
(
ふと
)
つてゐて、身の丈はチューブの
教父
(
クーム
)
よりものつぽだつた。そこでソローハは彼を野菜畠へ連れこんで、そこで彼の言ひ分を聞くことにした。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
彼の令嬢を付狙っていて殺された男、その加害者? の
肥満
(
ふと
)
った男、その男に魔睡薬を用いて逃去ったあの令嬢と老婦人、そう考えてくると私には
薩張
(
さっぱ
)
り訳が分らなくなる。
日蔭の街
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
土地
(
ところ
)
で少しは幅を利かした、さる医師の住つて居た家とかで、室も左程に悪くは無し、年に似合はず血色のよい、
布袋
(
ほてい
)
の様に
肥満
(
ふと
)
つた、モウ五十近い気丈の
主婦
(
おかみ
)
も、
外見
(
みかけ
)
によらぬ親切者
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私は
肥満
(
ふと
)
っているから
遁
(
に
)
げられぬ、と
鍋釜
(
なべがま
)
の前で貧乏ゆすり。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
肥満
(
ふと
)
りたる、
頸輪
(
くびわ
)
をはづす
主婦
(
めあるじ
)
の
腋臭
(
わきが
)
の如く蒸し暑く
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と思うと急に伯父が二十年も若返ってデップリ
肥満
(
ふと
)
った体躯を船長の
制服
(
ユニホーム
)
に包んで、快活らしく腕組をしている姿になった。それと共に、船着場に近い穏かな街の景色が見えた。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
そのなかに
肥満
(
ふと
)
りたる
古寡婦
(
ふるごけ
)
の豚ぬすまれし
驚駭
(
おどろき
)
と
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“肥満”の解説
肥満(ひまん、Obesity, Corpulence)とは、一般的に、正常な状態に比べて体重が多い状況、あるいは体脂肪が過剰に蓄積した状況。体重や体脂肪の増加に伴った症状の有無は問わない。体内に脂肪が過剰に蓄積しており。「健康が脅かされるほどに太っている」状態を指す。肥満はあらゆる病気の原因でもある。厚生労働省は肥満を「生活習慣病」の1つに含めている。
ペットの肥満も参照。
(出典:Wikipedia)
肥
常用漢字
小5
部首:⾁
8画
満
常用漢字
小4
部首:⽔
12画
“肥満”で始まる語句
肥満女
肥満漢
肥満人
肥満型
肥満奴