“扮装”のいろいろな読み方と例文
旧字:扮裝
読み方割合
いでたち40.4%
ふんそう16.3%
なり13.5%
みなり9.9%
いでた5.7%
つくり2.8%
こしらえ2.5%
でたち1.8%
おつくり1.1%
よそおい1.1%
きつけ0.7%
やつ0.7%
よそお0.7%
ヤツ0.7%
かたち0.4%
こしら0.4%
すがた0.4%
つく0.4%
ふんさう0.4%
みづくろ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
燦爛かなる扮装と見事なるとは、帳場より亭主を飛び出さして、しき辞儀の下より最も眺望に富みたるこの離座敷に通されぬ。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
悪党でも派手を誇る時代だったから、それは洛内の見聞であったろうが、いずれはそんな部類の雑多な扮装をしていたにちがいない。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
百人に一人位真摯なものもあるかも知れないが、大抵は卒業すると直ぐ気障扮装をして新聞受売の経済論や株屋の口吻をしたがる。
青年実業家 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
嫁や娘たちが、海辺や湯治場で、暑い夏を過すあいだ、内儀さんは質素な扮装をして、川崎の大師や、羽田の稲荷へ出かけて行った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
玉藻もきょうは晴れやかに扮装っていた。彼女はのような髪をうしろに長くたれて、日にかがやく黄金釵子を平びたいにかざしていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それが自分にろうがうつるまいが、そんなことは一切合財考えなしで随分可笑しな不調和な扮装をしている人が沢山あるようです。
好きな髷のことなど (新字新仮名) / 上村松園(著)
良助は山へ行った時刻が騒ぎの後だし、虚無僧の扮装を隠しようはない、その上身体が小さい。倉松はみんなと一緒に馬道から来ている。
かとゆる薄毛天窓に、らず、大木ちたのが月夜すやうな、ぼけやた黒染扮装で、大入道
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「いいえ、もっとあとで、見た人が、お伝になった、お師匠さんの扮装を見て、お師匠さんの若い時分——年増ぶりを見た気がしたって、言ってました。」
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
顕文紗の十徳に薄紫の法眼袴。切下髪にはたった今櫛の歯を入れたばかりです。平素と少しの変わりもない扮装をして居るのでした。
正雪の遺書 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ひょろ松がさきに立って楽屋口から頭取の座に入って行くと、ちょうど三番目の『雨夜蓑笠』の幕がおりたところで、三津五郎が芸者美代吉の扮装で舞台から帰って来た。
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
六十六部に身を扮装して直江志津の一刀を錫杖に仕込み、田川より遠賀川沿ひに道を綾取り、福丸といふ処より四里ばかり、三坂峠を越えて青柳の宿に出でむとす。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
を肩に乗せた派手やかな若衆ですね、そういう扮装いの若衆ならばさっき通りましたよ、という者がある。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり祭祀の時の神として来向ふ若干の神人が、臨時に山中・海島に匿れて物忌みの後、神に扮装して来ると言ふ風が、半定住の形を採つたのである。
「よう、妙な扮装だぜ。」と雲おじい、めてつくづくめる。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ヒューという寒風いで柳番屋の蔭に立って居ると、向うから申し上げた黒縮緬の頭巾を被り大小を落差しに致して黒無地の羽織、紺足袋という扮装えで通りました
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
隣部屋へ通う隠し戸を開け、手に阿片の吹管を持ち、支那の乙女の扮装をした、若い女が現われたのである。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かといって変に細工をして扮装りゃあかえって人眼につくしさ、さんざ考えたあげくのはてが、この旅人すがたと洒落たんでございます。どうです、似合いましょうヘヘヘ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
女は容色の衰へをかくす為に目新しい扮装をさがして移つてあるく。
畜生道 (新字旧仮名) / 平出修(著)
寝椅子、垂幕、酒を載せた棚、そうして支那風の化粧をし、又支那風に扮装った幾人かの若い娘達、そういうもので飾られている、いわゆる酒場——安息所が、そこに作られているのだから。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)