“猿”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
さる62.9%
ましら24.3%
えて5.7%
ざる4.3%
えてきち0.5%
えん0.5%
なに0.5%
やえん0.5%
ジャップ0.5%
トーロ0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昔は鹿しかさるがずいぶん多くて狩猟の獲物を豊富に供給したらしいことは、たとえば古事記の雄略ゆうりゃく天皇のみ代からも伝わっている。
日本人の自然観 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
木曾きそ棧橋かけはしといふところの休茶屋やすみぢややつてあるおさるさんが、そんなことをとうさんに尋たづねました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
此猿このさるめんは南傳馬町名主なぬしの又右衞門といふものつくりて主計かずへさるといふよし今以てかの方にあるよしなり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
が、彼の体は、ましらのように途中の梢に引っかかった。そして枝から下の枝へ、スルスルと降りて行くよと見る間に、たちまち姿が見えなくなった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ましらのように為吉は高いサイドじ登って、料理場ギャレイの前の倉庫口ハッチウェイから側炭庫サイドバンカアへ逃げ込んだ。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
夜は聴くましら孤樹こじゆいて遠きを、あかつきにはうしほのぼって瘴煙しやうえんなゝめなるを。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
弘法大師や谷本梨庵博士を産んだ四国の土は、今一つ宗教家や学者にも劣らない立派な職業者を生んでゐる。それは尻尾のあるえてきち君である。
——ハハア見かけました。えてを肩に乗せた派手やかな若衆ですね、そういう扮装よそおいの若衆ならばさっき通りましたよ、という者がある。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おつや ァちゃん、お前どうしたの。木から落っこちたえてさんのように、今夜はいやにぼんやりだね。もう眠くなったのかい。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お堂の中には、小指の先ほどのくくざるや、千代紙で折った、これも小さな折鶴おりづるつないだのが、幾つともなく天井から下っています。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
一つ事に迷執めいしゅうを抱き、身、別世界にある思いの左膳は、朝夕夢のこけざるを追って、流れ流れてふたたび江戸へ……。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ある博徒いわく、得手吉は得而吉で延喜えんぎがよい、くくざるというから毎々縛らるるを忌んで猴をわれらは嫌うと。
そして口に残つた核子たねは一頻りしやぶり通した後で、えてきちのやうな口もとをして床の上に吐き出して素知らぬ顔をしてゐた。
面白いことに、東西の中間にエンコというのが入りまじっている。すなわち瀬戸内海の両側、山陰、山陽、四国ではエンコという所がある。えんの字をあてているが、淵猴とも書くことがある。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ね、洋服で片膝立てたのは変なものね、親仁様、自分で名告なのった天狗より、桃を持たしたい、おおきなにかに見えた事。
其れに下寺したでらと云つて……今は通行路とおりに成つて居るが、彼所は三十六坊の寺の在つた所、又山王台と云ふ只今西郷さんの銅像の在る所は、山王の社があつて、其れには金箔を置たやえんと龍の彫刻ほりものがございまして、実に立派な物であつたが、慶応四年の戦に一燼の灰となつてしまつた
下谷練塀小路 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
「どうだ、黄色い顔をしたジャップめ、口惜しいだろうがッ。」
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
「さあさあ、出てけ出てけ。君みたいな芸なしトーロに稼がれてちゃ、沽券こけんに係わるよ。さあ、出ろヴアツ・セ・エンポーラ!」
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)