“羚羊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かもしか86.9%
シャモア4.9%
くらしし1.6%
くらしゝ1.6%
ひつじ1.6%
れいよう1.6%
カモシカ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
河が少し開けてかわらに下り立つと、水の流れた跡が箒で掃いたように残っている砂地には、鹿や羚羊かもしかの足跡が無数に印せられている。
渓三題 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
羚羊シャモアの角など飾りに付けた杖を得意げに振りながら、クールサールをうろついて、大通りで宝石——輸入品の——を冷やかして、べちゃくちゃ云いながら日を暮してしまう。
助七が冬の羚羊くらしし狩りの小屋を打つという『猫の躍り場』はそのあたりで、助七が指さす尾根の上に、小池のある少しばかりの平らが見え
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
(熊の事は上巻にいへり)野猪ゐのしゝたけきゆゑ雪ふかくともやすからず、鹿しか羚羊くらしゝなどはよわきものゆゑ雪にはやすし。鹿はことさら高脛たかはぎなるゆゑ雪にはしる事人よりおそきにたり。
白き羚羊ひつじに見まほしく
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
戸をあけたのは若い女で、背が高く、胸が張つて、羚羊れいようのやうな眼と、新月のやうな眉と、アネモネの花のやうな頬と、スレイマンの封印のやうな唇をしてゐる。
地獄 (新字旧仮名) / 神西清(著)
それは、顔から光を発しているかとおもわれるような子で、その容姿や動作が山の羚羊カモシカよりも軽やかだった。その子の現われたわけを、父はすぐ聞かされた。