“鯱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃち48.9%
しゃちほこ24.4%
しやち13.3%
しやちほこ4.4%
さかまた2.2%
さち2.2%
しゃ2.2%
シヤチホコ2.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「凧にのって金のしゃちをはがす頓狂なやつだっている。要用いりようだったら、鯨だってなんだって持って行くだろうさ。別に不思議はありゃアしない」
ふかだのさめだのは素より、身体からだ中に刃物を並べたしゃちだの、とげうろこを持った海蛇だのがたかって来て
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
名古屋城の金のしゃちも教授にはさほど注目を惹かなかったので、むしろその形態のおもむきや、城の屋根瓦が波のような感じをもつことをよろこばれました。
下には松に囲まれた石垣を控え、上にはお城の建物がそびえ、しゃちほこった屋根から、空を飛ぶ鳥に至るまで、よくも上手に織り出したものと思います。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「まあ、待っていろ、女はあとでイヤというほど見せてやるから、もう少し念入りに、あの金のしゃちほこを見て置け、百」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
だから狐床ッてくらいなんで。鯨にしゃちほこ、末社に稲荷。これに逢っちゃ叶いません。その癖奴が、どんな乱暴を働いたって、仲間うちから、いくら尻を持って行っても、うけはしないんですがね。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
硝煙せうえん朦朧もうらうたる海洋かいやうたゝかひに、海底戰鬪艇かいていせんとうていりやうごとく、しやちごと
糶呉服せりごふくりたのさへかへさない……にもかゝはらず、しやちたいして、もんなしでは、初松魚はつがつを……とまでもかないでも
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しやちよりはやく、棹あげて闇より闇へ、
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
熱田の宮のこんもりとした森を左に、夕日の輝く金のしやちほこを右に眺めて、名古屋のステーシヨンに近づいて來る汽車の窓にりかゝつてゐる小池の姿が、眼の前に見えるやうである。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
日露戰爭にちろせんさうのすぐ以前いぜんとはひながら、一圓いちゑんづゝにかぞへても、紙幣さつ人數にんず五十枚ごじふまいで、きんしやちほこ拮抗きつかうする、勇氣ゆうきのほどはすさまじい。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さかまたか何かに成って敵の軍艦を喰ってやるぞ、といった意味の和歌が、確か、遺筆として与えられたはずだったことを彼は思出し、家中捜し廻って、ようやくそれを見付け出した。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
これはすべて事実であった。伯父の骨は、親戚の一人が汽船の上から、遺命通り、熊野灘に投じたのである。伯父は、そうしてさかまたか何かになってアメリカの軍艦を喰べてしまうつもりであったのである。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
矢倉に高きさちのかげ
都喜姫 (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
昨夜、一時ごろ、あッしが扉番をして居りますと、大きなね……それは、大きな自動車がめえりましたんです。頭灯ファールなんざ、こんなにでッかくて、喇叭がね、それも銀の喇叭が三つもついてるんでさァ。運転手が二人乗っていて、それがはァ棒でも嚥んだようにしゃッちょこばッてるんです。
墓地展望亭 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
徹底的な逆上で硬直した彼の肢体は、一度はシヤチホコのやうな勇ましさで空を蹴つて跳ねあがつたかとおもふと、次にはかつぽれの活人形のやうな剽逸な姿で踊りあがり、また三度目には蝦のやうに腰を曲げて、やをら見事な宙返りを打つた。
鬼涙村 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)