“鯱”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しゃち46.3%
しゃちほこ26.8%
しやち12.2%
しやちほこ4.9%
さかまた2.4%
さち2.4%
しゃ2.4%
シヤチホコ2.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“鯱”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 工芸 > 工芸16.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
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うっかりしていて、最初船長がそれを発見みつけた時には、もうその船はしゃちのような素早さで、鯨群に肉迫していた。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
「それがわからないのだ。角があると言いましたね、鯨ではない。しゃちさめでもあるまい。まぐろでもなかろう――はて」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「まあ、待っていろ、女はあとでイヤというほど見せてやるから、もう少し念入りに、あの金のしゃちほこを見て置け、百」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
天下の城のしゃちほこの代りに、満蒙露西亜ロシアの夕焼雲を横目ににらんで生れたんだ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しやちごと怪艇くわいてい水煙すいゑんつて此方こなたむかふをば、
少しく離れた私のかぶと竜頭たつがしらは、城の天守の棟に飾った黄金のしやちほどに見えようと思う。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
熱田の宮のこんもりとした森を左に、夕日の輝く金のしやちほこを右に眺めて、名古屋のステーシヨンに近づいて來る汽車の窓にりかゝつてゐる小池の姿が、眼の前に見えるやうである。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
日露戰爭にちろせんさうのすぐ以前いぜんとはひながら、一圓いちゑんづゝにかぞへても、紙幣さつ人數にんず五十枚ごじふまいで、きんしやちほこ拮抗きつかうする、勇氣ゆうきのほどはすさまじい。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さかまたか何かに成って敵の軍艦を喰ってやるぞ、といった意味の和歌が、確か、遺筆として与えられたはずだったことを彼は思出し、家中捜し廻って、ようやくそれを見付け出した。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
これはすべて事実であった。伯父の骨は、親戚の一人が汽船の上から、遺命通り、熊野灘に投じたのである。伯父は、そうしてさかまたか何かになってアメリカの軍艦を喰べてしまうつもりであったのである。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
矢倉に高きさちのかげ
都喜姫 (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
昨夜、一時ごろ、あッしが扉番をして居りますと、大きなね……それは、大きな自動車がめえりましたんです。頭灯ファールなんざ、こんなにでッかくて、喇叭がね、それも銀の喇叭が三つもついてるんでさァ。運転手が二人乗っていて、それがはァ棒でも嚥んだようにしゃッちょこばッてるんです。
墓地展望亭 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
徹底的な逆上で硬直した彼の肢体は、一度はシヤチホコのやうな勇ましさで空を蹴つて跳ねあがつたかとおもふと、次にはかつぽれの活人形のやうな剽逸な姿で踊りあがり、また三度目には蝦のやうに腰を曲げて、やをら見事な宙返りを打つた。
鬼涙村 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)