“鰡”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ぼら88.2%
いな5.9%
ボラ5.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なんのためか深張傘ふかばりがさをさして、一度いちど、やすものうり肴屋さかなやへ、お總菜そうざいぼらひにたから。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
元来我々同族間では目刺めざしの頭でもぼらへそでも一番先に見付けたものがこれを食う権利があるものとなっている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
皎々こうこうとして、夏も覚えぬ。夜ふけのつゝみを、一行は舟を捨てて、なまずと、ぼらとが、寺詣てらまいりをするさまに、しよぼ/\と辿たどつて帰つた。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、お杉の来ているのを知らない二人も、お杉につれて、章魚たこや、緋鯉ひごいや、鮟鱇あんこうや、ぼらの満ちている槽を覗き覗き、だんだん花屋の方へ廻っていった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
いなだのぼらだのが水際まで来て跳ねおどる様が小さな彼の眼に白金しろがねのような光を与えた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
伴「馬鹿な事をおっしゃい、川で鰹が釣れますものかね、たか/″\いなたなごぐらいのものでございましょう、兎も角もいらっしゃるならばお供をいたしましょう」
カドには前もって、柊の小枝を挿して置き、それに鰯の頭——昔はボラの子のいなの頭——をつき刺して出しておいたものです。
鬼を追い払う夜 (新字新仮名) / 折口信夫(著)