“初秋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はつあき74.3%
しょしゅう20.0%
しよしう5.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
静が、気がついてみると、初秋はつあき八月の風が萩叢はぎむらにふいていた。かさと杖とが手にあった。老母と共に鎌倉を立つ日であった。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翌朝あくるあさ書斎の縁に立って、初秋はつあきの庭のおもてを見渡した時、私は偶然また彼の白い姿をこけの上に認めた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ひとり、たか時計台とけいだいあおそらって、初秋はつあきほしひかりつめたくガラスにさえかえっていました。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
初秋はつあきの夜気が、しみ/″\と身うちにめぐつて、何となく心持ちが引緊り、さあ「これからだぞ——」といふやうな気がするにつけても、訳もなく、灯とそれから人の匂ひが懐しい。
散歩 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
ナンシイ市を過ぎて仏蘭西フランスの国境を離れた汽車の中で二人は初秋はつあき夜寒よさむを詫びた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
はすはな池面いけおも初秋しょしゅう風情ふぜいは、江戸歌舞伎えどかぶき荒事あらごととも
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
正二しょうじくんのちふるほそたけぼうは、あお初秋しょしゅうそらしたで、しなしなとひかってえました。
野菊の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と見るもなく初秋しょしゅう黄昏たそがれは幕のおりるように早く夜に変った。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ここはもう初秋しょしゅうにはいっています。
手紙 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
兄妹きょうだいは、縁側えんがわて、おともなくぬかぼしひかっている、やがて初秋しょしゅうちかづいたよるそらていましたが、
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と見るもなく初秋しよしう黄昏たそがれは幕のおりるやうに早く夜にかはつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
初秋しよしう洪水こうずゐ以來いらいかは中央ちうあうにはおほきな堆積たいせきされたので、ふね周圍しうゐうてとほ彎曲わんきよくゑがかねばらぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
初秋しよしうかぜ吊放つりはなしの蚊帳かやすそをさら/\といて、とうから玉蜀黍たうもろこしかまどはひなかでぱり/\と威勢ゐせいよくえる麥藁むぎわらかれて、からがそつちにもこつちにもてられる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)