“不知火”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しらぬい78.1%
しらぬひ21.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と見ると、雲の黒き下に、次第に不知火しらぬいの消え行く光景ありさま。行方も分かぬ三人に、遠く遠く前途ゆくてを示す、それが光なき十一の緋の炎と見えた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大きなからだをこまねずみのようにキリキリ舞いさせて、不知火しらぬい弟子でしどものいる広間のほうへと、スッとんでいったが……。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
暗夜にふなばたを打つ不知火しらぬひの光を見た。水夫が叩く悲しい夜半やはんの鐘のを聞いた。ちがつた人種の旅客を見た。自分の祖国に対するそれ等の人々の批評をも聞いた。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
はな眞紅まつかなのが、ゆる不知火しらぬひ、めらりとんで、荒海あらうみたゞよ風情ふぜいに、日向ひなた大地だいちちたのである。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)