“松虫”の読み方と例文
旧字:松蟲
読み方割合
まつむし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くだん大笊おおざる円袖まるそで掻寄かきよせ、湖の水の星あかりに口を向けて、松虫まつむしなんぞをくすぐるやうにざるの底を、ぐわさ/\と爪で掻くと、手足を縮めてかいすくまつた、あかだらけのきたない屑屋が、ころりと出た。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
御前おまえ川上、わしゃ川下で……」とせりを洗う門口かどぐちに、まゆをかくす手拭てぬぐいの重きを脱げば、「大文字だいもんじ」が見える。「松虫まつむし」も「鈴虫すずむし」も幾代いくよの春を苔蒸こけむして、うぐいすの鳴くべきやぶに、墓ばかりは残っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
松虫まつむし鈴虫すずむし
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)