“鰯雲”の読み方と例文
読み方割合
いわしぐも100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
4 山の朱い寺のとうに灯がとぼった。島の背中から鰯雲いわしぐもいて、私はうたをうたいながら、波止場の方へ歩いた。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
まだすっかり陽はおちていずに、水平線のうえにうずくまりかさなりあった鰯雲いわしぐもはまっ赤に染まり、雲と雲とのすきまから、金色の放射線が紺碧こんぺきの中天へつきささるようにのびだしています。
人魚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
空には何時の間にか鰯雲いわしぐもが出て、それが網の目のように行当岬の方へ流れていた。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鰯雲いわしぐも日和ひよりいよ/\定まりぬ
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
鰯雲いわしぐもがむくむくしている波止場の上に、黒く突き揚った船の起重機、その起重機のさきには一匹の朝鮮牛が、四足をつっぱって、哀れにうなっている。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)