“鱗雲”の読み方と例文
読み方割合
うろこぐも100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
明るくなつた庭、縁側に腰をかけると、何處かで時島ほとゝぎすの啼くのが聞えて、今日も暑くなり相な鱗雲うろこぐもが、朝の空に黄金色に漂ふのです。
すだれ捲上まきあげし二階の窓に夕栄ゆうばえ鱗雲うろこぐも打眺め夕河岸ゆうがし小鰺こあじ売行く声聞きつけてにわか夕餉ゆうげの仕度待兼まちかぬる心地するも町中なればこそ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
寝しなに雨戸の隙間からのぞくと灰色の鱗雲うろこぐもが空一面に瀰漫びまんして、生ぬるい風が吹いて来る。あまり面白くない天気だ。
皇海山紀行 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)