“夕栄”のいろいろな読み方と例文
旧字:夕榮
読み方割合
ゆうばえ47.4%
ゆふばえ31.6%
ゆうば15.8%
ゆふば5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
祭壇の前に集った百人に余る少女は、棕櫚しゅろの葉の代りに、月桂樹の枝と花束とを高くかざしていた——夕栄ゆうばえの雲が棚引たなびいたように。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
自分はぢつとランプの火影ほかげを眺めた。外には夕栄ゆふばえに染められた空と入江とが次第に蒼白く黄昏たそがれて行く。へやの中には石油のランプがいかにも軟な悲しい光を投げ始める。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
……畑中の並木が紫に烟り、昼間は藍色あいいろに見えていた遠くの山々が、今は夕栄ゆうばえの光りを受けてほとんど淡紅色と云い得るまでに淡く薄い色になってゆく。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
打晴れたる空は瑠璃色るりいろ夕栄ゆふばえて、にはかまさこがらしの目口にみて磨鍼とぎはりを打つらんやうなるに、烈火の如き酔顔を差付けては太息嘘ふといきふいて、右に一歩左に一歩とよろめきつつ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)