“夕暮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆふぐれ44.8%
ゆうぐ32.8%
ゆうぐれ15.5%
くれ1.7%
ゆうやみ1.7%
ゆふく1.7%
ゆふぐ1.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
引越ひきこしはこの夕暮ゆふぐれ、いかにも急速きふそくでは御座ござりますが直樣すぐさま掃除さうぢにかゝりたう御座ござりますとて
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あへ字義じぎ拘泥こうでいする次第しだいではないが、あめはなみだしたやうに、夕暮ゆふぐれしろかつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その夕暮ゆふぐれであつたか、小六ころくまたさむ身體からだ外套マントくるんでつたが
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
私自身はもうそんなものは見たくもなかったのだけれど、そのれ果てたヴェランダから夕暮ゆうぐれの眺めがいかにも美しかったのを思い出して、夕食後
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
いつも店頭てんとうひとたぬことはなく、ことに夕暮ゆうぐれどきなど、往来おうらいまであふれていました。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あたりをみると、いつか夕暮ゆうぐれらしい色が、森や草にはっていた。こずえにすいてみえる空の色も、たん刷毛はけでたたいたように、まだらなべにまっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は午後の三、四時までを九州ホテルで休養した上、夕暮ゆうぐれ、上野さんやそのさんと、白雲はくうん池から白雲牧場の方を散歩して見た。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
そしてネネムはまちをこめた黄色の夕暮ゆうぐれの中の物干台にフゥフィーボー博士が無事に到着とうちゃくして家の中に入って行くのをたしかに見ました。
汽車は西へ西へと走って、日の夕暮ゆうぐれ十勝とかち国境こっきょう白茅はくぼうの山を石狩いしかりの方へとのぼった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
音羽おとわの九丁目から山吹町やまぶきちょう街路とおりを歩いて来ると、夕暮くれを急ぐ多勢の人の足音、車の響きがかっとなった頭を、その上にものぼせ上らすように轟々どろどろとどよみをあげている。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
もう夕暮ゆうやみに近かった。庭の築山では吉野桜が、微風にもつれて散っていた。パチッ、パチッと音のするのは、泉水で鯉が躍ねるのであった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
楼前の緑はやうやく暗く、遠近をちこちの水音えて、はや夕暮ゆふくるる山風の身にめば、先づ湯浴ゆあみなどせばやと、何気無く座敷に入りたる彼のまなこを、又一個ひとつ驚かす物こそあれ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
つき幾日いつか説教日せつけうびさだめもあり帳面ちやうめんくるやらけうよむやらくては身體からだのつゞきがたしと夕暮ゆふぐれの縁先ゑんさきはなむしろをかせ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)