“視”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
75.5%
なが20.5%
しめ1.3%
みる0.4%
くら0.4%
0.4%
みつ0.4%
うかが0.2%
ながめ0.2%
のぞ0.2%
まのあた0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
開きれば一少艾衣類凋損ひとりのむすめきものそこねたれど妍姿傷みめそこねず問うてこれ商人のむすめ母に随い塚に上り寒食をすところを虎に搏たれ逃げ来た者と知り
いつの間にか、トチトチトン、のんきらしいひびきに乗って、駅と書いた本所停車場ステイションの建札も、うまやと読んで、白日、菜の花をながむる心地。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
孝孺のちに至りて此詩を録して人にしめすの時、書して曰く、前輩せんぱい後学こうがくつとめしむ、惓惓けんけんこころひとり文辞のみにらず、望むらくはあいともに之を勉めんと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
我その魚沼郡の塩沢しほさはうまれ、毎年十月のころより翌年よくとしの三四月のころまで雪をみるすでに六十余年、近日このごろ雪譜せつふを作るも雪に籠居こもりをるのすさみなり。
番人もむごいぞ、頭を壁へ叩付けて置いて、掃溜はきだめへポンと抛込ほうりこんだ。まだ息気いきかよっていたから、それから一日苦しんでいたけれど、彼犬あのいぬくらべればおれの方が余程よッぽど惨憺みじめだ。
まず我が一身を独立せしめ、我が一身を重んじて、自からその身を金玉きんぎょくし、もって他の関係を維持して人事の秩序を保つべし。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「わりゃ、わなわなと震えるが、素膚すはだに感じるか、いやさ、寒いか。」と、じろじろとみつめて寛々たり。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
父親はそれまでに、横浜と東京の間を幾度となくったり来たりした。弟の家の方をうかがったり、浅草の女の方に引っかかっていたりした。終いにまた子供を突き着けられた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
突当りの砲兵工廠ぞうへいの夜の光景は、楽天的にながめると、向島の花盛を幻燈で中空へ顕わしたようで、轟々ごうごうとどろく響が、吾妻橋を渡る車かと聞なさるるが、悲観すると、煙が黄に、炎が黒い。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
山口屋善右衞門はたくへ帰って見ると此の騒ぎですから、直ぐに医者を呼びにやりまして八右衞門を療治して貰い、表から此様こんな所をのぞき込まれてはならんからと云うので
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
煙は中天に満々みちみちて、炎は虚空にひまもなし。まのあたりに見奉れる者、更にまなこあてず、遥に伝聞つたへきく人は、肝魂きもたましひを失へり。法相ほつさう三論の法門聖教、すべて一巻も残らず。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)