“しめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シメ
語句割合
湿29.2%
14.3%
10.4%
9.0%
注連5.9%
5.7%
2.3%
2.3%
1.8%
1.8%
(他:96)17.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし暗くって湿しめッぽい空気が障子しょうじの紙をして、一面に囲炉裏いろり周囲まわりおそって来た。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二人は教重を引っ立てて門番所へ行った。門番の老爺おやじが汲んで出す番茶に喉を湿しめらせて、兼松は再び詮議にかかった。
半七捕物帳:65 夜叉神堂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「思うつぼに」と、ほくそ笑んで、一時三方へ散らした各部隊と聯絡をとり、日と刻をしめし合わせて、袁紹の本陣へ急迫した。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでに、帝も輿にお身をまかされ、三人の女房らも各〻輿の内だった。——何か、火急な機密でもしめし合わされていたものか。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平次は小机の上の硯に、りかけの水の殘つてゐるのと机の上に置いた筆の穗が、心持しめつてゐることに氣がつきました。
井戸端に流れた血潮は洗ひ清めた所で、土が少ししめつて居りますが、そんなのは平次の探索に何んの役にも立たなかつたのです。
「これきんでない?」と、その一人ひとりが、自分じぶんっている、いし破片はへんしめしました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、小滝は少しも躊躇ちゅうちょの色をしめさずに、「それア誰だッてそうですわねえ、……むろん林さん!」と言った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
この池を御禊の池といって、しいの木が二本、門柱でもあるかのように前に立って、それに注連しめが張り渡してありました。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
で、般若は一ちょうおのを提げ、天狗は注連しめ結いたる半弓に矢を取添え、狐は腰に一口ひとふりの太刀をく。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何しろしめて三十二銭のうち、饅頭まんじゅうを三皿食って、茶代を五銭やったんだから、残るところはたくさんじゃない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて紛失の目録を十点ばかり書き上げてその下に価格を記入して、するとしめて百五十円になりますねと念を押して帰って行った。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
うちしめ石油色せきゆいろ陰影いんえいうちうすひかぎん引手ひきてのそばに
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
此方こなたにあった大月玄蕃はそれと気づいたが悠然として、大刀の目釘にしめしをくれながらそれへ出て来た。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おびしめまゝよこになつたおつぎは容易よういかないをこすつて井戸端ゐどばたく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
二人が眼をさましたのを見ると、お父さんとお母さんは一時に二人を抱きしめて喜ばれました。そうしてこう云われました。
雪の塔 (新字新仮名) / 夢野久作海若藍平(著)
手紙は藥劑師の書くもので、それも豫め酢で舌をしめしてから書かないと、顏ぢゆうに疱疹ぶつぶつが出て堪つたものぢやないて。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
手拭てぬぐひしめしては、ひげしづくで、びた/\と小兒こどもむねひたしてござる。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此はてしない、しめやかな嬉しさの籠つた追憶談は、雨の盛岡のしめやかな空氣、蕭やかな物音と、全く相和して居た。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
此はてしない、しめやかな嬉しさの籠つた追憶談は、雨の盛岡の蕭やかな空気、蕭やかな物音と、全く相和して居た。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
横山町の店からの使ひで飛んで行つて見ると、——一度店へ歸つたお前が、お富としめし合せて飛出したといふ騷ぎの眞つ最中だ。
啓司は花田としめし合わせ、屋根へ花田に枝木を投げさせて、烏が空へ飛び立つところを射とうと身構えをしました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しかも師直の説明によると、塩冶は西国の菊池、四国の土居得能、北国の新田と内密にしめし合わせて一度に都へ攻めのぼらせる。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しめし合わせて、千両箱の行列は、小者達もろとも向うにやりすごしておいてから、気色けしきばみつつ退屈男のあとを追いかけました。
親王のお首を捨て置いたと傳へられるところは、土牢を去る二十歩のところで、小藪の周圍には、七五三しめなはが繞らしてあつた。
滑川畔にて (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
府下牛込小石川辺りにてなすところを聞くに、「麻糸の中に婦人の髪の毛三筋入れ、その縄を七五三しめに結う」という。
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
そのとき、傍にゐました、樵夫の子供は『しめた』と、切り口にさしいれてあつた楔を手早く抜きましたので、野牛は切口に舌をはさまれてしまつたのです。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
何私が善根たがるよくじゃと笑うて気を大きくもつがよい、さあ御出おいでと取る手、振り払わば今川流、握りしめなば西洋流か、お辰はどちらにもあらざりし無学の所
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ゲーム取りの娘が交番へ——その時、かねてしめし合わした兄の手から妹の手へ、その兇器は渡らないでいるだろうか。
撞球室の七人 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
とか何んとか、平次と八五郎は、眼と眼でしめし合せて、這々はふ/\の體で逃げ出す外はなかつたのです。
十番とつらの競馬のさいごの騎手が、もう勝負ノしめの彼方からこっちへ馬を返してくる。
——暦日のない旦暮あけくれに、遽かにしめ立つものの白さが、身に沁みてきた。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
たゞ張る氣を以て藝術に從事する者は、時に澄む氣の閃光を示し、而して其の藝術の進境を示すが、凝る氣で藝術に從事するものは決して澄む氣のかたちしめさぬといふことだけをこゝに言へば足りる。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
路幅みちはゞはあり、屈折は婉曲であり、樹蔭は深いし、左手の帚川の溪は眼に快いし、右手の山は高し、時々小瀑布を景物にしめすし、山嵐溪風いづれにしても人のはだへに清新其物の氣味を感ぜしめる。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
『雷が鳴るときに』とエミルが云ひました。『アムブロアジヌお婆あさんはあはてゝ窓や扉をしめますよ。』
しめい言うて、云わしゃれても、な、らちかん。閉めれば、その跡から開けるで、やいの。)
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
凡てが柔かくしめやかに、さうして澄みかかつて来た。
愛の詩集:03 愛の詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
凡てが柔かくしめやかに、さうして澄みかかつて来た。
そこが弟橘姫様おとたちばなひめさま日頃ひごろこのみの御修行場ごしゅぎょうばで、洞窟どうくつ入口いりぐちにはチャーンと注連縄しめられてりました。
『ばかあ云え。おれの体には、注連縄しめが張ってある』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すゐともしびを狹みて相對あひたいせる小松殿と時頼、物語の樣、しめやかなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
一日降つたしめやかな雨が、夕方近くなつてあがつた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
あゝ此樣こんことりましたらはやくに方法はうはふつたのでしやうがいまつては駟馬しめおよばずです
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
絶えず尻目しりめに雪子のかたを眺めて困つたものですなと言ふばかり、ああこんな事と知りましたら早くに方法も有つたのでせうが今に成つては駟馬しめも及ばずです、植村も可愛想かあいさうな事でした
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いや、「仕舞しめえ!」と云って命令した時には、全く仕舞う時節が有るだろうと思ったね。
予が半生の懺悔 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そこで苦悶の極、おのずから放った声が、くたばって仕舞しめえ(二葉亭四迷)!
予が半生の懺悔 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
慎太郎は父の云いつけ通り、両手のたなごころに母の手を抑えた。母の手は冷たい脂汗あぶらあせに、気味悪くじっとりしめっていた。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
と云いながら笛を取り出し構えましたが、小左衞門は松の根方へ足を掛け、歌口をしめして吹き出しましたが、その音色は尺八よりは一きわ静かで、殊に名人の吹くこと故に
今朝も手向けた一もん蝋燭ろうそくも、三分一が処で、倹約でしめした、糸心のあと、ちょんぼりと黒いのをせなに、日だけはよく当る、そこで
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(外記はうなづきて縁にあがる。お時は手桶の水にて迎ひ火をしめして、おなじく内に入る。)
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
いていから又ぴょこ/\飛出しては稼いで来る、しめえには金が疲れてう働らけねえから何うか置いておくんなさい、う何処へもきません、貴方あんたの傍は離れませんと云うから、そんなら置いて遣るべいという
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それでだね、お前、しめえの方へもってきてよ、それ、お前がおはこの歌を書いてあらあ、花は散れども春は咲くよ、鳥は古巣へ帰れども、行きて帰らぬ死出の旅、今あの歌が聞えます、あの歌は、はじめに行基菩薩ぎょうきぼさつというお方がおつくりなすった歌だから
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あっしはそれを読んで行くうちに、自分の首をしめられるような気持になってしまいましたよ。
悪魔祈祷書 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
如何すれば其様に無茶なる夫の了見と、お浪は呆れもし驚きもし我身の急に絞木にかけてしめらるゝ如き心地のして、思はず知らず夫にすり寄り、それはまあ何といふこと、親方様が彼程に彼方此方のためを計つて、見るかげもない此方連このはうづれ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
夢どころではござりますか、お前様、直ぐにしめ殺されそうな声を出して、苦しい、苦しい、鼻血が出るわ、目がまうわ、天窓あたまを上へ上げてくれ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「刑吏ども。早その首をしめてしまえ」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海老茶だ、あ、すかんぽだ、あ、お襁褓しめだ。あ、おっている。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
いまおまえが、お襁褓しめをあてている子どもをよく御覧。それは誰だ?
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今はわれ友にしめすに我性格と我意志とをもてすべしとおもひぬ。
法王の元気 しかるにこれまで英国政府からして何かチベット政府へ掛合い事があって、ややもすると合戦でも起しかねまじき語気をしめすと、法王は大いに恐れて小心翼々よくよくとして心配をせられ、御膳ごぜんさえろくに召上めしあがらず日夜心を悩まされたそうですが、この頃はこれと打って変って強くなった。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)