“上手”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じょうず52.1%
うわて13.2%
かみて12.3%
じやうず8.6%
うま6.7%
うはて2.2%
じようず1.7%
じょうて0.9%
じやうづ0.7%
あじ0.4%
うめ0.2%
じやうて0.2%
ぜうず0.2%
めいじん0.2%
ウワテ0.2%
ワデ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女の好きな国文の素養があって、歌や韻文も上手なら芝居や音楽をもっていて、初対面のものを煙に巻く博覧の才弁を持っていた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
代助は独りで考えるたびに、自分は特殊人だと思う。けれども要吉の特殊人たるに至っては、自分よりかに上手であると承認した。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
(あさ)(買って来た魚のはいっているやら、角巻——津軽地方に於ける外出用の毛布——やらを上手の台所のほうに運びながら)
冬の花火 (新字新仮名) / 太宰治(著)
もさういへばでもらあつてからは仕事上手るとしちやみつしらだつけが、きぢやねえ鹽梅だつけのさな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
金兵衛は相当ケチケチした親方らしいが、それでも人使いが上手かったのだろう。怨んでいる人間なんか一人も居ないらしいのだ。
近眼芸妓と迷宮事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
勘定にかけちや、向うが上手といふだけだ。ちやんと、先が見えるのさ。五百円のに、あいつは、まんまと秘密を残して行きをつた。
秘密の代償 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
いはゆるるところにで、この新古今集ほど、日本歴史で、名人上手といふべきが、たくさんつてたことはありません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
派手なもの、上手のものは、時に従って流れる姿を追うている。だが日常の用品は粗末にされたためか、かえって昔のままに残されている場合が多い。
北九州の窯 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
なればめるではけれど細工名人ふても御座んした、なれども名人だとて上手だとて私等のやうにれついたはにもなる出來ないので御座んせう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
玉野は上手る。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あの白首、身体こったらに小せえくせに、とても上手えがったどオ!」
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
あの茶わんは誰が見ても上手なものといふより、一種の雜器といつた方が當るかもしれない。
やきもの読本 (旧字旧仮名) / 小野賢一郎(著)
夜目にも立派な洋服で、背は高くないが、り処のきちんとした、上手で刻んだという灰色の姿。月明に一目見ると、ずッと寄ったのが山の井さんで、もう立向うと病魔辟易
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
妻君、かえると思ったら妻君は卓子について居てエンジェネルが居ない。ニーナ、ひっそりして居る。リージヤ何でもなさそうにして居る。面白いと思った。なかなか上手なり。
大小二十に余るお面を、棚に並べておいて、其を上手と称する当役その他の人々が、てんでに新しく、胡粉や、丹で彩色する事であつた。
雪まつりの面 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)