“揃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そろ91.2%
ぞろ3.2%
そろい3.0%
そろひ1.3%
そろへ0.3%
ぞろい0.3%
そろえ0.3%
そろつ0.2%
ソロ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まず海苔のりが出て、お君がちょっとしゃくをして立った跡で、ちびりちびり飲んでいると二、三品はそろって、そこへお貞が相手に出て来た。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
晩年大河内子爵のおともをして俗に柘植黙つげもくで通ってる千家せんけの茶人と、同気相求める三人の変物ぞろいで東海道を膝栗毛ひざくりげの気散じな旅をした。
それっというので、防護団の諸員はおそろいの防毒面をかぶった。警報班員は一人一人、石油缶を肩からつって、ガンガン叩いて駈けだす。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そろひ浴衣ゆかたに白いちぢみ股引ももひき穿いて、何々浜と書いた大きい渋団扇しぶうちは身体からだをはたはたと叩いて居る姿が目に見える様である。
住吉祭 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
そろへて申す樣なにとも恐入おそれいり候事ながら貴院きゐん先達せんだつて仰聞られ候には聖護院しやうごゐん宮樣の御配下ごはいかにて天一坊樣の御旅館りよくわんとばかり故庄藏御世話せわ申三郎兵衞の明店あきだな御用立差上候ひしに只今御玄關おげんくわん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼の新調はどこかのデパートメント・ストアの窓硝子まどガラスの中に飾ってあるぞろいくくりつけてあった正札を見つけて、その価段ねだん通りのものを彼が注文して拵えたのであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
天下の操觚者そうこしゃほとんど筆をそろえてその偉人たることを称す、子規子はいかなる理由によって偉人と称せられたるか、世人が子規子を偉人とするところの理由いかんと見れば
絶対的人格:正岡先生論 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
政府おかみに何か騒が御座いましてネ、今の大隈様おほくまさんだの、島田様だのつてエライ方々が、皆ンなそろつ御退おさがりになりましてネ、其時山木様も一所に役を御免おやめになつたのです
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
半世紀を経た位の木ぶりが、一様にソロつて見える。月の光りも薄い木陰コカゲ全体が、勾配を背負つて造られた円塚であつた。月は、瞬きもせずに照し、山々は、深くマブタを閉ぢてゐる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)