“不揃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふぞろ58.6%
ぶそろ10.3%
ふそろい6.9%
ふぞろい6.9%
むら6.9%
ふぞろひ3.4%
ぶぞろ3.4%
ぶぞろい3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これが東京などの大都会に、大火の多かった原因の一つで、そうしてまた屋根の三角が、いよいよ不揃ふぞろいなものになるたねでもあった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
がけあきつてもべついろづく樣子やうすもない。たゞあをくさにほひめて、不揃ぶそろにもぢや/\するばかりである。すゝきだのつただのと洒落しやれたものにいたつてはさら見當みあたらない。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今日は鋭くとがった頂きは無論の事、切石を不揃ふそろいに畳み上げた胴中どうなかさえ所在ありかがまるで分らない。それかと思うところが、心持黒いようでもあるが、鐘のはまるで響かない。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かなり熟練が入るのですが、お母様はお上手じょうずでした。私などが手を出して見ましても、とかく不揃ふぞろいになるので嫌われます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
さうなると、今迄は気がかなかつたが、じつに見るに堪えない程醜くいものである。毛が不揃むらびて、あをすぢ所々ところ/″\はびこつて、如何にも不思議な動物である。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
端艇競漕ボートレース本職ほんしよくことだから流行はやるのも無理むりいが、大事かんじん端艇ボートかつおこつた大颶風だいぐふうめに大半たいはん紛失ふんしつしてしまつたので、いまのこつてるのは「ギク」一さう、「カツター」二さうで、オール餘程よほど不揃ふぞろひなので
みちもない、雲に似て踏みごたえがあって、雪に似てつめたからず、朧夜おぼろよかと思えば暗く、東雲しののめかと見れば陰々たる中に、煙草盆、枕、火鉢、炬燵櫓こたつやぐらの形など左右、二列ふたならびに、不揃ぶぞろいに、沢庵たくあんたるもあり
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あせり切って前後不揃ぶぞろいにお若伊之助のまいった次第を話しますので、晋齋も不審には思いますが、自分にって詫をようと申すは不測ふしぎ理由わけ