“不可”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
いけ40.5%
いけな21.3%
いか13.8%
いかん8.3%
いけない4.9%
いけね4.6%
ふか2.0%
いけま1.1%
いけず0.6%
いや0.6%
(他:8)2.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“不可”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語8.6%
文学 > 日本文学 > 戯曲8.2%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆1.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「平に、奥様おくさんには御内分。貴女あなたまた、早瀬が朝湯に酔っていたなぞと、お話をなすっては不可いけませんよ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おかくし遊ばしても不可いけません。そうして若お師匠様、あなたもうお児様こさまが出来ましたではございませんか。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『可いか。お前も學校に入ると、不斷先生の斷りなしに入つては不可いけなといふ處へ入れば、今の人の樣に叱られるんだぞ。』
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
貴方あなた——うかしてますね。……確乎しつかりなさらなくつちやあ不可いけないぢやあゝりませんか。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やゝもすると、御まへ抔はまだ戦争をした事がないから、度胸がすわらなくつて不可いかんと一概にけなして仕舞ふ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
佐川のむすめを紹介される迄は、あにの見え次第げる気であつたが、いまでは左様さう不可いかなくなつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「それです。塩瀬の店のものもそう言います——何処か不安なところが有ると見える——こりゃ大にかえりみなけりゃ不可いかんぞ」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「それはそうと、お前の家でも高輪に居据りだね。今のままでは到底不可いかんぞ。久米さんだってもそう長く頼んで置く訳には行くまい」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「お前のように直ぐそういう風に持って行ってしまうから不可いけない——俺はそう眼前めのまえのことばかりも考えてはいない」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
左様さう君のやうに言つても困るよ。』と準教員は頭を掻き乍ら、『何も僕が不可いけないと言つた訳では有るまいし。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「生意気なことをいったって、不可いけねえや、かしこまってるなあ冬のこッた。ござったのは食物でみねえ、夏向は恐れるぜ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おい、それだつても無銭たゞぢやあ不可いけねえよはゞかりながら神方万金丹しんぱうまんきんたん、一てふびやく
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
想うてここに到れば、マヂニーは実に、松陰の意気と精神とに小楠の理想と霊心とを加えたりというも、不可ふかなきなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
善き所に目を附けて学ぶ人は早くそのを悟り悪しき所に目を附け学ぶ人は老に至るもその不可ふかを知らず。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
——実は串戯じょうだんだけれどもね、うっかり、人を信じて、生命いのちの親などと思っては不可いけません。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しずかにしておかなければ不可いけませんから、貴下方あなたがた他室あっちへお引取下さい。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
源之助で不可いけず、門之助で不可、何分にも適当のひとが見当らないので、結局寿美蔵すみぞうに廻りましたが、本来は宗之助か秀調しゅうちょうという所でしょう。
這個この髯斑ひげまだらまなこつぶらにしておもあか辺塞へんさい驍将げうしやうたいして、しかことさむには、当時たうじ流行りうかう剣劇けんげき朱鞘しゆざや不可いけず講談かうだんものゝ鉄扇てつせんでも不可いけない。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『だけど私が言つたなんか言つちや不可いやよ。よ、昌作さん、貴方も伝染うつらない様に用心なさいよ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そんな不可いや真似まねを為なくても、立派に行くやうに私が稼いであるんぢやありませんか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
つて衆人ひとに立たぬければ不可いかぬから、入口はいりぐち横町よこちやう
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
すると、兄貴は首を振つて、「どうも不可いかねえもので、親の悪いところばかり子に伝はる。丑松も用心深いのはいゝが、然し又、あんまり用心深過ぎて反つて疑はれるやうな事が出来やすまいか。」としきりに其を言ふ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
だから小声で云いますがね、どうも今日の純文芸は、書斎芸術の境地にあり、大衆文芸は夫れに反し、辻文芸の域にあります、で、書斎へ通るものは、勿論例外はありましょうが、大方は教養ある紳士淑女です。ですから間違って『昨日の思想』や『一昨日の思想』を伝えた所でその人達は取捨選択します。ですから比較的安全です。辻の方は然うは不可いきません。
大衆文芸問答 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
稍あつてから、『今夜は何もしなくても可いから、先刻教へたアノ洋燈ランプをつけて、四畳に行つておやすみ、蒲団は其処の押入に入つてある筈だし、それから、まだ慣れぬうちは夜中に目をさまして便所はばかりにでもゆく時、戸惑ひしては不可いけぬから、洋燈は細めて危なくない所に置いたら可いだらう。』と言ふ許可おゆるしが出て
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「貴様入れろ、声掛けなくちゃ御年貢のようで無くて不可いけねえ」と辰さんは弟に言った。「さあ、どっしり入れろ」
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「——賛成だ、至極いいよ。私たち風来とは違って、矢野には学士の肩書がある。——御縁談は、と来ると、悪く老成おやじじみるが仕方がない……として、わけなくまとまるだろうと思うがね、実はこのお取次は、私じゃ不可まずいよ。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しませうと出るはずのない事だがぼくとても内職ないしよくそのものを直々ぢき/″\不可わるいといふのではない
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
思い切って物を言ってみようか……と思い掛けてまたそれと思い定めぬうちに、下女部屋の紙障しょうじがさらりと開く、その音を聞くと文三は我にも無くと奥座敷へ入ッてしまった——我にも無く、殆ど見られては不可わるいとも思わずして。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)