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いけない
ふりがな文庫
“
不可
(
いけない
)” の例文
「いいえ、わけやないんだそうだけれど、転地しなけりゃ
不可
(
いけない
)
ッていうんです。何、症が知れてるの。転地さえすりゃ何でもないって。」
誓之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
斯
(
こ
)
の応接室で読まうか。人が来ると
不可
(
いけない
)
。教室が
可
(
いゝ
)
か。小使部屋が可か——否、彼処へも人が来ないとは限らない。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お兄さまを苦しめるやうな便りを差し上げては
不可
(
いけない
)
とあんなにまで
仰云
(
おつしや
)
いましたけれ共、お兄さまのお心を痛めるとは十分存じながらも
奈何
(
どう
)
しても書かずにはすまされません。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
もつともつと深みがなくては
不可
(
いけない
)
、要するに歳が若かつた為めだらう、今二三十年も生存してゐたら、良い作品も沢山残しただらうと、斯うした見方も一つの見方かも知れないが
札幌時代の石川啄木
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
蒲團は其處の押入に入つてある筈だし、それから、まだ慣れぬうちは夜中に目をさまして便所にでもゆく時、戸惑ひしては
不可
(
いけない
)
から、洋燈は細めて危なくない所に置いたら可いだらう。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
今
(
いま
)
つから
伸
(
の
)
びる
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
なくては
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
い、
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
を
他處
(
よそ
)
の
家
(
うち
)
でもしては
不可
(
いけない
)
よと
氣
(
き
)
を
附
(
つ
)
けるに、
己
(
お
)
れなんぞ
御出世
(
ごしゆつせ
)
は
願
(
ねが
)
はないのだから
他人
(
ひと
)
の
物
(
もの
)
だらうが
何
(
なん
)
だらうが
着
(
き
)
かぶつて
遣
(
や
)
るだけが
徳
(
とく
)
さ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そうして、(あんな
母様
(
おっかさん
)
は
不可
(
いけない
)
のう、ここへ来い)と旦那が手でも引こうもんなら、それこそ大変、わッといって泣出したの。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ところが自分達は来ない、生徒も
不可
(
いけない
)
、無断で見送りに行くものは罰するなんて——
其様
(
そん
)
な無法なことがあるもんか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
一體その顏は
不可
(
いけない
)
よ。笑ふなら腸まで見える樣に口をあかなくちや
不可
(
いかん
)
。怒るなら男らしく眞赤になつて怒るさ。そんな顏付は側で見てるさへ氣の毒だ。そら、そら段々
苦
(
にが
)
くなツて來る。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
滋養物を取らなければ
不可
(
いけない
)
——働き過ぎては不可——眼を休ませるようにしなければ不可——
種々
(
いろいろ
)
に言われて来た。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
佳
(
い
)
い
児
(
こ
)
だ、いうことを
肯
(
き
)
いて、
身体
(
からだ
)
を大事にしなけりゃ
不可
(
いけない
)
よ。まったくだ、はるばる使に来てくれる姉さんを、小田原のお宮でも、どんなに御心配だか知れやしない。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一体その顔は
不可
(
いけない
)
よ。笑ふなら
腸
(
はらわた
)
まで見える様に口をあかなくちや
不可
(
いかん
)
。怒るなら男らしく真赤になツて怒るさ。そんな顔付は
側
(
はた
)
で見てるさへ気の毒だ。そら、そら、段々苦くなツてくる。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それは
大悦
(
おおよろこ
)
びだろう。お前のとこでも、子が
幾人
(
いくたり
)
も死んで、随分不幸つづきだったナ。しかし世の中のことは、何でも深く考えては
不可
(
いけない
)
。淡泊に限る。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「堪忍おしよ、それはもう芳さんが言わないでも、私はこの通り髪も濃くないもんだから、自分でも束ねていたいと思うがね、旦那が
不可
(
いけない
)
ッて言うから仕様がないのよ。」
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あの人のはツクルと
不可
(
いけない
)
。
洒瀟
(
さっぱり
)
とした
平素
(
ふだん
)
の
服装
(
なり
)
の方が可い。
縮緬
(
ちりめん
)
の三枚重かなんかで
撮
(
と
)
った写真を見たが、腰から下なぞは見られたものじゃなかった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それだから疑ぐられるんだ。
不可
(
いけない
)
ねえ。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お前のように直ぐそういう風に持って行ってしまうから
不可
(
いけない
)
——俺はそう
眼前
(
めのまえ
)
のことばかりも考えてはいない」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
叔父が「女も眼を開いて男を見なければ
不可
(
いけない
)
」と言ったことは、未だ忘られずにある。その叔父が
姪
(
めい
)
の眼を開くことはどうでも可いような仕向が多かった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『
左様
(
さう
)
君のやうに言つても困るよ。』と準教員は頭を掻き乍ら、『何も僕が
不可
(
いけない
)
と言つた訳では有るまいし。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「二人ともおとなしくして聞いていなくちゃ
不可
(
いけない
)
。お前達は父さんの行くところをよく覚えて置いておくれ。父さんは
仏蘭西
(
フランス
)
という国の方へ行って来る——」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「ああそうしておくれ。弱い子供だから、お雪さんが心配すると
不可
(
いけない
)
。ワンワンも持たせてやりたいが、可いわ、私がまた訪ねる時にお
土産
(
みや
)
に持って行かず」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それに泉ちゃん達のことと言えば、前に
不可
(
いけない
)
と
仰
(
おっしゃ
)
ったことでも、後でしてやればいいじゃないかって、
叱
(
しか
)
られてしまうんですもの。どうして
可
(
い
)
いか解りませんでしたよ。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
言うが、そんなに
為
(
し
)
たって
不可
(
いけない
)
。お定にしろ、あの爺さんにしろ、高が人に
遣
(
つか
)
われてるものだ
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「未だ
彼女
(
あれ
)
は十五やそこいらじゃないか——子供じゃないか——そんなに責めたって
不可
(
いけない
)
」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私がそれじゃ
不可
(
いけない
)
と言うと、そこで何時でも言合でサ……家内が、父さんは繁の
贔負
(
ひいき
)
ばかりしている、一体父さんは甘いから不可、だから皆な言うことを聞かなくなっちまうんだ
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『
是
(
これ
)
をどうするんですか。
黄色
(
きいろ
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
でなけりや
不可
(
いけない
)
んですか。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「しかし、気が
急
(
せ
)
いて
不可
(
いけない
)
から、遠慮なしに頂きます」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「オンになんて言っちゃ
不可
(
いけない
)
の。ね。私に頂戴ッて」
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
左様
(
さう
)
貴方は気を揉むから
不可
(
いけない
)
んですよ。」
死の床
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「これ、
悪戯
(
いたずら
)
しちゃ
不可
(
いけない
)
よ」
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「どうも切れなくて
不可
(
いけない
)
」
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“不可”の意味
《名詞》
不 可(ふか)
いけないこと、よくないこと、可と認めないこと。
試験の成績で、不合格。四段階評価で、優、良、可に次ぐもの。
(出典:Wiktionary)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
“不可”で始まる語句
不可思議
不可能
不可解
不可得
不可侵
不可致
不可抗
不可侵境
不可抗力
不可然