“無”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
45.6%
21.2%
14.4%
4.7%
なか2.9%
なく1.8%
ない1.6%
なけ0.9%
なき0.9%
0.9%
なし0.7%
なさ0.7%
いな0.5%
なから0.5%
なみ0.5%
ねえ0.5%
0.5%
0.2%
ねへ0.2%
ふい0.2%
みな0.2%
ネエ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かつらならではとゆるまでに結做ゆひなしたる圓髷まるまげうるしごときに、珊瑚さんご六分玉ろくぶだま後插あとざしてんじたれば、さら白襟しろえり冷豔れいえんものたとふべきく——
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「一寸お待ちなせエ、戸締のい家たア随分不用心なものだ、れ程貧乏なのか知らねいが」と彼の剽軽へうきんなる都々逸どゝいつの名人は冷罵れいば
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
もちろん、老人ろうじんこころざしとならなかったばかりか、B医師ビーいしは、老人ろうじんきだったらしいすいせんを病院びょういんにわえたのでありました。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「首がうても、当節の役人は、袖の下で、何とでも成る。殺しておけば、津軽も、命には代えられんと思うから、檜山を返すであろう」
三人の相馬大作 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
避ける工夫は仕てなかッた、殺すと早々逃たのだろう、余り智慧のたくましい男では無いと見える、此向このむきなら捕縛すればじきに白状するだろう
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
懸けければ此方は彌々いよ/\愕然びつくりし急に顏色がんしよく蒼醒あをざめ後の方を振返るにそれ召捕めしとれと云間も有ず數十人の捕手ふすまかげより走り出なんなく高手たかて小手になは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
新聞を拾読ひろいよみしていたお政は眼鏡越しに娘を見遣みやッて、「欠びをして徒然つくねんとしていることはないやアね。本でも出して来てお復習さらいなさい」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あけしに驚きさす旅宿屋やどやの主人だけよひことわりもなき客のきふに出立せしはいかにも不審ふしんなりとて彼の座敷をあらためしにかはる事もなければとなり座敷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
身にまと何樣どのやうなる出世もなるはずを娘に別れ孫を失ひ寄邊よるべなぎさ捨小舟すてこぶねのかゝる島さへなきぞとわつばかりに泣沈なきしづめり寶澤は默然もくねんと此長物語を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そこに球突塲たまつきばがあつたので聊のまゝ運動うんどうがてら二十てんといふところあたりからならひ出したのが、病みつきのはじめだつた。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
見ても海軍原で殺して築地三丁目の河岸へ捨るに一町もほかかついで行く筈もなし(大)夫では家の内で殺したのか(谷)まあ聞たまえと云うのに
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
主人ながら友達ともだち共思ふ仲よしのかうはいつた物の、言過て病にさわりはせぬかと今更冷汗色をかえての心配顏、嬉敷うれしいに附我身のかひなさ堪兼たえかねて夜着に顏差入て忍なき
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
狗子還有仏性也無[狗子くしにまた仏性ぶっしょう有りやいなや]の問答についても同様の事が言える。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
『北越雪譜』の中の雪中の虫のところに「金中かねのなかなお虫あり、雪中ゆきのなかなからんや」というのがありますね」という話をしてくれた。
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
日来ひごろ武に誇り、本所ほんじょなみする権門高家の武士共いつしか諸庭奉公人となり、或は軽軒香車の後に走り、或は青侍格勤の前にひざまずく。
四条畷の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
曲「あ痛うごぜえやす、何う云う訳だって、全く覚えがねえんでごぜえやす、只慌てゝわっしが……」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今朝の嵐は、嵐ではげによの。大堰オホヰ川の川の瀬の音ぢやげによなう。(閑吟集)
「さうや さかいに」 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
何有なあにハア、俺みたいな惡黨女にや神樣も佛樣もくたばる時でえば用ア無えどもな。何だべえせえ。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
まけたとて大敗軍もねへもんだ其樣な少量けちな事を聞みゝへ此馬鹿八めとのゝしるにぞ目玉の八は負腹まけばらにて心地宜らぬ折柄をりから故大いにいかりナニ馬鹿八だと此拔作め口の横にさけまゝに餘り大造を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その後は市内働きと事きめ就働しきたりしも、不拍子の時は不拍子々々々と或程度まで重なるものにて或時は主人破産せし為め働き金も大半ふいになり
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
取られて取られて、とうとう、のう、御主人へ持ってく、一樽のお代をみなにしました。処で、自棄やけじゃ、賽の目がとおに見えて、わいらの頭が五十ある、浜がぐるぐる廻るわ廻るわ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
田打櫻タウヂざくらハナコでも、蕗臺バキヤタヂハナコでも、彼處アコ田畔タノクロガラ見れバ花見はなみコだデバせ。弘前フロサギ公園地こうゑんち觀櫻會くわんあうくわいだけヤエにお白粉しろいカマリコアポツポドするエンタ物でネエネ。フン! 二十六にじふろくオドタテ何ア目ぐせバ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
それでは、曙覧の潔い志の、になる機会ばかりが多かつたに違ひない。それでも、本家に近く居る事の煩はしさはあつたであらう。
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)