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無
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なか
ふりがな文庫
“
無
(
なか
)” の例文
避ける工夫は仕て
無
(
なか
)
ッた、殺すと早々逃たのだろう、余り智慧の
逞
(
たくま
)
しい男では無いと見える、
此向
(
このむき
)
なら捕縛すれば
直
(
じき
)
に白状するだろう
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
懸賞百兩と
聞
(
きい
)
て其日から河にどぶん/\
飛
(
とび
)
込む者が日に
幾十人
(
なんじふにん
)
さながらの
水泳場
(
すゐえいぢやう
)
を
現出
(
げんしゆつ
)
したが
何人
(
だれ
)
も百兩にあり
着
(
つ
)
くものは
無
(
なか
)
つた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
外には何物をも
容
(
い
)
れる余地の
無
(
なか
)
つたことを——皆さんが
各々
(
てんでに
)
理想の
男
(
ひと
)
を描いて泣いたり笑つたり、
欝
(
うつ
)
したりして騒いで居なさる時にでも
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
かくてかの密室より、お藤を助け
出
(
いだ
)
しつつ、かたのごとく老婆を縛りてまた雑具部屋へ引取りしを、知る者絶えて
無
(
なか
)
りけり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
以て私しへ仰せ
聞
(
きけ
)
らるゝやと申立るを越前守殿
聞
(
きか
)
れ
默
(
だま
)
れ長庵其
砌
(
みぎ
)
りは
確然
(
しか
)
とした證據人の
無
(
なか
)
りし故なり此度は其
節
(
せつ
)
の證據人と對決申し付る間其時
有無
(
うむ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
文庫
(
ぶんこ
)
のなかを
捜
(
さが
)
しても
無
(
なか
)
つた。
鏡台
(
きやうだい
)
にも
針箱
(
はりばこ
)
にも
箪笥
(
たんす
)
の
抽斗
(
ひきだし
)
にも
無
(
なか
)
つた。
大方
(
おほかた
)
焼棄
(
やきす
)
てるか
如何
(
どう
)
かしたのであらう。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
それもこれも承知せぬでは
無
(
なか
)
ろうが若い人の癖とてあのお
辰
(
たつ
)
に心を
奪
(
うばわ
)
れ、
然
(
しか
)
も取残された
恨
(
うらみ
)
はなく
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
茲
(
ここ
)
ニ住シテ凡ソ幾年、
屡
(
しばし
)
バ春冬ノ
易
(
かわ
)
ルヲ見ル寄語ス
鐘鼎家
(
しょうていか
)
、虚名
定
(
や
)
ンデ益
無
(
なか
)
ラン」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
教の人における、一日も
無
(
なか
)
るべからず。飽食・暖衣・
逸居
(
いっきょ
)
して教なきは、禽獣に近し。教の政における、その
帰
(
き
)
、
一
(
いつ
)
なり。われ
聞
(
きく
)
、文明の国たる、王家大礼あれば必ず教師を
引
(
ひき
)
てこれを
司
(
つかさど
)
らしむ。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
雑魚
(
ざこ
)
一
疋
(
ぴき
)
懸
(
かか
)
らない、万一や網でも損じてはいぬかと、調べてみたがそうでも無い、
只管
(
ひたすら
)
不思議に思って
水面
(
みなも
)
を
見詰
(
みつめ
)
ていると、何やら大きな魚がドサリと網へ
引掛
(
ひっかか
)
った、その
響
(
ひびき
)
は
却々
(
なかなか
)
尋常で
無
(
なか
)
った
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
全く其頃の私の眼中には試験の外に何物も
無
(
なか
)
った。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
斯くも
手掛
(
てがゝり
)
なき人殺しは其類少し去れば其日一日は到る所ろ此人殺しの噂ならぬは
無
(
なか
)
りしも都会は噂の種の製造所なり翌日は他の事の噂に口を
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
サスがの柿沢君も
一言
(
いちごん
)
の答弁が
無
(
なか
)
つたと云ふことです、一言に尽したならば、兼吉の如きは新式江戸ツ子とでも言ひませうか
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
感伏したりけり此外に
出會
(
いであは
)
せし
公事
(
くじ
)
訴訟人迄も涙も流し感ぜぬ者は
無
(
なか
)
りしとぞ扨又大岡殿は市郎左衞門に
對
(
むか
)
はれ罪を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
話
(
はなし
)
は
段々
(
だん/\
)
進
(
すゝ
)
んだ。
私
(
わたし
)
の
詰問
(
きつもん
)
に
対
(
たい
)
して、
妻
(
つま
)
は一と
通
(
とほり
)
の
弁解
(
べんかい
)
をしてから、
其
(
それ
)
は
恋
(
こひ
)
と
云
(
い
)
ふほどでは
無
(
なか
)
つたと
説明
(
せつめい
)
する。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
さりとて人間を二つにする事も出来ず、お辰様が
再度
(
また
)
花漬売にならるゝ瀬も
無
(
なか
)
るべければ、詰りあなたの無理な
御望
(
おのぞみ
)
と
云者
(
いうもの
)
、あなたも
否
(
いや
)
なのは岩沼令嬢と仰せられて見ると
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「けれどもね六兵衛さん、死だ妻はお露ほど
可愛
(
かあい
)
くなかったよ、何でも
無
(
なか
)
ったよ」
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「松島さん、そんな
旧傷
(
ふるきず
)
の洗濯は御勘弁を願ひます、まんざら御迷惑の掛け放しと云ふ次第でも
無
(
なか
)
つた様で
御
(
ご
)
わすから」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
だッて牢屋には
肝腎
(
かんじん
)
の藻西太郎が居るだろうじゃ無いか細「でも貴方、藻西に逢た所で別に利益は
無
(
なか
)
ッたでしょう、
夫
(
それ
)
よりは何故直に藻西太郎の宅へ行き
其
(
その
)
妻
(
さい
)
を ...
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
刧
(
おびやか
)
し
路用
(
ろよう
)
を
奪
(
うばひ
)
て己が酒色の
料
(
れう
)
にぞ
遣
(
つか
)
ひ
捨
(
すて
)
けり初の程は何者の
仕業
(
しわざ
)
とも知る者
無
(
なか
)
りしが遂に誰云ふとなく
旅人
(
りよじん
)
を
剥
(
はぐ
)
の惡黨は此頃常樂院の食客大膳と云ふ者の仕業なりとを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
加之
(
それに
)
用心深
(
ようじんぶか
)
い
其神経
(
そのしんけい
)
は、
何時
(
いつ
)
彼
(
か
)
の
背負揚
(
しよいあげ
)
を
見
(
み
)
て、
手紙
(
てがみ
)
に
触
(
さは
)
つた
私
(
わたし
)
の
手
(
て
)
の
匂
(
にほひ
)
を
嚊
(
か
)
ぎつけ、
或晩
(
あるばん
)
妻
(
つま
)
が
湯
(
ゆ
)
に
入
(
い
)
つた
留守
(
るす
)
に、
私
(
そつ
)
と
背負揚
(
しよいあげ
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
ると、
手紙
(
てがみ
)
はもう
中
(
なか
)
には
無
(
なか
)
つた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
牛の
鞦
(
しりがい
)
爰
(
ここ
)
に外れてモウともギュウとも云うべき言葉なく、何と珠運に云い訳せん、さりとて
猥褻
(
みだら
)
なる
行
(
おこない
)
はお辰に限りて
無
(
なか
)
りし者をと
蜘手
(
くもで
)
に思い屈する時、先程の男
来
(
きた
)
りて
再
(
また
)
渡す
包物
(
つつみもの
)
、
開
(
ひらき
)
て見れば
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
折角
呼
(
よび
)
に
遣
(
やっ
)
たけれど君を迎えるほどの事件では
無
(
なか
)
ッたよ目
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
“無”の解説
無(む、无)とは、ないこと、存在しないこと。事物あるいは対象となる事柄が有を成さないといった様態及び概念。物体が物質的構成を成さないこと。一切の否定を一般化した表現。対義語は有。「定義されていない(未定義)」事とは意味合いが異なる場合がある。
(出典:Wikipedia)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“無”を含む語句
無情
無頼漢
無言
無上
無礼
情無
有無
無事
無益
南無阿弥陀仏
無邪気
無花果
無性
傍若無人
無明
無禮
無頓着
無聊
無精
無手
...