“加之”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しかのみならず30.3%
おまけ14.3%
しかも12.6%
のみならず12.6%
それに10.1%
しか4.2%
しかのみ4.2%
おまけに4.2%
シカノミナラズ1.7%
そのうへ0.8%
それのみでなく0.8%
しかのみなら0.8%
あまつさへ0.8%
そこへ0.8%
そのうえ0.8%
のみ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
加之しかのみならず、大体偽善者であると思って間違ないのである。欠点のある人間、若しくは欠点をつつまずに出す人間は、少くとも正直である。
読書と著書 (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
加之おまけみちが悪い。雪融ゆきどけの時などには、夜は迂濶うっかり歩けない位であった。しかし今日こんにちのように追剥おいはぎ出歯亀でばかめの噂などは甚だ稀であった。
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
とは云え気候は極わめて熱く、悪疫四方に流行し、加之しかも土人は兇悪惨暴、その上陸地は山ばかりで、取り処の無い島とも云えましょう。
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
加之のみならず、其麽時は、何処から持つてくるものやら、鶏とか、雉子とか、鴨とか、珍らしい物を持つて来て、手づから料理して父と一緒に飲む。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
加之それに顔立かほだちなり姿なり品の好いであツたから、よしや紫の色が洗ひざれてはげちよろけて來ても、さして貧乏びんぼんくさくならなかつた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
加之しかも風の吹き廻しで、声は却ってあとの方へ響くので、巡査は彼女かれが重太郎を呼ぶ声を聞いた。忠一の耳にもお葉の声が聞えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
加之しかのみならず、語学校時代の友人の多くは実業界に投じ、中には立派に成功して財界の頭株あたまかぶに数えられてるものもあるので
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
お大は姉と違つて、ちひさい時分から苦勞性の女であつたが、糸道いとみちにかけては餘程鈍い方で、姉も毎日手古摺てこずつて居た。其癖負けぬ氣の氣象きしやうで、加之おまけに喧嘩がすきと來て居る。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
ホノルヽ市民に与へたり 加之シカノミナラズ東洋トラストの巨人野口真造氏の所有船小松丸を撃沈し 西尾ライス商会主の持船を奪ふ抔 不法の振舞多し
廿年後之戦争 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
いと加之そのうへ田舍ゐなか物固ものがたくして四十九日立ざる中は大精進だいしやうじんにて魚類ぎよるゐを食する事能はずされども半四郎は元來大酒にして又さかなは魚類を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ころ醫者いしやでさへそれをどうすることも出來できなかつた。加之それのみでなくかれ醫者いしやぶことが億劫おつくふで、大事だいじ生命いのちといふことをかんがへることさへこゝろいとまたなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
姫は我を憐めり。加之しかのみならず姫は我戀を知りたり。かく思ひつゞけつゝ、我は枕に接吻せり。さるにても口惜しきは、わが意氣地なき性質なり。いかなれば我は先の日直ちに彼の無禮を責めざりしぞ。
やうや鐵條網てつでうもうそとからお賽錢さいせんげたのを、へん男子をとこがノコ/\て、敬禮けいれいず、無遠慮むゑんりよに、あなはいつて加之あまつさへ賽錢さいせんんだのだから、先方せんばうになるとはらつのももつとも千ばん
加之そこへ圧搾機械の様な方法で搾られるんでは、到底耐ったもので無い。
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
加之そのうえ拙者本来八岐大蛇の転生うまれがわりで、とかく四、五升呑まぬと好い考えが付かぬが、妻がかれこれ言うから珍しく禁酒中で、どうせ満足な竜の起原論は成るまいが、材料はおおくある故
加之のみならず、二葉亭は一足飛びに大家班に入ったにかかわらず、文学を職業とする気があるかないか解らぬくらいノンキであって、文名の籍甚せきじんに乗じて文壇におどり出すでもなく
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)