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加之
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おまけ
ふりがな文庫
“
加之
(
おまけ
)” の例文
加之
(
おまけ
)
に
路
(
みち
)
が悪い。
雪融
(
ゆきど
)
けの時などには、夜は
迂濶
(
うっかり
)
歩けない位であった。しかし
今日
(
こんにち
)
のように
追剥
(
おいはぎ
)
や
出歯亀
(
でばかめ
)
の噂などは甚だ稀であった。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「君、僕ももう
旧
(
もと
)
の徳蔵ではないよ、お金は
唸
(
うな
)
る程出来るし、
加之
(
おまけ
)
に弟は貴族院に
入
(
い
)
るし、何一つこの世に不足は無くなつたよ。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
腹
(
はら
)
ン
中
(
なか
)
に五六十
両
(
りやう
)
の
金子
(
かね
)
が
這入
(
はいつ
)
てる、
加之
(
おまけ
)
に
古金
(
こきん
)
だ、
何
(
ど
)
うして
呉
(
くれ
)
よう、知つてるのは
己
(
おれ
)
ばかりだが、ウム、
宜
(
い
)
い事がある。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
加之
(
おまけ
)
に在来の姑と嫁とは殆ど専制時代の君臣の関係であることが正しいとせられているから、干渉が一転すれば強制となり威圧とならずには置かない。
姑と嫁について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「そいつは大変だね。何しろ、家を移すということは容易じゃ無いよ——
加之
(
おまけ
)
に遠方と来てるからなあ」
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
博士は「日本人は約束を守る誠実な国民だ。も一度来ると云へば
屹度
(
きつと
)
此
(
この
)
通りに来る。
加之
(
おまけ
)
に二人の詩人を
伴
(
つ
)
れて来た。
殊
(
こと
)
に日本婦人がツウルへ来た事は
之
(
これ
)
が始めであらう」
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
御一新前土佐藩から出て天下を横行した海援隊の隊長に
阪
(
ママ
)
本龍馬と云ふ豪傑が有つて、又其妻に楢崎お龍と云ふ美人で才女で、
加之
(
おまけ
)
に豪胆不敵な女のあつた事は諸君善く御承知でせう
千里駒後日譚
(新字旧仮名)
/
川田瑞穂
、
楢崎竜
、
川田雪山
(著)
いわゆる
鋸
(
のこぎり
)
の目を立てるようなヴァイオリンやシャモの
絞殺
(
しめころ
)
されるようなコロラチゥラ・ソプラノでもそこらここらで聴かされ、
加之
(
おまけ
)
にラジオで放送までされたら二葉亭はとても助かるまい。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
加之
(
おまけ
)
に人間のやうな自由思想家であるとしたら、人間は少し位悪くしても、精々馬の方に気をつけてやらなくちやならぬかも知れない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
自分の夫たるべき男を
他
(
ひと
)
に
奪
(
と
)
られて、
加之
(
おまけ
)
に自分が
斯
(
こ
)
んな
酷
(
ひど
)
い目に逢うとは、債権者が債務者から
執達吏
(
しったつり
)
を
差向
(
さしむ
)
けられたようなもので、余りに馬鹿馬鹿しい理屈である。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私が「事実の観察に出発せず」
加之
(
おまけ
)
に「事実の関係を全く無視して極めて主観的な判断を下す」
平塚さんと私の論争
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
本願寺も在所の者の望み
通
(
どほり
)
に承諾した。で
代々
(
だい/″\
)
清僧
(
せいそう
)
が住職に成つて、丁度
禅寺
(
ぜんでら
)
か
何
(
なに
)
かの
様
(
やう
)
に
瀟洒
(
さつぱり
)
した
大寺
(
たいじ
)
で、
加之
(
おまけ
)
に檀家の無いのが
諷経
(
ふぎん
)
や葬式の
煩
(
わづら
)
ひが無くて気
楽
(
らく
)
であつた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
月不足
(
つきたらず
)
で、
加之
(
おまけ
)
に乳が無かつたものですから、
満二月
(
まるふたつき
)
とは其児も生きて居なかつたさうです。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
イヤ
何
(
ど
)
うにも
斯
(
か
)
うにも
実
(
じつ
)
に
華族
(
くわぞく
)
のお
医者
(
いしや
)
抔
(
など
)
に
係
(
かゝ
)
るべきものではない、
無闇
(
むやみ
)
にアノ小さな
柊揆
(
さいづち
)
でコツコツ胸を
叩
(
たゝ
)
いたり
何
(
なん
)
かして
加之
(
おまけ
)
に
劇
(
ひど
)
い薬を
飲
(
の
)
ましたもんだから、
昨夜
(
ゆうべ
)
は
何
(
ど
)
うも七十六
度
(
たび
)
厠
(
かはや
)
へ
通
(
かよ
)
つたよ。
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「喧嘩は滅多にしなかつたが、最後まで出してはならぬ筈の専門で飯を食ふやうにはなるし、
加之
(
おまけ
)
に今だに借金はたんと残つてるし……」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
加之
(
おまけ
)
に
仏蘭西
(
フランス
)
人
許
(
ばか
)
りで無く春の見物に来た世界のお客様がうようよしてゐる中で
忙
(
せは
)
しく一
瞥
(
べつ
)
して歩くのだから
確
(
たしか
)
な評判も出来ないが、
斯
(
か
)
う量が多ければ概して
普通
(
なみ
)
の
作物
(
さくぶつ
)
許
(
ばか
)
りになるのは勿論だ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
旧主人
(
きゅうしゅじん
)
の角川家の前も通った。
駅
(
しゅく
)
を抜けて
村境
(
むらざかい
)
まで出ると、日が暮れかかって来て、
加之
(
おまけ
)
に寒い雨が降って来た。目ざす銀山まではまだ三里もあるので、二人は
其処
(
そこ
)
らで野宿をすることに決めた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
加之
(
おまけ
)
に、子供は多勢で、
与太
(
よた
)
(頑愚)なものばかり揃つて居て——
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
肩に背負つた風呂敷包には、二宮金次郎の道徳のやうな、格安で、
加之
(
おまけ
)
に「お
為
(
た
)
めのいい」
石鹸
(
しやぼん
)
や
白粉
(
おしろい
)
がごたごた
包
(
くる
)
まれてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
夜更
(
よぶか
)
しをして帰つて来る自分達は
兎角
(
とかく
)
遅く起きる朝が多いのに、夫人は
何時
(
いつ
)
でも温かい料理を出す様にと気を附けて
居
(
を
)
られる。初めに辞退しなかつたので毎朝
其
(
その
)
通りの料理が出て
加之
(
おまけ
)
に
其
(
その
)
量が多い。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
シカゴの或るお婆さんは、「私は
聾
(
つんぼ
)
で
加之
(
おまけ
)
に
唖
(
おし
)
です。気の毒だとお思ひなら、
貴女
(
あなた
)
の書物を一冊送つて呉れ」と申込んで来た。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
で保雄はいつも貧乏で
加之
(
おまけ
)
に高利貸の催促に
苦
(
くるし
)
められて居る。
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
実際今時の武力で領土の遣り取を
定
(
き
)
める状態に比べたなら、王様の智慧比べの方が罪がなくて、
加之
(
おまけ
)
に人を殺さないだけでも良いかも知れない。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
帰
(
かへ
)
り
途
(
みち
)
に
件
(
くだん
)
の課長は何故俺を死人扱ひにして
加之
(
おまけ
)
に顔の棚卸しまでしたと言つて、雄弁家に喧嘩を吹き掛けたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
湯沸
(
サモワル
)
は便利で、
加之
(
おまけ
)
に火持ちがいいところから、聯合軍が
浦塩
(
ウラジホ
)
に
入
(
い
)
つてから、あの界隈の
湯沸
(
サモワル
)
は段々
購
(
か
)
ひ集められて、アメリカあたりへ輸出された。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ところがフワリエエルと来てはお話にも
何
(
なん
)
にもなつたものでは無い。何もかも油でいためて、
加之
(
おまけ
)
に
葱
(
ねぎ
)
を添へて置かなくつちや承知しないんだからな。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
食卓語
(
テエブルスピーチ
)
は巧くやつて
退
(
の
)
けたし、
加之
(
おまけ
)
に
美味
(
うま
)
い七面鳥は食べたしするので、ル氏は顔に似合はずその晩は上機嫌だつた。で、一言爺さんに
嘲弄
(
からか
)
つてみた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「私の父はミスシツピイで農園をやつてゐましたが、ある時
洪水
(
おほみづ
)
で農園はすつかり台なしにされてしまひ、
加之
(
おまけ
)
に私達の
住家
(
すみか
)
も根こそぎ持つて
往
(
ゆ
)
かれました。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
若い将校は希望通りに休暇を貰つたらいいので、
加之
(
おまけ
)
に好きな娘と結婚する事さへ出来たらいいので、別に気むつかしやの元帥と議論する必要もなかつたのだ。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
加
常用漢字
小4
部首:⼒
5画
之
漢検準1級
部首:⼃
4画
“加”で始まる語句
加
加減
加茂
加賀
加担
加奈陀
加持
加持祈祷
加勢
加里