“石鹸”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
せっけん42.9%
シャボン21.9%
しやぼん14.3%
しゃぼん10.5%
シヤボン5.7%
せつけん1.9%
さぼん1.0%
サボン1.0%
モダ1.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“石鹸”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.6%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行1.1%
文学 > 日本文学 > 詩歌1.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ガラスの面の一部を石鹸せっけんでこすっておくと、そこだけはこの水滴の凝結に対してまた全くちがった作用をするのである。
日常身辺の物理的諸問題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
顔の所々ところどころしか写らない剥げた鏡の前で、膚ぬぎになった職工たちが、石鹸せっけんの泡とお湯をはね飛ばした。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
彼は一度だけ白波と血との石鹸シャボン泡のようになった水面へ浮び上ったが、それからまた沈んで、それっきり浮き上らなかった。
こちらの方では小桶こおけを慾張って三つ抱え込んだ男が、隣りの人に石鹸シャボンを使え使えと云いながらしきりに長談議をしている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
化粧石鹸しやぼんでよく洗つた上に、香水でも振りかけなければ、とて接吻キツスが出来さうな顔ではなかつた。
併しお房は氣が利いてゐる女だ。何時の間にか新しいタオルと石鹸しやぼん齒磨はみがき楊子やうじとを取そろへて突き出しながら、
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
女「じゃアふみや這入っておいで、其処に石鹸しゃぼんがあるから持っておいで、それは私の使いかけで入らぬから」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
気がつかずにいたが、毎度風呂の中で出くわす男で、石鹸しゃぼんを女湯の方から貰って使うのがあって、僕はいつも厭な、にやけた奴だと思っていた。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
手拭、垢擦あかすり、炭(ほうの木)、軽石、糠、石鹸シヤボン糸瓜へちま
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
父の背に石鹸シヤボンつけつつ母のこと吾がいてゐる月夜こほろぎ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それは唯はた目には石鹸せつけん歯磨はみがきを売る行商ぎやうしやうだつた。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
青い山をひついて見給へ。石鹸せつけんが幾つもころげ出すだらう。
軽井沢で (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼女は「石鹸さぼん」で洗ったばかりの「かなきん」の襦袢じゅばん「Jibão」に、「びろうど」Veludo の着物をきていた。
客は両替シャアンジュで換えて来た「灰色の石鹸サボン」——大きな金額の丸札——をそのまま賭けてもよし、細かいのが欲しければクルウピエが同額だけの小さな「ぼたん」に崩してくれる。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
戦争がはじまると、所在の悪因縁を絶ち切って、なにもかにもさらりとやめ、田舎へひっこんで鬚剃の石鹸モダ溶しでコオフィを飲むような実誼な暮しをし、この世の欲という欲はみななくなったつもりでいたが、肉親のオブセッション(執着)は手のつけられないもので、あれをひと目見たいと思うと、もう矢も楯もない。それだけの一本槍でこうしてはるばるやってきた。
復活祭 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)