“行”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
34.2%
17.8%
11.1%
おこな7.1%
ぎょう5.8%
ゆき4.9%
こう2.4%
ぎやう2.0%
おこない1.9%
ある1.3%
ゆく1.2%
おこなひ1.0%
いっ1.0%
ギヤウ0.6%
ゆか0.5%
0.5%
かう0.5%
いら0.5%
いき0.3%
いつ0.3%
おこ0.3%
0.3%
0.3%
おこなわ0.2%
オコナ0.2%
いく0.2%
0.2%
おこの0.1%
ゆつ0.1%
いか0.1%
0.1%
0.1%
つら0.1%
やっ0.1%
ゆい0.1%
エツ0.1%
0.1%
ギョウ0.1%
0.1%
0.1%
わざ0.1%
0.1%
あり0.1%
いぐ0.1%
いで0.1%
いでま0.1%
いな0.1%
いらつ0.1%
うた0.1%
おこなっ0.1%
おこなは0.1%
おもむ0.1%
0.1%
ぎよう0.1%
くだり0.1%
0.1%
0.1%
したが0.1%
0.1%
すす0.1%
つか0.1%
0.1%
なす0.1%
はや0.1%
ふるま0.1%
ふるまい0.1%
ゆくへ0.1%
ゆけ0.1%
ゆこ0.1%
ストイ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ちと君に頼みたい事があつてね、——実は二三日保養かたがた修善寺しゆぜんじ湯河原ゆがはらへ小説を書きにきたいんだが、……」
塵労 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
全身砂埃を浴びた彼の後影うしろかげが、刹那に高く大きくなり、その上けばくほど大きくなり、仰向いてようやく見えるくらいであった。
些細な事件 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「もう一ぺんってごらん。」とおかあさんがった。「そして返事へんじをしなかったら、横面よこッつらっておやり。」
誠にどうも向うが見えませんからせまとほりへつて、拝観人はいくわんにんなかへでもむやうなことがあつて
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
詮索好きの君は、あの当時、よく僕の教室へ来て誰が、何のために出して、どういう意味があるだろうかと、色々推定をってきかせてくれたものだ。
闘争 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
用の少い官吏とか会社員とかが、仕様事なしの暇つぶしに、よくる奴で、恁麽こんな事をする男は、大抵弾力のない思想をツて居るものだ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
昭和せうわ年度ねんど豫算よさんおいても府縣ふけんではすでに七千萬圓まんゑん節減せつげんおこなつたのであるが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
其後そのご頭痛づつうおこごと全身ぜんしん冷水灌漑れいすゐくわんがいおこなひしが、つひ習慣しふくわんとなり
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
民部みんぶ即座そくざ矢立やたてをとりよせ、筆をとって、サラサラ八ぎょうを書き、みずから梅雪ばいせつの手もとへ返した。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから「菩薩のぎょう」として、仏教には六度、すなわち六波羅蜜はらみということが説かれてありますが、その六波羅蜜の最初の行は布施です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
元日にある人のもとゆきければ、くいつみをいだし、ことぶきをのべてのち、これを題にして、めでたく歌よめとはべりければ
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
うまれかはらば華族くわぞくにとばかり、此處こヽでヽ何處いづこゆきけん、わすれぬひめのことわすれねばこそ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
自ら奮って犠牲たらんと欲するは、真に志士の天職を、まっとうする者と、しばし讃嘆の念に打たれしが、儂もまた、このこう決死せざれば
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
新兵衛たちは一こう四、五十人の徴税使をつれて世良田へ入った。といっても、義貞の居館へではない。その隣の“たちぼう”とよぶ寺だった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かゝる僧なれば年毎としごと寒念仏かんねんぶつぎやうをつとめ、无言むごんはせざるゆゑ夜毎よごとに念仏してかねうちならし
【毛織】cilicio 馬の毛等を結びあはせて造れる粗き衣にて昔隱者これを肌に着けそのたえず身を刺すを忍びて一種のぎやうとなせりといふ
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
太初がことばであるかおこないであるかを(考えるのではなく)知り切っている人に取っては、この感想は無視さるべき無益なものであろう。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その人間の心で、虎としてのおのれ残虐ざんぎゃくおこないのあとを見、己の運命をふりかえる時が、最も情なく、恐しく、いきどおろしい。
山月記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
山海経せんがいきょう』に招揺の山に獣あり、その状ぐう(尾長猿)のごとくして白耳、伏してあるき人のごとく走る、その名を狌々という。
かの「あるき筋」とか、「掃除筋」とか、「番太筋」とかいう筋のものの中には、かくの如くにして起ったのが少くなかろうと解せられる。
かの末木の香は「世の中の憂きを身に積む柴舟しばふねやたかぬ先よりこがれゆくらん」と申す歌の心にて、柴舟と銘し、御珍蔵なされ候由に候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
なお因縁深ければ戯談じょうだんのやりとり親切の受授うけさずけ男は一寸ちょっとゆくにも新著百種の一冊も土産みやげにやれば女は
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
我もけがれたるこの世に生れたれば、穢れたりとは自ら知らで、あるひは穢れたる念を起し、或は穢れたるおこなひすことあらむ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
年は六十あまり、たゞ念仏三昧ざんまい法師はふしにて、无学むがくなれどもそのおこなひ碩僧せきそうにもをさ/\おとらず。
なにしろ先生の処へいってこの通り言おうと思て、それから、大阪ちゃくはその歳の十一月頃と思う、その足で緒方おがたへ行て、
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人はお嫁にいってから家政に苦労するのに、自分は反対に小娘の時から舅姑しゅうとしゅうとめのような父母に仕えてあらゆる気苦労と労働とをしていた。
私の貞操観 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
コノ為来シキタりを何時となく、女たちのハナすのを聞いて、姫が、女のギヤウとして、この野遊びをする気になられたのだ、と思つたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
大学病院へ通つてゐましたか、ぐらゐの話を、人みしりする私でもしかけて見たくなつた程、好感に充ちた無言ムゴンギヤウであつた。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かくて三年みとせばかり浮世を驀直まっすぐに渡りゆかれければ、勤むるに追付く悪魔は無き道理、殊さら幼少よりそなわっての稟賦うまれつき
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
此処こゝ百姓ひやくしやうわかれてかはいしうへゆかうとしたが猶予ためらつたのは売薬ばいやくうへで。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「なあ、源ん——俺アこの冬、國さつてきてえんだよ——源ん。」ヅキ/\痛む腰を自分でもみながら云つた。そして暗い顏をして源吉を見た。
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
「さうよ、二人ふたりで六十せんばかりだがこれおれしたのよ、みなみさせるわけにもかねえかんな」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
昨日きのふ一昨日おとゝひと三つゞけてつたですで、まんづ、今日けふ大丈夫だいぢやうぶでがせうかな。」一かうにん
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
フラゴナアルの以太利イタリイに修めんとするや、ブウシエそのかうを送つていはく、「ミシエル・アンジユが作を見ることなかれ。彼が如きは狂人のみ」と。
では、お嬢様、どうでもいらつしやるので御座いますか——斯様こんなこと申したらば、老人としより愚痴ぐちとお笑ひ遊ばすかも知れませぬが
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ナニ、おくさまがナ、えらい遠方へ旅にいらしッて、いつまでも帰らっしゃらないんだから
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
それでなくっても先刻さっきからのいきがかりじょう、彼は天然自然の返事をお秀に与えるのが業腹ごうはらであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
親に不孝な鳥という昔話なども、とびつばめ啄木鳥きつつきその他多くの鳥類にいきわたって、ただ啼き声だけが変った点であることは、雲雀や水恋鳥の馬を殺した話も同じであった。
田圃たんぼしぎなにおどろいたかきゝといて、刈株かりかぶかすめるやうにしてあわてゝとんいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それならのぶさんいつておいで後刻のち學校がくかうはうぜの約束やくそく信如しんによ田町たまちあねのもとへ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
宗助そうすけ敷居際しきゐぎはひざまづいてかたごとはいおこなつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
子路聞けることありて、いまだおこなうあたわざるときは、唯聞くあらんことを恐る。(一四)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
吾々すら、さう思ふのだから、世間大体はまづ、さう言ふカタで、時勢と芸文との関聯を、考へてゐるに違ひないと謂はれよう。
文芸の力 時代の力 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ファルヤマも、百合ユーリ花盛ファナサカリーイ、きすゅるソーデニオのしおらしや……」
骨仏 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そや。このオソぶる。新嘗ニフナミに、我がりて、イハふ此戸を(万葉集巻十四)
古代生活に見えた恋愛 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
タレぞ。此家のオソふる。にふなみに、我がりて、イハふ此戸を
生活に必要な物質財は、その生産を各人の能力に応じて自由に分担すると共に、その分配もまた各人の必要に応じて公平におこなわれます。
階級闘争の彼方へ (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
その前年から徐々そろそろ攘夷説がおこなわれると云う世の中になって来て、亜米利加アメリカに逗留中、艦長が玩具おもちゃ半分はんぶん蝙蝠傘かわほりがさを一本かった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
さうして、宮に仕へる若者衆がオコナつた念仏踊りが、更に上覧踊りに変つて行つた道筋を、今少し考へ易くして貰ひたいと思ふ。
銘記メイキセヨ ツテ梁党リョウトウ宣言センゲンニシテ 必ズオコナワザルハ無キ事ヲ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『何処へいくのだらう、彼男は。』と見ると、高柳は素早くらちを通り抜けて、引隠れる場処を欲しいと言つたやうな具合に、旅人の群に交つたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
セエラがモントモレンシイ家の前を通りかかると、子供達はどこかの夜会へでも出かけるらしく、ちょうど舗道ペーヴメントを横切って馬車の方へ歩いていくところでした。
◯ヤコブ書第五章十一節にいわく「なんじらかつてヨブの忍びを聞けり、主いかに彼にし給いしかその終末おわりを見よ、すなわち主は慈悲深くかつ矜恤あわれみある者なり」と、まことにその通りである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
しかし、父上、あなた様は、智勇兼備のお方でござって、私如き不肖ふしょうの者には推量おしはかることさえ出来ぬほどの大計略をお胸の中に絶えず蔵されておいでのはずゆえ、その父上のされた所業の善悪是非の批評など、どうして私に出来ましょうや。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
このながめいみに入ったシルシは、宮廷貴族の家長のおこのうたみづのをひもや、天の羽衣ようの物をつけることであった。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
故に他の一方について高きものを低くせんとするの工風くふうは随分かたき事なれども、これをおこのうて失策なかるべきが故に、この一編の文においては、かの男子の高きを取って押さえて低くし、自然に男女両性の釣合をして程好ほどよちゅうを得せしめんとの腹案を以て筆を立て、「日本男子論」と題したるものなり。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
れは今朝けさからさがしてるけれど何處どこゆつたかふでやへもないとふ、廓内なかだらうかなとへば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
むゝ美登利みどりさんはないまさきれのうちまへとほつて揚屋町あげやまち刎橋はねばしから這入はいつてゆつ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
例の書生は手桶ておけげて、表の方から裏口へ廻って来た。飲水をむ為には、唐松からまつの枝で囲った垣根の間を通って、共同の掘井戸までいかなければ成らなかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ぼく家見舞いへみまひいかず、年玉としだま義理ぎりをかけてさ。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
何処どつけ何処どつけ!』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
フウラリフウラリ飛んで
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
衛霊公、じんだて(陣)を孔子に問う。孔子こたえて曰く、俎豆の事は則ち嘗て聞けるも、軍旅の事は未だ学ばずと。明日つい(去)る。(衛霊公、一)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
明日遂にる。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
雁のつらは正しいものであるが、時にはその声々に誘われたように後列の雁が翼を振って前列を追いぬけることがある。
薬前薬後 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
雁のつらは正しいものであるが、時にはその声々に誘われたように後列の雁が翼を振って前列を追いぬけることがある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
一週間ほど考えさせてくれとのことで、やっ一昨日おととい内諾の意を父に伝えた、善兵衛は大に歓んだ、初め新田の方に差支があれば何程かの持参金附で養子にやってもよいと先方からの申條もうしじょうに大変乗気で
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
種々いろ/\に考えるうち、人体の左の乳の下は心谷命門しんこくめいもんといって大切な所ゆえ、秘伝を受けぬうちは無闇に鍼を打つことはならぬと師匠が毎度云って聞かしたことを思い出しましたから、是が戻天の所かも知れん、物は試しだ一番やって見ようというので
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ゆいて覚ゆ、芒鞋ばうあいの着処無きを
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
上和田駅風越山信定寺しんぢやうじといふ禅寺のまもるところにして、寺後に信定の城墟あり、石塁今に存といふ。二里上和田の駅。比野屋又右衛門の家に宿す。(信定のこと主人の話なり。寺は余ゆいて見る。)此地蚊なし。かやを設ず。暑亦不甚はなはだしからず。行程六里許。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
男『フンフン、御前おめあハンモエツタケスカ。フン、ニソダチナハン。アレガラナハン、サ來ルヅギモ面白オモシエガタンチェ。ホリヤ/\、大變テイヘンダタァンステァ。』
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
男『フンフン、御前おめあハンモエツタケスカ。フン、ホンニソダチナハン。アレガラナハン、サ来ルヅギモ面白オモシエガタンチエ。ホリヤ/\、大変テエヘンダタアンステァ。』
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
サダマラズ、ヨロヨロ彷徨ホウコウ衆人蔑視シュウジンベッシマトタル、誠実セイジツ小心ショウシン
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
此意味に古くから口馴れた成語と思はれるものに「常夜トコヨく」と言ふのがある。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
思索といふ貧しい智慧の実によつて積む修養と全てをギョウに代へた人の修養はすでに雲泥の違ひがあるし、又このやうに地味な行者は地味な奇蹟を持つものである。
盗まれた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
彼の信条とする宗教は意識的に極度に思索が排斥されて、ギョウが全てをなしてゐる。
盗まれた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
真赤な鸚鵡が飛び出して、東の方へ飛んでた。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
大きな鏡が現われて、南の方へ飛んでた。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
清「いや然うはきませぬ、うでもうでも落合までだ日も高いからこ積りで」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
清「いやうでない、今日はみて落合までつもりで」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二十一日目の今夜までに、写し終えるという念願のもとに、企てた写経のわざだのに、半分もとげられてはいないのであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
二十一日前に桂子は、写経のわざを営むべく、この古館へ来たのであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
問屋の方をすっかり封ぜられた磯野は、前のように外を遊びるいていてばかりもいられなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
くだんの虎狩人何とか討ち留めて高名せんと村はずれの高樹に上り銃を手にして見廻し居ると、夜中に一つの光が榛中しんちゅうを巡りありく、眼を定めて善くると虎の頭に光ありて虎形が朦朧もうろうながら見えるほどだ。
畑さいぐのよ、東京のお嬢様いらっしゃるけえ、ちょっくら呼んで来ておくんなね。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
の慈愛館へれておいでになりましたがネ、——貴嬢、私のせがれが生きてると丁度ちやうど篠田さんと同年のですよ、私
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
その肥長比売うれえて海原をてらして、船より追い来れば、ますます見畏みて、山のたわより御船を引き越して逃げ上りいでましつとあるを、この語の遠祖と言われたが、これただ蛇が女に化けおりしを見顕わし、恐れ逃げた一点ばかりの類話で、正しくその全話の根本じゃない。
わし共々とも/″\目覺めさめまでばんをして、其夜そのようちにロミオがおことをばマンチュアへれていなう。
何方どちらいらつしやいます。』とくちきつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そこで全六百十二字の長詩をつくり、彼女へのなぐさめに贈り、題してこれを「琵琶びわうた」という”
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第二に私の知ったことは工場の下か母屋の下かに大地下室があるに違いないと斯ういうことでございます。どうしてそれを知ったかというに機械を運転させた時一通りならぬ反響が四辺あたりの空気をふるわせたからで、あれだけの工場のあれだけの機械ではどのように運転を烈しくおこなってもあんな反響は起こらない。それが起こるというからには起るだけの理由がなければならぬ。
物凄き人喰い花の怪 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
祓へを行ふ地方でおこなはれた、五月雨期の男女神人の禁欲生活が、雨障アマツヽミ又は、霖忌ナガメイミであつた。
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
この日は何のなすこともなく、日を暮らすのも勿体ないという相談から、一同打連れて近傍の植物採集に出かけたのが、殆んど四時頃であったろうと思う、大泊村の海岸へおもむいた、鴛泊から西の方に当って、おおよそ五、六丁位の所である、人家は格別沢山もないが
利尻山とその植物 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
志をひるがえして、織田の軍門に降伏するならば、戦後、備中、備後の両国に多分の領地をわん。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、何故、君は世間の圧迫を此方から押してやるやうなぎようをしないのか。何故、無所畏むしよゐを行しないのか。反抗ではなしに、人間には互に信ずるといふ根本性がある。信ずるものに対しては、いかなる疑惑も、いかなる悪魔もその力を揮ふことが出来ない。さうすれば我の中に世界の人間がある。
解脱非解脱 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
坊子連ぼんちれんは俳句が十七字で出来上つてゐるのは、離縁状が三行半くだりはんなのと同じやうにきまつた型である事、その離縁状がたまに四くだりになつても構はないやうに
処女子をめごは 出でぬものか。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「しかしわずかに五年ばかりの間にこのような建物を押し立てたり、このように信者を集めたり、よくたものでございますな」
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
之を立つればここに立ち、之をみちびけば斯にしたがい、之をやすんずれば斯に来り、之を動かせば斯に和らぐ。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それから致して考えて見ると、花里の言うことゝることゝちっとも合わないから、ハテおかしいぞ、口では身請を喜びながら心では嬉しがらぬのだな、情夫でもあるのではないか知らん、もなきときは
子、顔淵にかたって曰く、用いらるれば則ちすすみ、てらるれば則ちかくるとは、唯我となんじとのみこれあるかな。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
やがて彼が出づれば、待ちけるやうに男は入替りて、なほ飽くまで此方こなたを向かざらんと為つつ、蕭索しめやかつかふ音を立つるのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
梅岡さんが、その上野をおともというに、いい加減に日を暮らして、夜になって、くらやみ坂へ連れかせるから、そうしたら、白薔薇の薫をあてに。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今より後われ爾曹なんじらしもべいわず。そは僕は其の主のなすことを知らざれば也。我さきに爾曹を友と呼べり。我爾曹に我が父より聞きし所のことを尽くつげしにる。
イエスキリストの友誼 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
今日主として虎がむはヒマラヤ山麓で熱病常にはやるタライ地帯と、人が住み能わぬ恒河三角島ガンゼネク・デルタの沼沢と、中央高原の藪榛そうしんとで
その何のためにせしやを知らず、血気に任せてふるまいたりし事どもは、今に到りてみずからその意をりょうするにくるしむなり。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかれども秘密を行う者をして、人目を憚るふるまいを、見られたりと心着かしめんは妙ならず。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と手分けをして、八方を探しましたが、何處へ行つたか、新太郎とお靜のゆくへ方は更にわかりません。
天皇のさきつかへてたづがねののどかにすらん難波津にゆけ
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
ず浅草の観音様へ参って礼拝らいはいを致し、是から何処どこゆこうか、うしたらよかろうと考えるうちに、ふと胸に浮んだのは勇治ゆうじと云う元屋敷の下男で
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
手っ取り早くいえば、モオリーは懸命に忠誠なるアメリカ人になり切るために真剣な「ストイ」をしていたわけなのであった。
南部の鼻曲り (新字新仮名) / 久生十蘭(著)