“渉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わた89.7%
ワタ2.2%
わたる2.2%
あさ1.6%
わたり1.1%
かかわ1.1%
かちわた1.1%
かゝは0.5%
わたつ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水を怖るるのかと問うに、尾が水を払うて王に懸るを恐ると答えた。やがてその尾を結び金嚢きんのうに盛り、水をわたって苑に至り遊ぶ事多日。
タノむ所の深い此あて人は、庭の風景の、目立つた個処々々を指摘しながら、其拠ソノヨる所を、日本ヤマト漢土モロコシワタつて説明した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
法科大学教授大川わたる君は居間の真中まんなか革包かばんを出して、そこらぢゆうに書物やシヤツなどを取り散らして、何か考へては革包の中へしまひ込んでゐる。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
朝から晩まで一と間にこもつて、古聖賢こせいけんの有難い經書史書から、黄表紙、好色本、小唄、淨瑠璃じやうるり本までをあさりつくし、智慧と理窟が内訌ないこうして
は人にたすけられて高所たかきところ逃登にげのぼはるか駅中えきちゆうのぞめば、提灯ちやうちんたいまつともしつれ大勢の男どもてに々に木鋤こすきをかたげ、雪をこえ水をわたりこゑをあげてこゝにきたる。
父や瑠璃子の苦しみなどとは、没交渉に、いなすべての人間の喜怒哀愁きどあいしゅうとは、何のかかわりもなく、六月は暮れて行った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
道迷ひつゝ春の水かちわた
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
父や瑠璃子の苦しみなどとは、没交渉に、否凡ての人間の喜怒哀愁とは、何のかゝはりもなく、六月は暮れて行つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
茅屋瀟灑夕陽黄葉村舎の横額あり。堂上より望ときは駅を隔て黄葉山園中に来がごとし。園をわたつて屋後の堤上に到れば茶臼山より西連山翠色淡濃村園寺観すべて一図画なり。堤下川あり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)