“あさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アサ
語句割合
35.9%
30.2%
7.6%
6.4%
6.1%
4.8%
求食1.2%
𩛰1.2%
麻布0.8%
午前0.7%
厚狭0.5%
0.5%
阿佐0.5%
0.4%
朝飯0.4%
0.4%
渉猟0.3%
0.3%
今朝0.1%
安佐0.1%
払暁0.1%
0.1%
0.1%
早朝0.1%
0.1%
0.1%
求猟0.1%
0.1%
翌朝0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれ生活せいくわつかくごとくにしていた。あさは八き、ふく着換きかへてちやみ、れから書齋しよさいはひるか、あるひ病院びやうゐんくかである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ある夏の日、二つ井戸へ医学書の古本をあさりに行つた帰り、道頓堀を歩いてゐると喫茶店の勘定場で金を払つてゐる修一を見つけた。
六白金星 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)
ただ違うところは、顎に青髭あおひげがあることと、天鵞絨びろうどの黒い上衣のかわりに、絵具だらけのあさ仕事着ブルーズを着ているところだけだった。
森鴎外氏の『埋木うもれぎ』やそんなものを古書肆からあさって来てそれらを耽読たんどくしたり上野の図書館に通って日を消したりしながら
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
わたしときよりまぐれをおこすはひとのするのではくてみなこゝろがらのあさましいわけがござんす、わたし此樣こんいやしいうへ貴君あなた立派りつぱなお方樣かたさま
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これらの川魚かわざかなは、そこあさいたらいのなかに、半分はんぶんしろはらせて、呼吸こきゅうをしていました。そのとなりでは、あまぐりをおおなべでっていました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「鶴が鳴き葦辺をさして飛び渡るあなたづたづしひとりれば」(三六二六)、「沖辺より潮満ち来らしからの浦に求食あさりする鶴鳴きて騒ぎぬ」(三六四二)等の歌があり
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
其の赤児あかごをば捨児すてごのやうに砂の上に投出してゐると、其のへんにはせた鶏が落ちこぼれた餌をも𩛰あさりつくして、馬の尻から馬糞ばふんの落ちるのを待つてゐる。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
かれくびにはちひさい腫物はれもの出來できてゐるので、つね糊付のりつけシヤツはないで、やはらかな麻布あさか、更紗さらさのシヤツをてゐるので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それは寂しい秋の午前あさであった。こまかい霧雨が壁に降りかかり、すべてのものが——空も建物も裸になった樹々も、霧にとざされた遠方おちかたも——おしなべて灰色に見えた。
碧眼 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
山陽線の厚狭あさを出たばかりの特急列車、富士号がフル・スピードをかけて南に大曲りをしている。
人間レコード (新字新仮名) / 夢野久作(著)
朝鮮語であさをアチム、例推するに本邦で上世、晨すなわち日の出る事をアズマと呼び、東は日の出る方故、東国を朝早く鳴く鶏にあわせて鳥が鳴く吾妻と称えただろうと、まことに正説で
阿佐あさの病室。経堂きょうどうの病室。千葉県船橋。板橋の病室。天沼のアパート。天沼の下宿。甲州御坂峠みさかとうげ。甲府市の下宿。甲府市郊外の家。東京都下三鷹町みたかまち。甲府水門町。甲府新柳町。津軽。
十五年間 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ロミオ いや/\、あさらする雲雀ひばりぢゃ、ナイチンゲールのこゑではない。戀人こひびとよ、あれ、おやれ、意地いぢわる横縞よこじまめがひがしそらくも裂目さけめにあのやうなへりけをる。
朝飯あさが済んでしばらくすると、境はしくしくと腹がいたみだした。——しばらくして、二三度はばかりへ通った。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ドキュメントをあさる心などで読まれるべきものではなく、己れの日々の生活に愛と忍びとの味を沁み出させんとの実践の気持ちでしかせられなくてはなりませんね。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
家を引越歩いても面白くない、友人と語り合っても面白くない、外国小説を読み渉猟あさっても満足が出来ぬ。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
ぬすみにあさる蜑が子の
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
態々わざ/\斯うして来るには何か訳のあることであろう、今朝あさ勝五郎に見付けられた一件もあるから、こりゃ晩まで待っていられない事が出来たのだな、と察しましたので
蘭軒と幾勢きせ安佐あさの二女とである。幾勢は蘭軒の姉であるが、安佐は其序次を詳にすることが出来ない。只安佐の生れたのが幾勢より後れてゐたことだけは明である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
いわば、長夜の臥床ふしどからさめようとする直前、一段深く熟睡うまいに落ち込む瞬間がある。そうした払暁あさのひとときだった。
家へ帰つて色々古い書物をあさつて見ると、封を解く呪文じゆもんだけはうにか了解のみこめたが、さて封を解いたものかうか一寸始末に困つた。
大氣は澄んで、蒼い空を限つて立ち並んで居る峯々の頂上などまでどつしりと重みついて來たやうに見ゆる。漸々だん/\紅らみそめた木の實をあさるいろ/\の鳥の聲は一朝ごとに冴えまさつた。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
それこそぽくりと、早朝あさ顔を洗いながら、臥床ふしどから離れる娘へ
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
今夜で、その満七日ではありませんか。——もう夜半よなかをすぎていますから、八日のあさです。めないうちに、召上がってください、そして、力を
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手広い花屋は、近まはり近在をあさるだけでは間に合はない。其処で、房州、相模はもとより、甲州、信州、越後あたりまで——持主から山を何町歩と買ひしめて、片つ端から鎌を入れる。
玉川の草 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あらかじめ書籍ほんに就いて、その名を心得、その形を知って、且ついかなる処で得らるるかを学んでいるものにも、容易に求猟あさられない奇品であることを思い出した勇美子は、滝太郎がこの苔に就いて
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかしまだ直ぐには取りかかれないので、さらにドイルの作をあさって、かのラスト・ギャリーや、グリーン・フラダや、爐畔ろはん物語や、それらの短篇集を片っ端から読み始めました。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ええほんとですよ。寝しなにお茶碗一杯飲んでおくと、翌朝あさはけろりとしててよ。」
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
しかるに生まれていと幼き児が三疋より多く母にれられ居るを見ず、自分で餌をあさるほど長じた児が二疋より多く母にともなわれ居るを見なんだ。
あげしほひて、はやあさる。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)