“麻布”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あざぶ82.4%
あさぬの6.9%
あさ4.6%
あさふ1.5%
あさて0.8%
あさぶ0.8%
さいみ0.8%
ぬの0.8%
アザブ0.8%
リネン0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「わかりました」司令官は、大きくうなずいた。「草津参謀。君は、麻布あざぶ第三聯隊の一個小隊を指導して、直ちに、お茶の水へ出発せい」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
黒い着物を着て、頭を厚い白い麻布あさぬのでつつんだ女たちの姿は、教会の中の古い絵からおりたってきたのではないかと思われました。
その他いろんな自家製うちできの品を満載した荷車を、へとへとに疲れた去勢牛に曳かせながら、その後ろから小ざつぱりした麻布あさ襯衣ルバーシュカ
総髪を木皮もくひうしろに束ねて、いかめしく髭を蓄えたる主人大炊之助が、奥から花色の麻布あさふに短刀をいてで来った。
壁の眼の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「庭に立つ」は、庭に植えたという意。「麻手」は麻のことで、巻十四(三四五四)に、「庭に麻布あさて小ぶすま」の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
無實むじつに殺させん事不便ふびんなりとて我と名乘なのり奉行所ぶぎやうしよいで火付ひつけ十三ヶしよ人殺ひとごろしにん夜盜かずれず其中そのうち麻布あさぶ原町はらまち質屋しちや這入はい金子きんす八十りやう代物しろもの二十五しなぬすみよし白状はくじやうに及びしかば大岡殿おほをかどの八を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その曲者も中々こたえた奴で、わっち一太刀ひとたちあびせやがった、やられたなと思ったが、幸いに仕事の帰りで、左官道具をどっさり麻布さいみの袋に入れて背負しょっていたので、塩梅あんばいに切られなかった
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どの女の葛籠つづらには麻布ぬのがどれだけ入つてゐるとか、また堅気な男が祭りに衣類なり家財なりの何品なにをいつたい酒場へ抵当かたに置いたとかいふことを、細大漏らさず知つてゐる。
麻布アザブでら 霞むいらかを ゆびざしにけり
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ロチスター氏は厚い窓掛を引いて麻布リネンの日除けを引き上げ、出來るだけの外光を入れた。そして私は曉方あけがたがもうすつかり近づいてゐるのを見て驚きもし歡びもした。