“堪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たま38.2%
た33.2%
こら20.4%
こた4.3%
たえ0.9%
たへ0.6%
こ0.6%
コタ0.3%
たた0.2%
こらえ0.2%
ごた0.2%
タマ0.2%
こらへ0.1%
これ0.1%
あ0.1%
かん0.1%
たう0.1%
たまら0.1%
たゆ0.1%
たゝ0.1%
な0.1%
コラ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何よりも私は世間の者より狂人扱いにされる事が堪(たま)らなく苦痛なのでありまして、此の儘(まま)此の苦痛が果し無く続くものであるならば
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
官自ら以て尊しとするか官の驕傲(きょうごう)憎むべし。民自ら以て卑しとするか民の意気地なき真に笑ふに堪(た)へたり。同くこれ国家の糧食なり。
従軍紀事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
一(いっ)たい、おまえは私に似て情熱家肌の純情屋さんなのに、よくも、そこを矯(た)め堪(こら)えて、現実に生きる歩調に性情を鍛(きた)え直そうとした。
巴里のむす子へ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その島は夷岐戸島(いきどじま)と名づけられて、嵐のあと、空気の冷たく身に堪(こた)えるころには、落日の縞を浴びて、毛多加良島からも遠望された。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
再び高い梯(はしご)に昇って元気よく仕事をしていた。松の枝が時々にみしりみしりと撓(たわ)んだ。その音を聴(きく)ごとに、私は不安に堪(たえ)なかった。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
以て役人の手を借(かり)無理無體(むりむたい)に我を殺さんとなす成ん然すれば何程苦痛(くつう)に堪(たへ)るとも終(つひ)には命を失はずには置れまじ此上は一日も早く苦痛(くつう)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たうとう堪(こ)らへ切れなくなつた母は、母らしい智慧で父の様子を知る一策を案じ出した。母は私を隅の方に呼んで此方策を授けた。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
逆に言へば、「をつとあぶない」と謂つた気分で、転倒を防ぎ止める動作と言ふ風にも説ける。つまりは見えに到るまでに表出を堰きとめ、持ち堪(コタ)へる努力の型、といふことも出来る。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そして……そしてそこには、何か村にい堪(たた)まれぬような、事情(わけ)がある……やっぱりそうだったのか! と、私の疑惑は一層、深まりました。
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
翌日は先ず観音へ案内し、次の日は上野と、三四日して「さてこれよりよき学校を聞き合せ申すべし、あなたにも心掛けたまえ、それ迄は狭くとも堪(こらえ)てここに居りたまえ」
良夜 (新字新仮名) / 饗庭篁村(著)
今井を煽動しても余り手堪(ごた)えがないので、大塚は更に自分の組内をかけまわって、市川の屋敷では町家の子供ばかりを大切にして、武家の子どもを疎略にするのは怪しからぬと触れてあるいたので
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
物體(モツタイ)らしくものを言ふ人たちを見ると、自分より教養の低いものたちから、無理やりに教育を強ひられてゐるやうな氣がして、堪(タマ)らなかつた。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
堪(こらへ)て居る中既(すで)に寅刻(なゝつ)の鐘(かね)も聞え月は梢(こずゑ)の間に顯(あらは)れ木の間/\も現々(あり/\)と茶店(さてん)の中まで見え透(すく)ゆゑ安五郎は不※(ふと)此方(こなた)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今までは何にも言わず辛抱して堪(これ)えに堪(これ)えて居たけれども、実に辛くて堪(こら)え切れない事が度々(たび/\)あるよ、察して呉れや
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
取つて返しの付かない傷まで附けさせて、私は、狭山さん、余(あんま)り申訳が無い! 堪(かん)……忍(にん)……して下さい
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
夫婦暮(ぐら)しなれば格別(かくべつ)、もしも三、五人の子供または老親あれば、歳入(さいにゅう)を以て衣食を給するに足(た)らず。故に家内(かない)力役(りきえき)に堪(たう)る者は男女を問わず、或は手細工(てざいく)或は紡績(ぼうせき)等の稼(かせぎ)を以て辛(かろ)うじて生計(せいけい)を為(な)すのみ。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
見るより大いに悦び小杉(こすぎ)の伯父樣此坊主(ばうず)が勾引(かどはかし)ますアレ/\伯父樣々々(をぢさま/\)と云れて九助は何ぢやと立止(たちとゞまる)を旅僧は是を見と等く是は堪(たまら)ぬと其儘後を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
余藩老成瀬正肥ニイツテ曰クコノ任ニ堪(たゆ)ル者ハワガ客樹堂ナリト。正肥コレヲ然リトナス。君乃チ命ヲ奉ジテ単身東ニ赴キ周旋力ヲ竭(つ)クス。居ルコト五十余日。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
長い柄の蝙蝠傘(こうもりがさ)を持って出て行く後姿が私は好くって堪(な)らなかったから、いつも其時刻には何喰わぬ顔をして部屋の窓から外を見ていると、雪江さんは大抵は見られているとは気が附かずに
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
頼朝、堪(コラ)ヘ得ズシテ、遂ニ当所ヲ退キ、不知行方(ユクヘシレズ)。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)