“かん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カン
語句割合
16.2%
9.5%
7.5%
7.1%
5.9%
4.0%
3.3%
3.0%
2.7%
2.5%
(他:530)38.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さだめておどろさびしくかんじたことであらうとわたくし不測そゞろ不憫ふびんになり
りつくしまがないようにおもわれるかたがあろうかとかんぜられますので、はなは不本意ふほんいながら
裁判の執行ほ数日のかんあり、乞ふ今夜ただちに校訂に着手して、之を両兄に託さん入獄ののち之を世に出だせよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
その女は以前島の料理屋で仲居なかいをしていたんだが、その女と仲よくなったために、そのかん島におれない事情ができて、
石ころ路 (新字新仮名) / 田畑修一郎(著)
金助の言葉が、さいぜんの得意にひきかえて、肝腎かんじんのところへ来てしぶるので、お銀様もかんにこたえたと見え、
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そのうちに、何か、犬のかんに触ったことがあるとみえ、いきなり城太郎のすそへ噛みついて、こうしのように唸りだした。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは「をば捨てん湯婆たんぽかんせ星月夜」と「黒塚くろづか局女つぼねをんなのわく火鉢」との二句である。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
芸妓おんなたちは寒々と唇の紅を黒くして、船の中の小火鉢こひばちにかたまりながら、酒瓶ちろりの酒をかんしていた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、そろそろかんだかくなったのが初まりで、それから手酌の茶碗酒が、自棄やけのやん八とまでさせて来たものであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恟々きょうきょうと声ばかりかんだかく、むしろ士気を自分の動悸と共にひるますような言葉をしばしば口すべらせた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてどこの門の中も、人気が無いかのようにひっそりかんとしていて、敷きつめた小砂利の上に、太陽がチカ/\光っていた。
子をつれて (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
そしてどこの門の中も、人氣が無いかのやうにひつそりかんとしてゐて、敷きつめた小砂利の上に、太陽がチカ/\光つてゐた。
子をつれて (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
はるかに離れているとは言いながら、常の人よりは三倍も五倍もかんの鋭い弁信が、その騒ぎを聞きつけないはずはありません。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その輪のどれからか八木節やぎぶしの「アッア――ア――」と尻上りにかん高くひびく唄が太鼓といっしょに聞えてきた。
雪の夜 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
『なに吉さんはあの身体からだだものかんにあてられるような事もあるまい』と叔母は針の目を通しながら言えり。
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「そうそう、今年の正月、水門じりのお前の家でつかみ合いをやって、あの率八の奴にかんの水を浴びせかけられたきり、会わなかったんだね」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この石棺せきかんほかに、陶棺とうかんといつてあか埴輪はにわのようなものかんがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
二二 佐々木氏の曾祖母そうそぼ年よりて死去せし時、かんに取りおさめ親族の者集まりきてその夜は一同座敷にて寝たり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
枯れ尾花のように、毛の光る狐だった。尾か脚かを、伊織に斬られてかんだかい啼き声を放ちながら征矢そやみたいに逃げ走った。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、つと身体を斜めにいっそうだらしなく崩折れると、口ばやにかん高に、せきを落とすようにしゃべりだした。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と云うのは、開閉器スイッチの直下に当る床の上に、和装の津多子以外にはない、羽織紐のかんが一つ落ちていたからだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
(13)ring-bolt ――綱などを結びつけるために甲板に取り付けられたかんのついた螺釘ねじくぎ。環釘。
この人間以上の膂力りょりょくは、周囲にたたずんだ若者たちから、ほとんど声援を与うべき余裕さえ奪ったかんがあった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
もっとも、これまでに、彼らの尊氏かんが固まってくる根底には、それとの結び付けとなった重要な前時代の前提がないではない。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元々、清水長左衛門宗治殿という武士もののふは、骨までかんばしいお人だったに違いない。こんどの講和に際しても、
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
立て続けにも一口飲んで、徳利を膝の上に両手で握りしめたまま、口の中に残ったかんばしい後味あとあじを、ぴちゃりぴちゃりと舌鼓うった。
特殊部落の犯罪 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
口をかんして意見をらさぬ者が、結局陵に対して最大の好意をつものだったが、それも数えるほどしかいない。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
彼とベッドを並べて寝る深谷は、その問題についてはいつも口をかんしていた。彼にはまるで興味がないように見えた。
死屍を食う男 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「馬鹿言え。お茶受もあるのだ」爺いさんは起って、押入からブリキのかんを出して、菓子鉢へ玉子煎餅せんべいを盛っている。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
仕方がなしに引っ返そうとすると、となりの空地にビールの配達が白い金属のかんをあつめていて、わたしのほうを見かえりながら声をかけた。
――ために、理性に富む彼は、越前の朝倉とむすび、叡山その他の僧団とかんつうじ、旧態の将軍家をなお恋々と奉じている。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
興は十二分に湧いて、かんを尽して飲むほどに、酔うほどに、ついつい夜更けに及んでしまって、今こうして立ちかえるところなのだ。
かん高祖こうそ丁公ていこうりくし、しん康煕こうき帝がみん末の遺臣いしん擯斥ひんせき
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
唯、得難きは当年のル・メルキウルに、象徴主義の大旆たいはいてしが如き英霊底えいれいていかん一ダアスのみ。
だが併し、あの郎女は、藤原四家の系統すじで一番、かんさびたたちを持って生れた、とわれる娘御である。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
どの松の姿もいい。社殿は、その松蔭にかんさび、一つの峰いただきに位置して、附近の山里の屋根を下にしている。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち彼等は長州がつも徳川がくるもごうも心にかんせず、心に関するところはただ利益りえきの一点にして
渡り廊下でつづいた別棟に、お蓮様、丹波をはじめ道場の一派、われかんせずえんとばかり、ひっそりかんと暮らしているんです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
雨降りのときは、風よけの帆布を、そとの方へ四方に引っぱって、屋根から落ちる雨水を受けて、石油かんにためるようにした。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
こうして、小屋の屋根に降る雨水が、石油かんにどんどんたまるのを、楽しく見ながら、また食事が、にぎやかにつづくのであった。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
帆綱の影、しおじみた欄干てすりの明り、甲板の板の目、かんのきしり、白い飛沫しぶき、浅葱いろの潮〓しおなわ
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
船の揺れはますます激しく、私のいわゆる王様のベッドの洋銀の欄干、網棚、カーテンのかんなどは、しっきりなく音を立てて鳴った。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
これが最初さいしよ部分ぶぶん初期微動しよきびどうとてかんせられる所以ゆえんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ところがそういうむだに近い物に限って、消費を刺戟しげきするために文化だの改良だのという文字をかんしている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
波田は、石油かんの二つに切ったので、便器をこしらえて、彼と、ボーイ長の寝箱とがかぎ形をなしているすみへ置いてやった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
コオンド・ビイフのかんを切ったり、枯れ枝を集めて火をつけたり、――そんなことをしているうちにかれこれ十分はたったでしょう。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ことに女にうつつを抜かしている間に、肝腎かんじんのものをしてやられたのでは、あまりかんばしい土産話にはならないのです。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
筒井家は順慶流だのほらとうげだのという言葉を今に遺している位で、余り武辺のかんばしい家ではない。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
だのに、今日会下山に来るなどは泥縄式でないこともないが、それでもなお私には百かんの書を読むにまさるものがあった。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのとき和邇わには、十かん論語ろんごという本と、千字文せんじもんという一巻の本とを持って来て献上しました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
が、そこにい合わせた産婆はたちまち細君の生殖器へ太い硝子ガラスかんを突きこみ、何か液体を注射しました。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「伊兵衛とやらいう笛吹きの名人、ちょうどここに、当家秘蔵の一かんがある、お前なら吹けそうじゃ、試してみい」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこはお前さんに免じてかんの虫をおさえつけた。翌日あくるひも廻ったがね、今度は言種いいぐさがなお気に食わねえ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ままある急な御風熱ごふうねつと拝されます。かん、胃、じん、お悪いところはありませぬしお脈もいたってたしかなので」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それはもう何ともかんともいえない秘めやかな高貴な芳香が、歯の根を一本一本にめぐりめぐって、ほのかにほのかに呼吸されて来る。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
傳「いやア何うも、なんともかんとも、おめえにも逢いたかったが、れから行端ゆきはがねえので」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
枕元で、釘勘らしい声がしたので、次郎がふと眼をさましてみますと、は三竿かん、すでに翌日のひる近い刻限です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
故に、風候水色の好適なる裡に、細緡香餌さいぴんこうじを良竿かんに垂れ、理想の釣法を試むことを得ば、目的こゝに達したるなり。
研堂釣規 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
唯だ法律といふ難かしい定規があつてよんどころなく親子兄弟姉妹あひかんせずにゐるが、アに犬や猫と五十歩百歩だ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
なんじの妻を与えよ我これをかんせん爾の子を与えよ我これをくらわんしからば我は爾に爾の願をかなわしめんと言えば僕は雀躍じゃくやくして妻あらば妻
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
PR