“鵜”の読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新九郎と食い合った鍔がっきり、身を捻じかわそうとしたが刹那、の毛のゆるみを生じて、たたたたたたと岩押しに押してきた対手あいての剛剣。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その川のはるか下に、黒いものが二つ三つ、の鳥かと思うように、流れの光を乱しているのは、おおかた町の子供たちが、水でも浴びているのであろう。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
もし身共みどもの鳥ならば、すぐに其処へ渡るのぢやが、……しかしあの講師も阿弥陀仏には、広大無辺くわうだいむへんの慈悲があると云うた。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかもその際ヒルミ夫人は、その温容なマスクの下から、夫万吉郎の容姿や挙動について、の毛をついたほどの微小なことにも鋭い観察を怠らなかった。
ヒルミ夫人の冷蔵鞄 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
「大層な氣組だが、——まアあきらめる方が無事だらうよ。半年越し江戸中の岡つ引が、の目たかの目で探しても、尻尾をつかませない相手だ」
そして或る時には、からす真似まねをするように、罪人らしく自分の罪を上辷うわすべりに人と神との前に披露ひろうもした。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
の目、鷹の目、掏摸すりの眼、新聞記者の眼、其様そんな眼から見たら、鈍如どんよりした田舎者の眼は、さぞ馬鹿らしく見えることであろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
其處へ來合せた友白は饅頭を投り出して、茶碗を掻い抱くやうに、右から左から、ためつすかしつ、の毛で突いた程のきずも見落さずと調べて居ます。
死体にはの毛で突いた程の外傷もなく、鬱血うっけつも、斑紋はんもんも、苦悶の跡も無いばかりでなく、毒物で殺したという疑も絶対にありません。
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
借家主の婆さんは、至って無愛想で、近所の者のことをの目たかの目で探り回るような女だったが、ひそかにジャン・ヴァルジャンの様子をも探っていた。