“嘴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くちばし80.7%
はし11.8%
くち6.3%
くちば0.3%
0.3%
0.3%
つま0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それはであった。長いくちばしの上の方の黄ろい古怪な形をした水禽は、境内の左側になった池にでも棲んでいるのか人に恐れなかった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と鸚鵡のかたへ首さしいだしていうに、姉君憎むちょう鳥は、まがりたるはしを開きて、「さならずや、さならずや」と繰り返しぬ。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そこいらの墓では、まだ火のともれた、蝋燭ろうそくを、真黒まっくろくちくわえて風のように飛ぶと、中途で、青い煙になって消えたんですのに。
くちばしをれたいにも、更にその間隙すきまが見附からない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
しばらくありて、右の小鳥は辺およびいん部に爪牙の跡を得、血を垂れ、来たりて小生に向かい哀を請うがごとし。
妖怪報告 (新字新仮名) / 井上円了(著)
いまでも雀ののあたりの黒いのはこのとき墨の容物いれものを投げた、墨が垂れてついたもので、羽にぽつ/\と、黒い斑点のあるのは、墨の散つてついたのだといふことです。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
雀は、しばらくためらって後、大きなかけらを素早くつまんで、煙突の向うへ飛び去りました。が、じき一羽の友を伴れて、戻って来ました。友はまた友を伴れて来ました。