“はし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハシ
語句割合
27.8%
22.4%
16.0%
9.5%
6.7%
4.8%
2.7%
2.3%
1.9%
0.8%
疾走0.5%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
一端0.2%
0.2%
尖端0.2%
0.2%
0.1%
帆走0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
雪橋0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
撥橋0.1%
最端0.1%
末端0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
橋梁0.1%
檜橋0.1%
波子0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僧は上りかまちに腰かけて、何の恥らう様子も無く、悪びれた態度もなく、大声をあげて食前の誦文を唱え、それから悠々とはしった。
とと屋禅譚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
つもる雪もおなじく氷りて岩のごとく、きしの氷りたるはし次第しだいに雪ふりつもり、のちには両岸りやうがんの雪相合あひがつして陸地りくちとおなじ雪の地となる。
はたけえ、牧場ぼくじょうえてはしってくうち、あたりは暴風雨あらしになってて、子家鴨こあひるちからでは、しのいでけそうもない様子ようすになりました。
そして何をするにも極端にはしらざるを得なかったので、法外なことを言っては、世人を憤慨さした。彼はこの上もなく率直であった。
猪子いぬしゝしてママおほきなものよ、大方おほかたいぬしゝなか王様わうさま彼様あんな三角形さんかくなりかんむりて、まちて、して、わたし母様おつかさんはしうへとほるのであらう。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
暴風雨あらし模様の高浪を追越し追越し、白泡を噛み、飛沫しぶきを蹴上げて天馬くうはしるが如く、五島列島の北の端、城ヶ島を目がけて一直線。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
をりからあめのあとのおもて打沈うちしづめる蒼々漫々さう/\まん/\たるみづうみは、水底みなそこつきかげはうとして、うすかゞやわたつて、おき大蛇灘おろちなだ夕日影ゆふひかげはしつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
南の枝にも梢にも、残る葉はなくて、黄葉こうようは唯北方に密集して居る。其裸になった梢に、はしの大きな痩鴉やせがらすが一羽とまって居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
〔譯〕民のに因つて以て之をげきし、民のよくに因つて以て之をはしらさば、則ち民其の生をわすれて其の死をいたさん。是れ以て一せんす可し。
とは思わず口頭くちさきはしった質問で、もちろん細君が一方ひとかたならず同情を主人の身の上に寄せたからである。しかし主人はその質問には答えなかった。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そして間をおいて青白い瓦斯燈ガスとうともっている右側の敷石の上を歩いてゆくと、突然前方の暗闇から自動車が疾走はしってきて、彼の横を通り過ぎた。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
法皇は知らせを受けて、寝殿のはしがくしのに上皇を待っていた。高倉上皇、今年ことし二十歳、夜明けの月の光をやわらかに浴びて立っていた。
はしりいく窓の外では、虫の声々、雨とながれる。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
はしやぎのジム(飼犬いぬの名)が人々の後を追ひかけ廻つてしかられたり、子供たちが走つてころんで収穫物とりいれものが笊の中から飛び出して地べたをころ/\ころがりあるいたり、……そんな日には家中うちぢゆうに愉快な
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
するとそのうちの、色の浅黒い男振りのいいはしっこそうな一人が立って、激した調子で云いかえした。それは吉原だった。将校が云いこめられているようだった。
(新字新仮名) / 黒島伝治(著)
草刈等はなおまず、怠らず、たゆまず、ここかしこともとむれども、金属は釘のおれ鉄葉ブリキはしもあらざりき。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
莫迦ばかげた話を——」と牧場主が云った。「何故と云って、それからその馬車が少しばかりはしり初めた時に、山賊の一人が息せききって駈戻って来たのです。 ...
薔薇の女 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
町の西端にしはずれに寺ありてゆうべゆうべの鐘はここより響けど、鐘く男は六十むそじを幾つか越えしおきななれば力足らずえだえのは町の一端はしより一端はしへと、おぼつかなく漂うのみ
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
尚且つ森田の許へはしらずに居られないといふ心持ちや、その事の是非善悪などは、私は充分理解したり、判断したりする力を持つてゐなかつたが
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
が、美奈子は顔を上げて、相手の顔を、ぢつと見詰めるだけの勇気はなかつた。車台の床に投げられてゐる彼女の視線には、青年が持つてゐる細身の籐のステッキの尖端はしだけしか映つてゐなかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
その小さい方のアルキッドは、あまりはしっこくありませんがね。
馬車はヴェラクルスへ向けてはしっていた。お客は私と商人のパリロ氏と牧場主のラメツ氏と医師のフェリラ氏とそしてその他に全く得体の知れぬ二人連れの男女が乗っていた。
薔薇の女 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
「ただ帆走はしり廻られるだけです。あれが、キャプテンの御趣味なんです」
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
うらふむみづはし
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
そのとき先頭にはしっている自動車から、ポポーッ、ポポーッと警笛けいてきが鳴りひびきました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なにしろさむくていかぬとて、焚火たきびなんかはしめて、松薪まつまき完全くわんぜん、これはえがいから珍品ちんぴんだなんてつてるのである。
斯學しがく熱心ねつしんなるこうは、焚火たきびにもあたられず、たゞちに車夫しやふ指揮さしづして、あな上部じやうぶはう發掘はつくつはしめられた。
万斛ばんこくの恨みが、いま分秒ごとに消えてゆく雪橋はしのうえに注がれている。援蒋ルートをふさぐ……九十九江源地ナブナテイヨ・ラハードへゆく千載の好機が、いま折竹の企図とともに永遠に消えようとしている。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
雪橋はしをわたるまえとり急ぎ
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
イシカリの大きな原野が、ひろい空と呼応して吹雪きだしたのであった。野におりた烈しい風は、はしるにつれて速度と圧力をたかめていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
その万端の支度をととのえて、主君邦夷が近づきつつある。蒸気船は必要なものを満載してこちらに向き、青い海を今や一散にはしりつつある——
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
エストニアの伝説に、樵夫きこり二人林中で蛇をあまた殺し行くと、ついに蛇の大団堆おおかたまりに逢い、逃ぐるを金冠戴ける蛇王が追いはしる。一人振廻ふりかえり斧でその頭を打つと、蛇王金塊となった。
博士がひとりで二万両の金のありかを探して自分の物にしようとしたので、弟の理学士がいかりのあまり、飼い馴らしていた南洋鸚哥いんこはしに毒を塗って、兄をつかせて殺したのである。
幽霊屋敷の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ああ、何もかもいすかはし——と落胆がっかりしたが、とにかく、そのだいがわりになっている旅川周馬という者に会い、絶家したお千絵様が、どこに身を落ちつけたか、それを尋ねてみるにしかずと門をくぐった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と訳のわからない事を喋舌しゃべってはしゃいでいるうちに、ゴトンゴトンと音を立てて出て行った。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「まがなしみらくはしけらくさらくは伊豆の高嶺たかね鳴沢なるさはなすよ」(三三五八或本歌)などでも東歌的動律だが、この方には繰返しが目立つのに
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ある日曜日の午後二時ごろ、武は様子を見るべく赤坂区あかさかく南町みなみちょうの石井をたずねた。くるまのはいらぬ路地の中で、三軒長屋の最端はしがそれである。中古ちゅうぶるの建物だから、それほど見苦しくはない。
二老人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ジャン・マデックは、ゆっくり調子をとってさっくさっくと鎌を打ちこんでゆくと、麦穂は末端はしをふるわせ、さらさらと絹ずれのような音を立てつつ素直にふせるのであった。
麦畑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
はしからはしまで歩き廻る——それは何やら満されない本能の求めなのではなかろうか——老爺さん湯川氏も、自分の本質を空しくして、ただ長く生きた九十年の生涯である。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
葱嶺そうれいゆるに毒風肌を切り、飛砂みちふさぐ、渓間けいかん懸絶けんぜつするにへば、なわを以てはしとなし、空にはしごして進む」
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
すなはちその室のはし一〇の本に追ひ至りて、背の皮を取り劒を尻より刺し通したまひき。ここにその熊曾建白して曰さく、「その刀をな動かしたまひそ。やつこ白すべきことあり」
男はそういって、杜に当てつけがましく、ミチミを抱かんばかりにして、焼け橋梁はしの上を浅草側に向って立ち去るのであった。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
早くその注鍋さしなべで湯を沸かせろ、狐が檜橋はしの方からくるぞ、あいつにぶつかけてやらう、と、急に狐狩を思ひたつ、昔の人の、一ぱい機嫌が見えるやうに自分解釋もそへて
春宵戯語 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
その運命の大神様の思召おぼしめしによって、この世の中は土の限り、天のはしまでも支配されているので御座います
ココナットの実 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
高く昇る水は夢の如く白く、はしり飛ぶ水滴は叙情詩の砕けたる霊魂のやうに紫の街灯の影を宿して、さやさやと悲しく池の面を滑つてゐた。
市街を散歩する人の心持 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
千二百とんの小さな船だが救護船の特徴として荒天航行の設備は充分だし、速力も普通船より五割がた早い——大きなゆるい波のうねりを引裂きつつ、まるですべるようにはしって行く。
流血船西へ行く (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
おくさんはびつくりしたやう子で小はしりにそこへむかへ出て※た。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)