はし)” の例文
こうなると、もうなんでもつよい人に加勢かせいたのむよりしかたがないとおもいまして、このあいだからはしの上にっていたのでございます。
田原藤太 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
猪子いぬしゝしてママおほきなものよ、大方おほかたいぬしゝなか王様わうさま彼様あんな三角形さんかくなりかんむりて、まちて、して、わたし母様おつかさんはしうへとほるのであらう。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しばらくすると、ほおかぶりをして、えりきをした百しょうが、そのはしうえとおりかかりながらかれりをしているのをながめました
北の国のはなし (新字新仮名) / 小川未明(著)
柳橋やなぎばしに柳なきは既に柳北りゅうほく先生『柳橋新誌りゅうきょうしんし』に「橋以柳為名而不一株之柳はしやなぎもっすに、一株いっしゅやなぎえず〕」
通りのはずれにさっきカムパネルラたちのあかりをながしに行った川へかかった大きなはしのやぐらが夜のそらにぼんやり立っていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
みるまにちょうど三、四十人、つたのかけはしみわたって、あたかも落花らっかるように、咲耶子のいる向こうのかいけてくる!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このおさるさんのつてあるところはたかがけしたでした。はししたながれる木曽川きそがはがよくえて、ふかやまなからしい、景色けしきいところでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その絵巻えまきひろげた川筋かわすじ景色けしきを、るともなく横目よこめながら、千きちおに七はかたをならべて、しずかにはしうえ浅草御門あさくさごもんほうへとあゆみをはこんだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
十二代じゆうにだい景行天皇けいこうてんのうが、筑紫つくし高田たかだ行宮あんぐう行幸ぎようこうされたときには、なが九千七百尺きゆうせんしちひやくしやくのその丸太まるたが、はしになつてかゝつてゐました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
翠色すゐしよくしたヽるまつにまじりて紅葉もみぢのあるおやしきへば、なかはしのはしいたとヾろくばかり、さてひとるはそれのみならで、一重ひとへばるヽ令孃ひめ美色びしよく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
二三株にさんかぶ比較的ひかくてきおほきなはんつてところわづか一枚いちまいいたはしなゝめけてある。おしなはしたもと一寸ちよつとどまつた。さうしてちかづいた自分じぶんいへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
はし流を預っている彼女の、含蓄のある真伎倆を、も一度昂揚こうようさせるために、よい作を選み、彼女の弾箏五十年の祝賀にそなえたいと思ううちに
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「もうしもうし花魁おいらんえ、と云われてはしなんざますえとふり返る、途端とたんに切り込むやいばの光」という変な文句は、私がその時分南麟からおすわったのか
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かみはし相生橋亀久橋等の下を経て、木場の北に至り、要橋かなめばし崎川橋下を過ぎて横川に会し、なほ東して石小田新田いしおだしんでん千田新田せんだしんでんの間を通り天神川に会して終る。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
そこで、さっそく、はしの下の地面じめんをほりかえさせてみますと、殺された弟のがいこつがのこらずでてきました。
もつて功徳くどくちやうと成べきと智化ちけの上人へ桂昌院樣けいしやうゐんさま一位樣御尋おんたづね遊ばされしに僧侶そうりよこたへて申上げるはおよそ君たる人の御功徳くどくにははしなき所へ橋をかけ旅人りよじんのわづらひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さてなにがしぼくしたが我家わがやをさしてかへみちすがらさき雲飛うんぴが石をひろつた川とおなじながれかゝつて居るはしまで來ると、ぼくすこかたやすめるつもりで石を欄干らんかんにもたせてほつ一息ひといき
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
事のよしをつげてお菊が戒名かいみやうをもとめ、お菊が溺死おぼれしゝたるはしかたはらに髪の毛をうづ石塔せきたふたつる事すべて人をはうふるがごとくし、みなあつまりてねんごろに仏事ぶつじいとなみしに
そのつたみせといふのが、新はし博品館はくひんくわんとなりの今はぼうになつてゐる雜貨店ざつくわてんで、狹い銀座通ぎんざとほりにはまだ鐡道てつどう車が通ひ、新はししなかんでん車になつたばかりのころだつた。
今朝けさつたところくらみちだのあぶないはしだのが澤山たくさんあつて、大佐たいさ叔父おぢさんやこの叔父おぢさんのやうに、成長おほきひとでなければけないところ日出雄ひでをさんのやうちいさいひとくと
若しその中に少しでも賑やかな通りを求めるとすれば、それはわづか両国りやうごくから亀沢町かめざわちやうに至る元町もとまち通りか、或ははしから亀沢町に至るふた通り位なものだつたであらう。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ちひさな土橋どばしひとつ、小川をがは山川やまがはそゝぐところにかゝつてゐた。山川やまがはにははしがなくて、香魚あゆみさうなみづが、きやう鴨川かもがはのやうに、あれとおなじくらゐのはゞで、あさくちよろ/\とながれてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
これから案内あんないれてき、はしわたると葭簀張よしずばり腰掛こしか茶屋ぢやゝで、おく住居すまゐになつてり、戸棚とだなみつつばかりり、たないくつもりまして、葡萄酒ぶだうしゆ、ラムネ、麦酒ビールなどのびん幾本いくほんも並んで
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
はしちてつゝおしならべ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
はしらせけむ高樓の
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
はし上下うえした
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
はしのあつたのは、まちすこはなれたところで、堤防どてまつならむではつてて、はしたもと一本いつぽん時雨榎しぐれえのきとかいふのであつた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
はしわたると、みずがさらさらといって、いわげきして、しろくだけていました。ところどころにある、つたうるしがになっていました。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
坊主ぼうずではない、てんぐだというものもありました。そしてみんなこわがって、日がれると五条ごじょうはしをとおるものがなくなりました。
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
遥か川しもには油堀あぶらぼりの口にかかったしもはしと、近く仙台堀にかかったかみはしが見え、また上手には万年橋まんねんばし小名木川おなぎがわの川口にかかっている。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
にわかに取りいそいで、三人のそうはそこから、網代笠あじろがさをかぶり、菊亭晴季きくていはるすえに見おくられて、泉殿いずみどのからいけはしをわたってきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
東の灰色はいいろ山脈さんみゃくの上を、つめたい風がふっと通って、大きなにじが、明るいゆめはしのようにやさしく空にあらわれました。
めくらぶどうと虹 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
うえはお大名だいみょうのお姫様ひめさまから、したはしした乞食こじきまで、十五から三十までのおんなのつくおんなかみは、ひとすじのこらずはいってるんだぜ。——どうだまつつぁん。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
はしうへに立つて、欄干らんかんからしたを見おろしてゐたものが二人ふたりあつた。金剛寺ざかでは誰にも逢はなかつた。岩崎家の高い石垣が左右から細い坂道さかみちふさいでゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
妻籠つまご吾妻橋あづまばしといふはし手前てまへまできますと、鶺鴒せきれいんでました。その鶺鴒せきれいはあつちのおほきないはうへんだり、こつちのおほきないはうへんだりして
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そのほか道路どうろ破損はそんはしながれおちたものなどくはへて、總損失そうそんしつ一億一千三百餘萬圓いちおくいつせんさんびやくよまんえん、その復舊費ふつきゆうひ二千四百餘萬圓にせんしひやくよまんえんれると合計ごうけい一億三千七百餘萬圓いちおくさんぜんしちひやくよまんえんといふ計算けいさんでした。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
岸のむか逆巻さかまき村にいたる所にはしあり、猿飛橋さるとびばしといふ橋のさまを見るに、よしや猿にてもつばさあらざればとぶべくもあらず、両岸りやうがん絶壁ぜつへきにて屏風びやうぶをたてたるがごとくなれども
ところが、ふたりがくらやみのなかを、とある小川にかかっているはしのところまできたときです。
「もうきだ。よつぽどまへにEはしわたつたからな‥‥」と、わたしねむたさをこらへながら生返事なまへんじをした。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ぼく溪流けいりう沿ふてこのさびしい往來わうらいあてもなくるいた。ながれくだつてくも二三ちやうのぼれば一ちやう其中そのなかにペンキで塗つたはしがある、其間そのあひだを、如何どん心地こゝちぼくはぶらついたらう。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
はるゆめのうきはし、とえするよこぐものそら東京とうけうおもちて、みちよりもあれば新宿しゆじゆくまでは腕車くるまがよしといふ、八王子わうじまでは汽車きしやなか、をりればやがて馬車ばしやにゆられて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しな非常ひじやう注意ちういもつなゝめはしわたつた。四足目よあしめにはもう田圃たんぼつちつた。そのときとうぼつして見渡みわたかぎり、からはやしから世間せけんたゞ黄褐色くわうかつしよくひかつてさうしてまだあかるかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
といふと日出雄少年ひでをせうねんたちま機嫌きげんうるはしく、いまわたくしはなした眞暗まつくらみちや、あぶなはしことについてきたさうかほげたが、此時このとき丁度ちやうど猛犬稻妻まうけんいなづまみゝつて、そのそばたので
聞出し今日ぞ旦那さまをお助申時なりと大に悦び一つうの願書をしたゝめ天へものぼる心地にて梅ヶはしといふ處に待うけしに聞しにたがはず夜にいると右三人の供人ともびと定紋付ぢやうもんつき箱挑灯はこちやうちんを先に立みち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かげから、すらりとむかうへ、くまなき白銀しろがねに、ゆきのやうなはしが、瑠璃色るりいろながれうへを、あたかつき投掛なげかけたなが玉章たまづさ風情ふぜいかゝる。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふたたび、つきあかるい野原のはらあるいて、一こうは、まちはずれのはしうえまでまいりますと、白髪しらがのおばあさんがそこにってっていました。
生きた人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして二、三ぐんぐんしたとおもうと、めりめりとひどいおとがして、木はかわの上にどっさりとたおれかかって、りっぱなはしができました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
はしうへかはうへにぎはひを人達ひとたち仲見世なかみせ映画街えいぐわがいにもおとらぬ混雑こんざつ欄干らんかんにもたれてゐる人達ひとたちたがひかたあはすばかり。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
水遁すいとん秘法ひほうをもちいて、泉殿いずみどのはしをわたり、いつのまにか、晴季やそうたちのいるへやのどこかにしのびこんでいたのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おや、このせきの去年のちいさな丸太のはしは、雪代水ゆきしろみずながれたな、からだだけならすぐべるんだが肥桶こえおけをどうしような。阿部君、まず跳びえてください。
イーハトーボ農学校の春 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)