“上下”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
うえした31.1%
かみしも25.5%
うへした11.2%
じょうげ9.2%
しょうか4.6%
じやうげ4.1%
あげおろ2.0%
しやうか2.0%
じやうか1.5%
のぼりくだり1.5%
(他:14)7.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それじゃ、君はこの穴のふちつたって歩行あるくさ。僕は穴の下をあるくから。そうしたら、上下うえしたで話が出来るからいいだろう」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
上下うえした硝子ガラスにして中一枚をとおしにした腰障子こししょうじに近くえた一脚の椅子いすに腰をおろす。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
髪はかささぎの尾のごときもののね出でたる都髷みやこまげというに結びて、歯を染めしが、ものいう時、上下うえしたの歯ぐき白く見ゆる。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
続いて、「相手はどなたでござる」と尋ねたが、「上下かみしもを着た男」と云う答えがあっただけで、その後は、もうこちらの声も通じないらしい。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
五郎 常はさびしき山里の、今宵は何とやらん物さわがしく、事ありげにも覚ゆるぞ。念のために川の上下かみしもを一わたり見廻みまわろうか。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この純然たる浪人生活が三十年ばかり続いたのに、源吾は刀剣、紋附もんつきの衣類、上下かみしも等を葛籠つづら一つに収めて持っていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
大通おほどほりから光を受ける三つの大きな窓には、淡紅とき色を上下うへしたに附けた薄緑の窻掛リドウを皆まで引絞らずに好い形に垂らし
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
つまり、上下うへしたしろくもつて、五六しやくみづうへが、かへつて透通すきとほほどなので……
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
醉へば醉ふ程おしやべりになるおつさんは、長すぎてあつかひにくい舌で上下うへしたの唇をなめながら、くどくど繰返して自慢をする。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
縁起えんぎでもないことだが、ゆうべわたしは、上下じょうげが一ぽんのこらず、けてしまったゆめました。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「それじゃ仕舞ッてからでいからネ、何時いつもの車屋へ往ッて一人乗一挺いっちょうあつらえて来ておくれ、浜町はまちょうまで上下じょうげ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そして、みんなのほういて、あたま上下じょうげったり、からだ左右さゆうすったりしました。
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もとよりのこと。仰せのごとき暴をなせば、上下しょうか怨嗟えんさをうけ、諸方の敵方に乗ぜられ、末代、殿の悪名はぬぐうべくもおざるまい」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうなると、普通の酒家以上に、く弁ずる上に、時としては比較的真面目まじめな問題を持ち出して、相手と議論を上下しょうかして楽し気に見える。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
縦横に、前後に、上下しょうか四方に、乱れ飛ぶ世界と世界が喰い違うとき秦越しんえつの客ここに舟を同じゅうす。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
議論ぎろん上下じやうげするも大きいが、おたがひはなし数年前すうねんまえよりは真面目まじめつた、さて話をして見ると
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
丸岡まるをか建場たてばくるまやすんだとき立合たちあはせた上下じやうげ旅客りよかく口々くち/″\から
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大分だいぶ其處そこへだてが御座ござりまするけれど、こひ上下じやうげものなれば、まあ出來できたとおぼしめしますか
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
幸い他の人は荷の上下あげおろしをしたり馬に荷をけたりして居るその間、私は暫く休息して日に暖たまりながら自分の身体を摩擦して居ますと、荷物を皆馬へ載けてしまったです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
毎日々々はし上下あげおろしに出る母親の毒々しい当こすりが、お島の頭脳あたまをくさくささせた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
小説家の柳川やながは春葉氏は大の子供好きだが、自分には子供が居無いので、いぬころや小猫を可愛かあいがつて、お客の前をもいとはず、土足のまゝ上下あげおろしをするので
一門上下しやうかはなひ、月にきやうじ、明日あすにもめなんず榮華の夢に、萬代よろづよかけて行末祝ふ、武運の程ぞ淺ましや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
また親子おやこ夫婦ふうふ相親あひしたしみ、上下しやうか和睦わぼくして家内かない波風なみかぜなく、平和へいわ目出度めでたきところはまれさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
武芝は年来公務に恪勤かくきんして上下しやうかの噂も好いものであつたが、前例を申して之をこばんだ。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
第二だいに齒輪車しりんしやうつり、同時どうじ吸鍔桿ピストン上下じやうかし、曲肱クンク活動くわつどうにもとまらず
それは鐵車てつしや前方ぜんぽう木牛頭もくぎうとう上下じやうかより突出とつしゆつして
しかし箱根もすみ、池鯉鮒も翌日発足いたす位になりし由、不幸中之幸なるべし。明日帰りて委細不承候内は、往来上下じやうか人足の沙汰計、書状も瑩々とわけきこえかね候故、確然は得信可申上候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
峠で力餅ちからもちを売りました、三四軒茶屋旅籠はたごのございました、あの広場ひろッぱな、……俗に猿ヶ馬場ばんば——以前上下のぼりくだりの旅人でさかりました時分には
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それと同時に小児こどもの事が気になって……言い出すと、女中ともう寝たろう。で、大して心配もしない様子、成程寝る時刻、九時ちと過ぎたかも知れない。汽車が二三度上下のぼりくだりした。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何、あれもみんな嘘でござりやす。わつしは旦那に申し上げた通り、越後屋重吉と云ふ小間物渡世で、年にきつと一二度はこの街道を上下のぼりくだりしやすから、善かれ悪しかれいろいろな噂を知つて居りやすので、つい口から出まかせに、何でも彼でもぼんぽんと——」
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
渡船わたしぶねから上下あがりおりする花見の人の混雑。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
渡船わたしぶねから上下あがりおりする花見の人の混雑。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
と美奈子が良人をつとの広い机の端に、妊婦のつねとして二階の上下あがりおり目暈めまひがするその額を俯伏うつぶして言つた。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
悪戯いたずらをするなら小児こどもでも上下あがりおりは自由な位、干物に不思議はないが、待て、お辻の屋根へ出るのは、手拭てぬぐい一筋ひとすじさおかかつて居る時には限らない
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それよりも、見事みごとなのは、釣竿つりざを上下あげおろしに、もつるゝたもとひるがへそでで、翡翠かはせみむつつ、十二のつばさひるがへすやうなんです。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
どうもそんなやうな様子で、お袋は全で気違のやうに成つて、さあ、私を責めて責めて、もうはし上下あげおろしには言れますし、狭山と切れろ切れろのやかましく成りましたのも、それからなので、私はつらさは辛し、つくづくこんな家業は為る者ぢやないと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
また夏になると、二人は舟をりて墨田川すみだがわ上下じょうかして、影芝居かげしばいを興行した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ともかくもさすがは留学しただけ有りて、英国の事情、すなわ上下じょうか議院の宏壮こうそう竜動府ロンドンふ市街の繁昌、車馬の華美、料理の献立、衣服杖履じょうり、日用諸雑品の名称等
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かくの如く渋江氏の子が医を善くすることは、上下じょうか皆信じていたと見える。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
にはかぞうるほどの乗客じようかくもなさゝうな、あまさびしさに、——なつ我家わがや戸外おもてからのぞくやうに——上下あとさき見渡みわたすと、なりの寄席よせほどにむら/\とへやも、さあ、ふたつぐらゐはあつたらう。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、云って、山田一郎右衛門は、立上った。白無垢の着物に、白の麻上下がみしもをつけ、左手に、愛蔵の鎧通よろいどおしを握っていた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
それはひらたい石塊いしころ上下じようげすこいて紐絲ひもいとけるのに便利べんりにしてあるもので、あみおもりとか、機織はたおりに使用しようしたものかといはれてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
なかに五十あまりの男の、一楽いちらく上下にまいぞろい白縮緬しろちりめん兵児帯へこおびに岩丈な金鎖をきらめかせ、右手めての指に分厚ぶあつな金の指環ゆびわをさし、あから顔の目じり著しくたれて、左の目下にしたたかなる赤黒子あかぼくろあるが、腰かくる拍子にフット目を見合わせつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
上下ウエシタ歯クイチゴウテ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鴈治郎が、紫縮緬の上下ウヘシタでおし出す場合も、彼は久留米飛白に書生羽織を重ねて出ると謂つた風を創案した。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)