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うへした
ふりがな文庫
“
上下
(
うへした
)” の例文
其
(
そ
)
の
口
(
くち
)
へ、——
忽
(
たちま
)
ちがつちりと
音
(
おと
)
のするまで、
丼
(
どんぶり
)
を
当
(
あ
)
てると、
舌
(
した
)
なめずりをした
前歯
(
まへば
)
が、
穴
(
あな
)
に
抜
(
ぬ
)
けて、
上下
(
うへした
)
おはぐろの
兀
(
はげ
)
まだら。……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それと同時にクリストフは歯の無い口で絶えず何か噛んでゐる。
上下
(
うへした
)
の唇は此運動に磨り耗らされて薄くなつてゐるかと思はれる。
老人
(新字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
此馬鹿見た様な挨拶が
上下
(
うへした
)
で一句交換されると、三四郎は部屋の
中
(
なか
)
へ
首
(
くび
)
を引込める。与次郎は
階子段
(
はしごだん
)
をとん/\
上
(
あ
)
がつて
来
(
き
)
た。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
醉へば醉ふ程おしやべりになるおつさんは、長
過
(
すぎ
)
てあつかひ
惡
(
にく
)
い舌で
上下
(
うへした
)
の唇をなめながら、くどくど繰返して自慢をする。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
自分は片手を伸して、書物の小口の不揃ひになつたのや、
上下
(
うへした
)
の倒さに置かれたのを揃へ直して、差覗くやうに身をかゞめて表題の文字を讀んだ。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
その
他
(
た
)
からは、一
向
(
かう
)
珍品
(
ちんぴん
)
が
出
(
で
)
ぬ。
破片
(
はへん
)
は
多
(
おほ
)
いけれど、
繼
(
つ
)
いで
見
(
み
)
る
樣
(
やう
)
なのは
出
(
で
)
ぬ。
中食後
(
ちうじきご
)
に、
余
(
よ
)
は、
土瓶
(
どびん
)
の
口
(
くち
)
の
上下
(
うへした
)
に、ツリを
取
(
と
)
つた
破片
(
はへん
)
を
出
(
だ
)
した
位
(
くらゐ
)
。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
彼の煙突も念の為め十分に掃除せしめられたり。この家屋は四層立にしてその上に屋根裏の数室あり。屋根裏の室より屋根に出づる口には
上下
(
うへした
)
に開閉する扉あり。
病院横町の殺人犯
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
大通
(
おほどほり
)
から光を受ける三つの大きな窓には、
淡紅
(
とき
)
色を
上下
(
うへした
)
に附けた薄緑の
窻掛
(
リドウ
)
を皆まで引絞らずに好い形に垂らし、
硝子
(
がらす
)
は
凡
(
すべ
)
て
大形
(
おほがた
)
な花模様のレエスで
掩
(
おほ
)
はれて居るので
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
彼奴等
(
あいつら
)
は
可憐
(
いと
)
しいヂュリエットの
手
(
て
)
の
白玉
(
はくぎょく
)
を
掴
(
つか
)
むことも
出來
(
でく
)
る、また
姫
(
ひめ
)
の
脣
(
くちびる
)
から……
其
(
その
)
上下
(
うへした
)
の
脣
(
くちびる
)
が、
淨
(
きよ
)
い
温淑
(
しとやか
)
な
處女氣
(
をぼこぎ
)
で、
互
(
たが
)
ひに
密接
(
ひた
)
と
合
(
あ
)
ふのをさへ
惡
(
わる
)
いことゝ
思
(
おも
)
うてか
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
眼瞼が
上下
(
うへした
)
くつつくのをふせぐためであらう、睫毛はみじかく剪りとられてしまつた。一滴々々おとされる硝酸銀水が刺すやうにまたゑぐるやうに目のなかで荒れまはるのであつた。
盲目
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
ドルフは首を肩の間へ引つ込ませて、口を
開
(
あ
)
いて、
上下
(
うへした
)
の歯の間から舌の尖を見せて、さも当惑したらしい様子をした。又桟橋を渡つて買ひに往かなくてはならぬかと云ふ当惑である。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
併し家らしいものは山の
臺上
(
だいうへ
)
にも
臺下
(
だいした
)
にも見えず、ただその
上下
(
うへした
)
の所々に散點する森や林やの黒い影をうしろに
透
(
す
)
かして、霧のやうなものが
薄
(
うつ
)
すり棚曳いてゐるのが、望まれるだけであつた。
地方主義篇:(散文詩)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
白布が柱のように、すぐの眼の前に立っていて、それがユラユラ揺れながら、顔にあたる辺を
上下
(
うへした
)
に
戦
(
そよ
)
がせ、
頷
(
うなず
)
くような表情をしたが、やがて忽ち廊下の一方へ、
辷
(
すべ
)
るように走って行くではないか。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
其
(
その
)
前甲板
(
ぜんかんぱん
)
に
白
(
しろ
)
と
赤
(
あか
)
との
旗
(
はた
)
が、
上下
(
うへした
)
にヒラ/\と
動
(
うご
)
くやうに
見
(
み
)
えた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「これで
上下
(
うへした
)
揃ひまして八十円でございます。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
妄
(
やたら
)
に
上下
(
うへした
)
を
探
(
さが
)
し
廻
(
まは
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
袖
(
そで
)
は
両方
(
りやうはう
)
から
振
(
ふり
)
が
合
(
あ
)
つて、
乳
(
ちゝ
)
のあたりで、
上下
(
うへした
)
に
両手
(
りやうて
)
を
重
(
かさ
)
ねたのが、ふつくりして、
中
(
なか
)
に
何
(
なに
)
か
入
(
はい
)
つて
居
(
ゐ
)
さうで、……
駆
(
か
)
けて
行
(
い
)
つて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それが一直線に暗い
中
(
なか
)
を
上下
(
うへした
)
に
揺
(
ゆ
)
れつつ代助の方に
近
(
ちかづ
)
いて来るのが非常に淋しく感ぜられた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕は
此
(
この
)
女連中
(
をんなれんぢゆう
)
の化粧する所を興味を
以
(
もつ
)
て観て居るが、いろんな
白粉
(
おしろい
)
を顔から胸や背中へ掛けて塗り、目の
上下
(
うへした
)
にはパステルの絵具のやうな形をした紫、黒、
群青
(
ぐんじやう
)
さまざまの顔料を塗るのは
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
此
(
こ
)
の
後
(
あと
)
のなんぞは、
何処
(
どこ
)
で
工面
(
くめん
)
をしたか、
竹
(
たけ
)
の
小笠
(
をがさ
)
を
横
(
よこ
)
ちよに
被
(
かぶ
)
つて、
仔細
(
しさい
)
らしく、
其
(
そ
)
の
笠
(
かさ
)
を
歩行
(
あるく
)
に
連
(
つ
)
れてぱく/\と
上下
(
うへした
)
に
揺
(
ゆす
)
つたもので。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其うちの
一組
(
ひとくみ
)
は夫婦と見えて、
暑
(
あつ
)
いのに手を組み合せてゐる。女は
上下
(
うへした
)
とも真白な着物で、大変美くしい。三四郎は生れてから
今日
(
こんにち
)
に至るまで西洋人と云ふものを五六人しか見た事がない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
巌
(
いは
)
の
面
(
おもて
)
に
浮模様
(
うきもやう
)
、
末
(
すそ
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
上下
(
うへした
)
に
香
(
かう
)
の
図
(
づ
)
を
合
(
あ
)
はせたやうな
柳条
(
しま
)
があり、
虹
(
にじ
)
を
削
(
けづ
)
つて
画
(
ゑが
)
いた
上
(
うへ
)
を、ほんのりと
霞
(
かすみ
)
が
彩
(
いろど
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この
根際
(
ねぎは
)
に
膝
(
ひざ
)
をついて、
伸上
(
のびあが
)
つては
挽
(
ひ
)
き
下
(
お
)
ろし、
伸上
(
のびあが
)
つては
挽
(
ひ
)
き
下
(
お
)
ろす、
大鋸
(
おほのこぎり
)
の
齒
(
は
)
は
上下
(
うへした
)
にあらはれて、
兩手
(
りやうて
)
をかけた
與吉
(
よきち
)
の
姿
(
すがた
)
は、
鋸
(
のこぎり
)
よりも
小
(
ちひ
)
さいかのやう。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
繃帶
(
はうたい
)
を
覗
(
のぞ
)
いた
唇
(
くちびる
)
が、
上下
(
うへした
)
にべろんと
開
(
あ
)
いて、どろりとして
居
(
ゐ
)
る。
動
(
うご
)
くと、たら/\と
早
(
は
)
や
膿
(
うみ
)
の
垂
(
た
)
れさうなのが——
丁
(
ちやう
)
ど
明
(
あ
)
いて
居
(
ゐ
)
た——
私
(
わたし
)
たちの
隣席
(
となり
)
へどろ/\と
崩
(
くづ
)
れ
掛
(
かゝ
)
つた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
窓
(
まど
)
と
筋斜
(
すぢかひ
)
に
上下
(
うへした
)
差向
(
さしむか
)
つて
居
(
ゐ
)
る
二階
(
にかい
)
から、
一度
(
いちど
)
東京
(
とうきやう
)
に
來
(
き
)
て
博文館
(
はくぶんくわん
)
の
店
(
みせ
)
で
働
(
はたら
)
いて
居
(
ゐ
)
たことのある、
山田
(
やまだ
)
なにがしといふ
名代
(
なだい
)
の
臆病
(
おくびやう
)
ものが、あてもなく、おい/\と
沈
(
しづ
)
んだ
聲
(
こゑ
)
でいつた。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
書棚
(
しよだな
)
を
覗
(
のぞ
)
いて
奧
(
おく
)
を
見
(
み
)
て、
抽出
(
ぬきだ
)
す
論語
(
ろんご
)
の
第一卷
(
だいいつくわん
)
——
邸
(
やしき
)
は、
置場所
(
おきばしよ
)
のある
所
(
ところ
)
とさへ
言
(
い
)
へば、
廊下
(
らうか
)
の
通口
(
かよひぐち
)
も
二階
(
にかい
)
の
上下
(
うへした
)
も、ぎつしりと
東西
(
とうざい
)
の
書
(
しよ
)
もつの
揃
(
そろ
)
つた、
硝子戸
(
がらすど
)
に
突當
(
つきあた
)
つて
其
(
それ
)
から
曲
(
まが
)
る
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……その
前日
(
ぜんじつ
)
、おなじ
山
(
やま
)
の
温泉
(
おんせん
)
の
背戸
(
せど
)
に、
物干棹
(
ものほしざを
)
に
掛
(
か
)
けた
浴衣
(
ゆかた
)
の、
日盛
(
ひざかり
)
にひつそりとして
垂
(
た
)
れたのが、しみ
入
(
い
)
る
蝉
(
せみ
)
の
聲
(
こゑ
)
ばかり、
微風
(
かぜ
)
もないのに、
裙
(
すそ
)
を
飜
(
ひるがへ
)
して、
上下
(
うへした
)
にスツ/\と
煽
(
あふ
)
つたのを
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
朝
(
あさ
)
と
思
(
おも
)
へば
朝
(
あさ
)
、
晝
(
ひる
)
、
夜
(
よる
)
、
夜中
(
よなか
)
、
明方
(
あけがた
)
、もうね、一
度
(
ど
)
其
(
それ
)
が
見
(
み
)
えましてから、
私
(
わたし
)
の
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
ますだけは、
片時
(
かたとき
)
も、
然
(
さ
)
うやつて、
私
(
わたし
)
の
顏
(
かほ
)
を
凝視
(
みつ
)
めたなり、
上下
(
うへした
)
に、
膝
(
ひざ
)
だけ
摺
(
ず
)
らさうともしないんです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
詰
(
つま
)
り、
上下
(
うへした
)
が
白
(
しろ
)
く
曇
(
くも
)
つて、五六
尺
(
しやく
)
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
が、
却
(
かへ
)
つて
透通
(
すきとほ
)
る
程
(
ほど
)
なので……
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其處
(
そこ
)
へ、
門内
(
もんない
)
の
植込
(
うゑこみ
)
の
木隱
(
こがく
)
れに、
小女
(
こをんな
)
がちよろ/\と
走
(
はし
)
つて
出
(
で
)
て、
默
(
だま
)
つて
目
(
め
)
まぜをして、
塀
(
へい
)
について
此方
(
こなた
)
へ、と
云
(
い
)
つた
仕方
(
しかた
)
で、
前
(
さき
)
に
立
(
た
)
つから、ござんなれと
肩
(
かた
)
を
搖
(
ゆす
)
つて、
足
(
あし
)
を
上下
(
うへした
)
に
雀躍
(
こをどり
)
して
導
(
みちび
)
かれる
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“上下”の解説
上下(じょうげ、うえした)とは、上および下を指す。六方位(六方)の名称の一つで、高さ・深さといった立体的な位置を指す方位の概念を表す言葉である。
上・下方
頭・足方
天頂・天底方向
北・南方
首都に近づく・遠ざかる方
価値・地位が高い・低い方
時代が古い・新しい方
(出典:Wikipedia)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“上下”で始まる語句
上下共
上下座
上下料
上下格
上下着
上下箱
上下縞
上下谷
上下二筋
上下變動