“却”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かえ53.2%
かへ21.6%
かえっ11.9%
しりぞ5.8%
かへつ5.6%
けえ0.4%
かえつ0.3%
おびや0.1%
けえつ0.1%
こう0.1%
(他:5)0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“却”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸53.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語12.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)3.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
近づいて、切ッ払って、ける覚悟し——いたずらに騒いでは、かえって、此の場合、逃げ場を失うのは、知れ切っている。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
『あなたは生前せいぜんすこしもおかわりがないばかりか、かえってすこしおわかくなりはしませぬか。』
「毎度お訪ね下さるので、かへつてわたくしは迷惑致すのですから、どうか貴方から可然しかるべく御断り下さるやうに」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
八五郎は一應この説明で堪能たんのうしましたが、説明した平次自身が、かへつて覺束おぼつかなさを感じて居る樣子です。
それが遠い、遠い向うにちょんぼり見えていて、かえってそれが見える為めに、途中の暗黒が暗黒として感ぜられるようである。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この磨滅は岩山の向うの岩だらけの波打際まで続いているので、こうした微妙な天光の反射作用は、昼間はかえってわからない。
S岬西洋婦人絞殺事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
芭蕉は北枝ほくしとの問答の中に、「我句を人に説くは我頬がまちを人にいふがごとし」と作品の自釈をしりぞけてゐる。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
故に共同の敵なる畠山持国をしりぞけるや、く迄現実的なる宗全は、昨日の味方であり掩護者であった勝元に敢然対立した。
応仁の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それでも勘次かんじおそろしい卯平うへいひとかまどであるよりもかへつ本意ほんいであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かへつて自分には彼等の様な穏かなねむりが無い、夜も生活の資をる為に働かねば成らないからとヌエは云つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
藤「なアにそんな事はねえ、貴方あんたは始めてのことだから親父さまがくよりけえって大事でいじにするだんべいよ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
村落むらあんさ、何處どこつちつたつて場所ばしよはねえんですから、なあにひとりでせえありやけえつてふところはえゝんでがすから」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたくしはそれがかえつってみょう御殿ごてん構造つくりにしっくりとてはまって
然し、今日私が、過去の錯乱を去つたのは、実に私が、謂はば、自力的に求めたればこそで、かえつて今日はじめて、花の美しさをも感じられるやうになつた次第である。
詩壇への抱負 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
『石田軍記』三、加賀野江弥八が平らげた伊吹の山賊鬼装して近郷をおびやかした話などを参ずるに
ひどやすくなつちやつたな、さむつちや保存もちがえゝのにけえつやすいつちうんだからまる反對あべこべになつちやつたんだな」勘次かんじ青菜あをなをけならべつゝいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「聴きしに優ると来たか、お前の学もいよいよこうを積んで、近頃は俺にもわからねえことがあるよ」
「抜いたな」と馬琴は感付いたが、にげも走りもしなかった。
戯作者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『不空羂索陀羅尼経』に、緊羯羅こんがら童子を使うて、世間の新聞一切報告せしむる方を載せ、この童子用なき日は、一百金銭を持ち来り、持呪者に与う、しかしその銭は仏法僧のためにつかはた
官兵衛は見ていた。もちろんその書簡は読み得ないが、彼の顔色に映し取ってそれを読むに難くないとしていた。——智者ハカエッテ智ニ溺ル——。後に思えば、官兵衛生涯の不覚は実にこのときの読み違いにあった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乳母があわてゝ探すだらう、と言ふ心が起つて来ても、カヘツてほのかな、こみあげ笑ひを誘ふ位の事になつてゐる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ソレカヘツて、あるいてゐる道のホトリスゴさを照し出した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
唯副産物の量を少くして、殆ど皆無と見ゆるに至るまでにするのが従来の作家の理想ではあるが、又一方に、この副産物をタクミに利用するといふことも、詩としてはあながちにシリゾくべきことではないと思ふ。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)