“慕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
した84.8%
しと3.7%
なつ2.6%
したわ2.1%
したは1.0%
しの1.0%
なつか1.0%
したい0.5%
いと0.5%
したひ0.5%
して0.5%
しぬ0.5%
ゆか0.5%
シタ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はるになれば、毎日まいにちのように、ああしたそらられるとおもったからです。そして、かわいらしい小鳥ことりどもが、自分じぶんしたってやってくる。
風と木 からすときつね (新字新仮名) / 小川未明(著)
「大塔宮様にお目にかかり、許すとのお言葉承まわりたさに、この年月諸所方々を、お後しとうておりまするもの……」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ああ、だめだ。兄の偉大が、今わかった。兄の愛情が、骨身にこたえる。生き残って、この任を負い通せるわしではない。おなつかしい兄上のもとへ行って」
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
立去りあえずたたずむのがならいであったが、恋しさもしたわしさも、ただ青海あおうみの空の雲の形を見るように漠然とした、幻に過ぎなかった。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
したはせ今に至るまでも名奉行と言る時は只に忠相ぬし一にんとゞまるが如く思ひ大岡越前守の名は三歳の小兒といへども之をしりしきり明斷めいだんたゝへるこそ人傑じんけつさい稀世きせいの人といふ可し是等を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この里人はもとより、一五八みやこ防人等さきもりたち、国の隣の人までも、一五九ことをよせて恋しのばざるはなかりしを、手児女てごな物うき事に思ひ沈みつつ、一六〇おほくの人の心にむくいすとて
先刻自分に起ったどことなく親しい気持を「どうしてなんだろう」と怪しみなつかしみながら自分は歩いていた。
泥濘 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
したい申すが道です。お后様には不可思議なお方の
まつとなりしあはれさはたとへものもなかりけり茲に腰元こしもとお島と言は其以前より藤五郎がひそかなさけをかけし女なれば此程の體裁ありさまいとほしく思ひ人目を忍びて朝夕の食事其外何くれとなく心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まはり夫より所々を見物けんぶつしける内一ぴき鹿しか追駈おつかけしが鹿のにぐるに寶澤は何地迄いづくまでもと思あとをしたひしもつひに鹿は見失ひ四方あたり見廻みめぐらせば遠近をちこちの山のさくら今を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
してえ申して来たんだ。はははは、いつもながらお前の美しさは見たばかりで胆魂きもたましいもぶっつぶれるわ。どうぞなびいてやりてえものだが——おいどうしたえ、いやにすましているじゃあねえか
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
には麻手あさてかりししきしぬ東女あづまをみなわすれたまふな 〔巻四・五二一〕 常陸娘子
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
この国の煙草たばこやまひせぬ日にてありなばゆかしくもあらまし、日本人の売子うりこのそを勧めさふらふにも今はうるさくのみ思ひ申しさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
北京ホッケイ盧俊儀ロシュンギハ善人ナリ 衆望 人ノミナシタウ所ナリ。然ルニ 賄賂ワイロニ毒セラレタル官コレヲ捕エテ カエッテ淫婦奸夫ヲ殺サズ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)