“したい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
屍体47.9%
肢体17.9%
死躰9.3%
死體5.0%
姿態4.3%
死体2.9%
肢態2.9%
屍體2.1%
姿体1.4%
肢體1.4%
0.7%
四大0.7%
四諦0.7%
四體0.7%
弛怠0.7%
翅体0.7%
肢躰0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ましてその首や首のない屍体したいを発見した事実になると、さっき君が云った通り、異説も決して少くない。そこも疑えば、疑える筈です。
西郷隆盛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こういう風に、日本の妖怪には切りはなされた肢体したいを非常に実想的にとりあつかってある。これらも「病的感」「不具感」である。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
仏庵が死んでから四日めに当る、同じ正月の六日の夜半、その「むさし屋」の寮が自火で焼け、焼け跡から三人の死躰したいが出た。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
さうして東隣ひがしどなりからりてござが五六まいかれた。それから土地とち習慣しふくわん勘次かんじきよめてやつたおしな死體したいは一さい近所きんじよまかせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして、怖ろしいまでの苦悶くもんの跡をみせて、その年若い婦人の裸体が不自然な姿態したいをその中に示しているのであった。——
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
また、船室せんしつはいって、すみからすみまで、懐中かいちゅうランプでらして、さがしたけれど、やはり一人ひとり死体したいつからない。
海が呼んだ話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
軽薄なテンポに、××楼の広間でイヴニングを着て客と踊っていた妓の肢態したいを想いだした。カッと唇をかみしめながら、キャバレエーの中へはいって行った。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
そして其の屍體したいが地の底におさまるか納まらぬに、お房の家は破産の宣告せんこくを受けて一離散りさんとなツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
それぞれの胸の中には、あのネネの姿体したいが様々なかたちでうかいで、流れ去っていた。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
また汝等のちりの中なる魂がさま/″\の能力ちからに應じて異なる肢體したいにゆきわたるごとく 一三三—一三五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
したい申すが道です。お后様には不可思議なお方の
あなたをおしたい申します。
四大したいのあらび、忌々ゆゆしかる羅刹らせつ怒号どごう
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
まず元祖の釈尊が工夫し出された「四諦したい」「十二因縁」の法をはじめ、支那へ来ては天台大師の天台宗の教義とか、達磨大師の禅法とかいうものであります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
〔譯〕靈光れいくわう障碍しやうげ無くば、則ち乃ち流動りうどうしてゑず、四體したいかるきをおぼえん。
然れども人の最大なる得意の時代は、やがてまた最大の失意を胚胎はいたいし来るの時代たるなからむや。物は圧せられざれば乃ち膨脹す。膨脹は稀薄となり、稀薄は弛怠したいとなり無力となる。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼らはいったいどこで夏頃の不逞ふていさや憎々しいほどのすばしこさを失って来るのだろう。色は不鮮明にくろずんで、翅体したい萎縮いしゅくしている。汚い臓物で張り切っていた腹は紙撚こよりのようにせ細っている。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
殆んど無意識に口から出たのであるが、いつか雑木林の中で見せられた彼女の肢躰したいと、それに重なるように、あによめきいの姿が思いうかんだのである。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)