死体したい)” の例文
旧字:死體
そのはなは、のめずりたおれた老人ろうじん死体したいを、わらつておろしているというかたちで、いささかひとをぞつとさせるような妖気ようきただよわしている。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
また、船室せんしつはいって、すみからすみまで、懐中かいちゅうランプでらして、さがしたけれど、やはり一人ひとり死体したいつからない。
海が呼んだ話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
のちにわかつたが、原因げんいん青酸加里せいさんかりによる毒殺どくさつだつた。死体したい両手りょうてがつきのばされて、はちのふちにつかみかかろうという恰好かっこうをしている。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
それを学者がくしゃがしらべて、およそ二万年まんねんまえ人間にんげんほねで、まだわかい二十さい前後ぜんごおんならしいが、たぶんなみにただよって、きし死体したいがついたものだろう。
アパートで聞いた話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だのに、人間にんげん死体したいのことではなくて、んだ金魚きんぎょのことをきにいつたから、いかにもそれは滑稽こっけいかんじがしたのであつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
まったくおかしなことがあるものだとおもって、あきらめてようとしたとたん、ちょっとうえると、八にん死体したいが、ぴったりとてんじょうについて、じっと自分じぶんほう見下みおろしていた。
海が呼んだ話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あのひとは、りていって、船室せんしつうちはいって、さがしたそうだ。けれど、一人ひとり死体したいつからない。おかしいなとおもったが、がってそのことを報告ほうこくした。すると、いやそんなはずはない。
海が呼んだ話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、徳蔵とくぞうさんは戦友せんゆう死体したいいだこして、なみだとしたのです。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)