“倒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たお36.2%
たふ13.5%
さかさま13.3%
さかさ12.3%
さか8.2%
さかしま7.2%
さかし1.4%
たう1.2%
のめ1.0%
0.7%
0.5%
たほ0.5%
たおれ0.5%
だお0.5%
だふ0.5%
とう0.5%
たを0.2%
ころ0.2%
0.2%
たほし0.2%
だう0.2%
0.2%
サカサ0.2%
サカシマ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのはなは、のめずりたおれた老人ろうじん死体したいを、わらつておろしているというかたちで、いささかひとをぞつとさせるような妖気ようきただよわしている。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
かれくるしさにむねあたりむしり、病院服びやうゐんふくも、シヤツも、ぴり/\と引裂ひきさくのでつたが、やが其儘そのまゝ氣絶きぜつして寐臺ねだいうへたふれてしまつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
……雲を貫く、工場の太い煙は、丈に余る黒髪が、もつれて乱れるよう、そして、さかさまに立ったのは、とこしえに消えぬ人々の怨恨うらみと見えた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或る者は長靴を脱いでさかさまにして、一杯たまった砂や泥水を吐かせたり、沓下くつしたを脱いで白くふやけた自分の足をつめたりしている。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この通りピイピイしているから金なんぞはさかさにふるったって出て来ねえんだ。だから、まだなかなか死にっこはねえよ、安心しろよ
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
南は山影暗くさかしまに映り北と東の平野は月光蒼茫としていづれか陸、何れか水のけじめさへつかず、小舟は西の方を指して進むのである。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
パヴィースと云うて三角をさかしまにして全身をおおう位な大きさに作られたものとも違う。ギージという革紐かわひもにて肩から釣るす種類でもない。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
をつとかたきおぼえたかといひさま彼の懷劍くわいけん胴腹どうばら突込つきこみしかばへい四郎はアツトこゑたて仰向のつけたふれ七てんたうなすゆゑ隣の座敷ざしきは源八歌浦うたうらなれば此聲このこゑおどろ馳來はせきたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其重苦しい沈默の中に、何か怖しい思慮が不意に閃く樣に、此のトッぱずれのめりかゝつた家から、時時パッと火花が往還に散る。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
かけても、返事もせんし、フラフラッと立ちあがって、なんべんかけながら、川の岸をユウラユラ、酔いどれみたいに、歩いて行ったというわい
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「あるといえばあったようなもの、ないと云えばなかったようなものさ……ところで、初というその老女はどんな具合に死んだかな? 往来の上で野れ死にかな?」
開運の鼓 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
小木せうぼくえだ諸共もろともたほして猛進まうしんするのであるから、如何いかなる險山けんざん深林しんりんくわいしても、まつた進行しんかう停止ていしせらるゝやうなうれひはないのである。
みんな倒れました、それがいちどきにでしたから気になって、夜の明けるのを待兼まちかねてそこらを見ますと、息子の大切にしていた鉢植はちうえ——盆栽ものが、みんなたおれている。
人魂火 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「どうしたらげられるか、せっかくしても、つかまってころされればおなじことだし、つかまらないまでも、このふかい山の中では、みちまよってだおれになるばかりだ。」とおもって
人馬 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ヘエ……そんなにめておんなさるな、畜生ちくしやううへくらゐなどもらひましたから、果報焼くわはうやけで、此様こん塩梅あんばい身体からだが悪くなつて、牛のくらゐだふれとは此事このことで、毎日々々黒胡麻くろごまばかりはせられて
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
閑院宮かんいんのみや寛子ひろこ女王殿下が小田原おだわらの御用邸のとうかいで、東久邇宮ひがしくにのみや師正もろまさ王殿下がくげ沼で、それぞれ御惨死ござんしなされたのはまことにおんいたわしいかぎりです。
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
この畜類ちくるゐ、まだ往生わうじやうしないか。』と、手頃てごろやりひねつてその心臟しんぞうつらぬくと、流石さすが猛獸まうじうたまらない、いかづちごとうなつて、背部うしろへドツとたをれた。
善吉は今にも吉里が障子を開けて、そこに顔を出すような気がして、火鉢に手を翳していることも出来ず、横にころりところんで、屏風の端から一尺ばかり見える障子を眼を細くしながら見つめていた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
当然そこから入って来るかさの像が直立してしまって否でも次の障子にその黒頭の笄が似た形が、映らなくてはならないでは御座いませんか。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
黒人くろうと道具商だうぐやさんが掘出物ほりだしものたほしにやつてまゐります。
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
手元五尺ばかはすかけに切落きりおとせり兵助は心得たりと飛込とびこみそのはすかけにきられし棹竹にて六郎右衞門が脇腹わきばら目掛めがけ突込つきこんだり六郎右衞門は堪得たまりえず其處にだうとぞたふれたり兵助立寄たちより六郎右衞門がもちし脇差にて最期刀とゞめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
と、いきなり段の口へ、青天の雷神かみなりめったように這身はいみで大きな頭を出したのは、虎の皮でない、木綿越中の素裸すっぱだか——ちょっと今時の夫人、令嬢がたのために註しよう——唄に……
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
水死や焼死や縊首や自刃やの屍体は、一般の墓地に葬ることを許さず、屍体を棺にも入れず菰にも包まず、そのままで橋の袂か道の辻に、多くはサカサにして埋めるのが習いとなっていた。
屍体と民俗 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
家室カシツサカシマニカカリ。門戸衆多シュウタ。精ヲカクシ、毒ヲヤシナイ、秋ヲ得テスナワチ化ス。コレ蜂ノ巣ナリ。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)