“転倒”のいろいろな読み方と例文
旧字:轉倒
読み方割合
てんどう33.3%
てんとう33.3%
ころ16.7%
ひきくらかへし5.6%
ひっくらかえ5.6%
ひっくりかえ5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
転倒てんどうしてくびれて死んだ事であると分ったので事果てましたから、死骸はまず佐十郎方へ引取らせて、野辺送りをいたしました。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
壮平は気が転倒てんとうしてしまって、一語も発することができないで居る。銅鑼は船内を一じゅんして、また元の船首で鳴っていた。出発はもう直ぐだ。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かっぽれにすべって転倒ころび、手品てずまの太鼓を杯洗で鉄がたたけば、清吉はお房が傍に寝転んで銀釵かんざしにお前そのよに酢ばかり飲んでを稽古する馬鹿騒ぎの中で
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
足にふむ力なきゆゑおのれがちからにおのれからだ転倒ひきくらかへし、雪の裂隙われめよりはるかの谷底へおちいりけるが、雪の上をすべり落たるゆゑさいはひきずはうけず、しばしは夢のやう也しがやう/\に心付
席亭せきていの主人が便所へ出掛けて行く、中の役者が戸をあけて出る機会とたん、その女の顔を見るが否や、席亭せきていの主人は叫喚きゃっと云って後ろへ転倒ひっくらかえてめえまだ迷っているか堪忍してくれとおがみたおされ。
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
この平素ふだん信じていたことを——そうだ、よく彼女に向って、誰某だれそれは女でもなかなかのシッカリものだなどと言ってめて聞かせたことを、根から底から転倒ひっくりかえされたような心地こころもちに成った。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)