“転覆”のいろいろな読み方と例文
旧字:轉覆
読み方割合
ひっくりかえ33.3%
てんぷく33.3%
ひっくりか6.7%
おっけあ3.3%
かえ3.3%
ひっくり3.3%
ひっくりかえし3.3%
ひっくりけえ3.3%
ひつくらかへ3.3%
ひつくりか3.3%
ひッくりか3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鼠が棚へ上ったものだから、猫も棚へ飛上って薬瓶を転覆ひっくりかえした。薬室は散々になったけれども、薬室よりも散々な目に遇ったのは猫である。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
それで、みんなは、汽車きしゃ転覆てんぷく原因げんいんが、ひとをひきころそうとしたため、いそいで汽車きしゃめたのにあったことをりました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
兵隊上へいたいあがりの小使こづかいのニキタは乱暴らんぼうにも、かくし一々いちいち転覆ひっくりかえして、すっかり取返とりかえしてしまうのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「それがら、折ったり転覆おっけあしたりさな。」
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
叫ぶ声、廊下をとどろと走る音、ふすま開閉あけたて騒がしく、屋根を転覆かえした混雑に、あれはと驚く家令の前へ、腰元一人けつ、まろびつ、蒼くなりて走りで、いきせき奥を指さして
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
須弥壇しゅみだんへ駈け上ると大日如来が転覆ひっくりかえる。お位牌はばた/\落ちて参る。がら/\どんと云う騒ぎ。庄吉は無闇に本堂の縁の下へ這込みます。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ええ。大事な盆栽よ。転覆ひっくりかえしでもしようもんなら大変よ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
森「藤原さんですか、お母さんが膳を転覆ひっくりけえして旦那もお困りですが、お母さんはたががゆるんだのだ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「毎日」が先月紙店かみやの払ひが出来なかつたので、今日から其日々々に一聯宛買ふさうだとか、職工が一日ついたちになつても給料を払はれぬので、活字函ケース転覆ひつくらかへして家へ帰つたさうだとか云ふ噂が
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それは水害すゐがいのためにもしふね転覆ひつくりかへると蘇生よみがへ亡者やつが多いので、それでは折角せつかくひらけようといふ地獄ぢごく衰微すゐびだといふので、とほ鉄橋てつけうになつちまいました、それ御覧ごらうじろ
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
茶を飲んでいたが,そのうち上役の者が、いざ、お立ちとなッたので、勘左衛門も急いで立ち上ッて足を挙げると、いけない,挙げる拍子に縁台が傾いたので、盆を転覆ひッくりかえして茶碗ちゃわんこわしたが
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)