“かえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カエ
語句割合
21.1%
20.7%
12.0%
10.6%
9.0%
6.8%
3.6%
2.9%
2.3%
1.4%
(他:153)9.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
アンドレイ、エヒミチはかえってれば自分じぶん位置いちいまはドクトル、ハバトフのわたって
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そのはそれでかえりましたけれど、またくるになっても太郎たろう姿すがたえませんでした。
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
近づいて、切ッ払って、ける覚悟し――いたずらに騒いでは、かえって、此の場合、逃げ場を失うのは、知れ切っている。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
『あなたは生前せいぜんすこしもおかわりがないばかりか、かえってすこしおわかくなりはしませぬか。』
自分が「別段堅苦しくはしていません」と答えた時、彼女は「だってかえってるじゃありませんか」と笑った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
足掛あしかけねんまたが籠城ろうじょう……つき幾度いくどとなくかえされる夜打ようち
僕が帰ることになったとき、先に払った同人費をかえすからというとき、僕は心の中で、五円もうかった、と叫んだのです。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
朝鮮征伐せいばつの時の俘虜ふりょの男女千三百四十余人も、江戸からの沙汰さたで、いっしょに舟に乗せてかえされた。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
が、大井はかえって真面目な表情を眼にも眉にも動かしながら、大理石の卓子テエブル拳骨げんこつで一つどんと叩くと、
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「それがいかんですな。熱はずんずんさがりながら、脈搏はかえってふえて来る。――と云うのがこの病の癖なんですから。」
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
幕府倒れて王政いにしえかえ時津風ときつかぜなびかぬ民草たみぐさもない明治の御世みよに成ッてからは
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
降りやんだ屋根の色がもとにかえる前、夫婦は亜鉛張トタンばりひさしすべり落ちる雪の音に幾遍か驚ろかされた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
斎藤下野は胸に誓わずにいられなかった。そして居るに堪えなくなったように、急に馬の背へかえって、供の人々へ呼ばわった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、武者ぶるいする身心地を取りかえして、遅れじと、藤吉郎につづいて、勝鬨かちどきの聞える丘のほうへのめッて行った。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その死んだ人間のことをいう時にはひどく思いやりのある調子になりながら、火鉢の傍に坐っている若奴の顔をかえって
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
脇玄関をあがり、そこの役部屋を、そっと覗くと、まだ起きて、何かの吟味書ぎんみがきを調べていた小林勘蔵がふりかえった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其の二年程前から――前に孝ちゃんの家が裏に居た頃――一番上の弟が鶏を飼い始めて、春に二度目の雛を八羽ほどかえさせた。
二十三番地 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
この成虫は書物の中でかえって外へ飛び出で雌す雄すイイ事をした後ちは復た書物の中へ卵を産み付けにその雌すがやって来る。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
板簾いたすだれの裾は、大きく風に揚げられて、ひさしをたたき、庭の樹々は皆、白い葉裏をかえしてそよぎ立つ――
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「や、」と倒れながら、激しい矢声やごえを、掛けるが響くと、宙でめて、とんぼを切って、ひらりとかえった。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その声いまだおわらざるに、どっと興る歓呼の声は天にとどろき、狂喜の舞は浪を揚げて、船もかえらむずばかりなりし。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
子供を引き立てくだされなど、いい加減に述べて、引き出しをいて、たちまち彼奴かやつの眼前へ打ちかえすと
発奮はずんで、ずるずると来たやつが、若衆わかいしゅの足許で、ころりとかえると、クシャッと異変な声を出した。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
胴抜どうぬきは絞つたやうな緋の竜巻、しもに夕日の色めたる、胴裏どううらくれないつめたかえつて
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大急で帰宅かえって土間にどしりと俵を下した音に、泣き寝入ねいりに寝入っていたお源は眼を覚したが声をださなかった。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そうするとある日、僕が学校から帰宅かえって見ると、今井の叔父さんが来ていて父上も奥の座敷で何か話をしてござった。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
一閑はね退いたが、もう七十ぢかい老齢である。体に粘ばりのないせいか、その勢いのまま、仰向けにひっくりかえった。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うーむと、服部太蔵は、仰向けにひっくりかえった。然し彼の浴びたのはミネ打ちであって、単に、眼をくらましたに過ぎないらしい。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正気にかえると見えて、お浦が動き出した。肉附きのよい、ムッチリとした腕を、二本ながら、夜具から脱き、敷き布団の外へ抛り出した。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
朱実は、すぐ息をふきかえした。清十郎は宿舎やどの者に負わせて、人目から逃げるように旅舎へ帰って行った。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
団子坂へ行く者かえる者が茲処ここで落合うので、処々に人影ひとかげが見える、若い女の笑い動揺どよめく声も聞える。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
部屋へかえって、仰向けに倒れた耳に、添水そうずがカーンと聞こえました。杵の長い顔が笑うようです。渓流の上に月があって。――
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
初めて卵から孵化かえった生物いきもののように、息を詰めて眼ばかりパチパチさして、口の中でオズオズと舌を動かしていた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ただ孵化かえり立のせみが弱々しく鳴くのと、山鶯やまうぐいすしゅんはずれに啼くのとが、れつ続きつ聴えるばかり。
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
なぜわたくしがオペラと申しましたのを、わざわざアクションという詞におかえあそばしたの。
「おい弁当を二つくれ」と云う。孤堂先生は右の手に若干そこばくの銀貨を握って、へぎおりを取る左とかえに出す。御茶は部屋のなかで娘がいでいる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大体につきてこれを思うに、人界に触れたる山魅人妖さんみじんよう異類のあまた、形を変じ趣をこそかえたれ、あえて三国伝来して人をかしたるたぐいとは言わず。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こんな場所ではちょっと身体からだの位置をかえるのさえ臆劫おっくうそうに見える肥満な彼は、坐ってしまってからふと気のついたように、半分ばかり背後うしろを向いた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それを見るとすぐ、あの柳の丸材で作った、亀井戸天神かめいどてんじんのウソかえのウソを思出した。
木彫ウソを作った時 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
お父様をお見送りしますと私は、お床の間に立てかけてあった琴を出して昨日きのう習いました「あおいうえ」のかえの手を弾きはじめました。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それが、急に、もうじき豊後へ帰郷かえることになったというので、庄太郎は、名残り惜しそうに、
「学問したり、いろいろ、一人前の男の道を、勉強したりして、帰郷かえるんだ」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうかと思うと、ふっと、帰国かえされて、また焼津の浜から船へ乗り込んで、どこへとも知らず錨を上げる。
安重根 (しんみりと)やはり故里くにの人間でねえ、僕んところから三里ほどしか離れてないんだが、今度休暇を取って、ちょっと帰国かえるんだそうだ。
散弾が轟然として四辺あたりほとばしると、頑強の敵も流石さすがきもひしがれたらしい、くびすかえしてばらばらと逃げ出した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それが眼に着くと、彼はすぐにきびすかえした。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
子爵の御名望ごめいぼうにもかえられぬ御執心と見えて
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
それから四十余年を過ぎた今日こんにちでは、活動ということばは既にすたれて他のものにかえられているらしいが、初めて耳にしたものの方が口馴れて言いやすいから、わたくしは依然としてむかしの廃語をここに用いる。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「じゃあ、あのとき、田舎へ帰省かえったのだな……」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ヤア大津、帰省かえったか」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それに引きかええて先の方は、さのみ焦心あせりもせず疲れも見せず、また御方のような追手があるのも無関心のていで、たちまち護持院ヶ原を走り抜け、やがてもう牛ヶ淵の濠端から、富士見坂の上り勾配こうばいへ差しかかろうとする。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多くは亡国の分子を含んでいる。小山君、君にもその位な道理の分らん事はあるまいがただ古来の習慣を改めにくいために勝手道具の買入方を躊躇ちゅうちょするのだろう。床の間の画幅は三百円の品を二百円の品にかえても生存上に影響はないからのこりの百円を以て勝手道具を買てみ給え。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「これでお内儀さんを可愛がれア申し分なしだ。」と誰やらがぜッかえした。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そこで二人は衣裳を交換かえた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
窓の外には一ぴきの古狸がうずくまっていたが、狸は庄造の姿を見ても別に逃げようともしないのみか、かえってうれしそうに尻尾をるのであった。
狸と俳人 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
喝破かっぱしたは、南方先生若い盛りに黒奴くろんぼ女の夜這よばいをしかかえしたに次いで豪い
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