“かえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カエ
語句割合
24.3%
22.8%
11.2%
9.7%
7.7%
6.2%
3.0%
2.3%
2.2%
1.6%
1.3%
0.9%
帰宅0.8%
0.6%
0.6%
孵化0.5%
0.4%
0.4%
0.4%
0.3%
帰郷0.2%
帰国0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
帰省0.1%
復活0.1%
0.1%
返済0.1%
0.0%
帰京0.0%
0.0%
可哀0.0%
発生0.0%
0.0%
交換0.0%
0.0%
0.0%
帰家0.0%
帰宿0.0%
帰朝0.0%
帰邸0.0%
復帰0.0%
0.0%
換馬0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
瑄却0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
転覆0.0%
返事0.0%
返却0.0%
0.0%
還元0.0%
0.0%
0.0%
顛覆0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……実になんといったらいいか、要するにそんなふうに編集所にはぴったりし過ぎてかえって不自然なくらい傍若無人なようすだった。
陽気な客 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
やがて、そのものは、かえりました。おちになっていたおひめさまは、どんなようすであったかと、すぐにおたずねになりました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
達二たつじは早く、おじいさんの所へもどろうとしていそいで引っかえしました。けれどもどうも、それは前に来た所とはちがっていたようでした。
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
追えば追うほど兎種々に走りかくれて犬ために身つかれ心乱れて少しも主命を用いず、故に狩猟の途上兎を見れば中途からかえる事多しと
私は彼女たちの前を出来るだけ早く通ろうとして、そのためかえって長い時間かかって、心臓をどきどきさせながら通り過ぎて行った。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
楊はもう気絶してしまって、その後のことは知らなかったが、夜が明けて正気にかえった頃には、そこらに何者の姿もみえなかった。
金井君の唇は熱い接吻を覚える。金井君の手は名刺を一枚握らせられる。旋風つむじかぜのように身をかえして去るのを見れば、例の凄味の女である。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「あれ、まだあると思ったに……。」と、ランプに火をともしていた母親は振りかえって言おうとしたが、ごうが沸くようで口へ出なかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
卵をたった一つかえさせるのは無駄だから、取って来ようかと云うのである。石田は、「抱いているなら構わずに抱かせて置け」と云った。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
長い曲線的の頸は頸と絡み合っている、長い尾は、旗の如く風にかえっている。ただそこに異った、けわしげな眼と、柔和の眼とが光っていた。
森の暗き夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
癇張声かんばりごえに胆を冷やしてハッと思えばぐゎらり顛倒てんどう手桶ておけ枕に立てかけありし張物板に、我知らず一足二足踏みかけて踏みかえしたる不体裁ざまのなさ。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
カタリといって、発奮はずみもなくひっくりかえって、軽く転がる。その次のをフッ、カタリとかえる。続いてフッ、カタリと下へ。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
午後三時過ぎて下町行の一行はぞろぞろ帰宅かえって来た。一同が茶の間に集まってがやがやと今日の見聞を今一度繰返して話合うのであった。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そして、いざ天下の合戦となると、これが皆、一かどの錆槍さびやりとボロよろいをかついで、陣借りして、真人間に生きかえるのだ。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吉凶にかかわって日時をかえるの旧慣を絶つとも、下気は泄出の様子までも公報する外国風を採るなどの事なきを望むと、かく答えた予の書牘しょとくを読んで
鶏でも家鴨あひるでもうずらでもつばめでも何の卵でも好き自由に孵化かえります。玉子五十個入で三十円も出せば軽便なのがあります。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
してきび/″\した筆致と幼き日を慕ふ情緒とを持つた大文学者の卵は夏になると、まつて東京から日本海の荒波の音の絶えぬ故郷へかえって来るのであつた。
若芽 (新字旧仮名) / 島田清次郎(著)
孤堂先生は右の手に若干そこばくの銀貨を握って、へぎおりを取る左とかえに出す。御茶は部屋のなかで娘がいでいる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
むしろ後ろに反りかえっていると言ってもいい動勢をっていた。それを見るとすぐ、あの柳の丸材で作った、亀井戸天神かめいどてんじんのウソかえのウソを思出した。
木彫ウソを作った時 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
こんな場所ではちょっと身体からだの位置をかえるのさえ臆劫おっくうそうに見える肥満な彼は、坐ってしまってからふと気のついたように、半分ばかり背後うしろを向いた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それが、急に、もうじき豊後へ帰郷かえることになったというので、庄太郎は、名残り惜しそうに
偏屈の源因げんいんであるから、たちまち青筋を立てて了って、あてにしていた貴所あなた挙動ふるまいすらも疳癪かんしゃくの種となり、ついに自分で立てた目的を自分で打壊たたきこわして帰国かえって了われたものと拙者は信ずる
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さすがの美人がうれいしずんでる有様、白そうびが露に悩むとでもいいそうな風情ふぜいを殿がフト御覧になってからは、ゆうたえなお容姿ようすに深く思いをよせられて、子爵の御名望ごめいぼうにもかえられぬ御執心と見えて
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
それが眼に着くと、彼はすぐにきびすかえした。そちらの方面のことは、前原や神崎の手でおおよそ分っていたからである。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
「東西千里問安廻。傷別老懐鬱不開。遥憐山駅雨淫日。蓑笠穿雲独往来。」〔東西千里安ヲ問ヒテかえル/別レヲ傷ミテ老懐鬱トシテ開カズ/遥カニ憐レム山駅雨淫ノ日/蓑笠雲ヲ穿チテ独リ往来スルヲ〕の絶句がある。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「恩を受ければかえさんければならぬ義務がある。その責任が重いから……」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ヤア大津、帰省かえったか」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
恋などという生やさしいものは、妾にとっては、遠い昔の物語! ……真実まっとうの人間に復活かえろうと、久しい間、男嫌いで通して来たものを! ……恋? それも邪まの恋? ……何んの何んの頼母様は
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それに引きかええて先の方は、さのみ焦心あせりもせず疲れも見せず、また御方のような追手があるのも無関心のていで、たちまち護持院ヶ原を走り抜け、やがてもう牛ヶ淵の濠端から
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何の、踏むなどという図太い了簡りょうけんを出すものか。と慌つるさまに高田は附入つけいり、「そんなら金を、さあ返済かえせ。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お前さんに笑われるかも知れないが、私しゃね、何だかかえるのがいやになッたから、今日は夕刻ゆうかたまで遊ばせておいて下さいな。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
お前さんとこうして——今朝こうして酌をしてもらッて、い心持に酔ッてかえりゃ、もう未練は残らない。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「この汽車で帰京かえるつもりで」と田崎は車をおり、筵繩むしろなわなんど取り散らしたる間を縫いて玄関に寄りぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「ばあや、ちょっと行って来るよ。あああ、久しぶりに帰京かえるのね。——それから、あの——お単衣ひとえね、もすこしだけども——あ、いいよ、帰ってからにしましょう」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
約之と優善とは榛軒のぢよかえと同庚で、若し大正丁巳までながらへてゐたら、今の曾能子そのこ刀自と倶に、八十三歳になつてゐる筈である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
榛軒の継室飯田氏志保しほの始て生む所で、初め名をかえと命ぜられた。即ち大正丁巳に至つて八十三歳の寿を保つてゐる曾能子そのこ刀自である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
だけど、わっしは馬鹿ばかで、どうしてもそんな元気が出ねえんでがす。——旦那があんまり可哀かええそうな様子をしてるで
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
「いいや、そうでねえ! ——どこにも寝ていねえんで、——そこが困ったこっで、——わっしは可哀かええそうなウィル旦那のことで胸がいっぺえになるんでがす」
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
「それじゃもう蚕が発生かえるの。」
種紙の青む頃 (新字新仮名) / 前田夕暮(著)
「もう一週間もすると発生かえる。」
種紙の青む頃 (新字新仮名) / 前田夕暮(著)
「これでお内儀さんを可愛がれア申し分なしだ。」と誰やらがぜッかえした。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そこで二人は衣裳を交換かえた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
窓の外には一ぴきの古狸がうずくまっていたが、狸は庄造の姿を見ても別に逃げようともしないのみか、かえってうれしそうに尻尾をるのであった。
狸と俳人 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
南方先生若い盛りに黒奴くろんぼ女の夜這よばいをしかかえしたに次いで豪い(『別訳雑阿含経』巻二十、南方先生已下いかやつがれの手製)。
で、ホッと安心し、顔色を直した十兵衛が、明日は四時よつ立ちで帰家かえると云い、隣室へ引き取って行った後を、長庵胸へ腕を組んだが、さてこれからが大変である。
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「帰ろうじゃアないか。帰宿かえって夕飯の時、ゆるゆる論ずる事にしよう。」
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
彼女が海の外へ出ていてした仕事も、帰朝かえって来て当時の人に目新しい扮装ぶりを見せたのも、現今の女優のまだ赤ん坊であったころのことである。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
吉良へ扇箱を届けて帰邸かえってきた久野彦七も納戸なんど役人の北鏡蔵きょうぞうも金奉行の十寸見ますみ兵九郎も黙っていた。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
二日って竹の木戸が破壊こわされた。そして生垣いけがき以前もとさま復帰かえった。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
すなわち私はあとへ引っ繰りかえるということも想わなければ、前へ進むということも考えず、ただそうして頑是ない子供のように、単純に繰り返し繰り返し、自己の四十二年の屈辱の生涯を
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
「やあいっ、又蔵っ。乗り換馬かえを曳いて来いっ。早く来いっ」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
百両の金が何でるか知らぬがあれ程の悌順やさしい女を金にかえらるゝ者と思うて居る貴様の心がさもしい、珠運という御客様の仁情なさけ半分汲めたならそんな事わずに有難涙ありがたなみだむせびそうな者。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
道は白々と広く、夜目には、芝草のって居るのすら見える。当麻路たぎまじである。一降ひとくだりして又、大降おおくだりにかかろうとする処が、中だるみに、ややひらたくなっていた。梢のとがったかえの木の森。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
燕王これを聞きて、保定失われんには北平あやうしとて、ついに令を下して師をかえす。八月より九月に至り、燕兵西水寨を攻め、十月真定の援兵を破り、あわせて寨を破る。房昭走りてのがる。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
盛庸等之を破る。帝都督ととく僉事せんじ陳瑄ちんせんを遣りて舟師しゅうしを率いて庸をたすけしむるに、瑄却かえって燕にくだり、舟をそなえて迎う。燕王乃ち江神こうじんを祭り、師を誓わしめて江を渡る。舳艫じくろあいふくみて、金鼓きんこおおいふるう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それとも太陽が、突如として消滅し、世界が真暗闇にかえったのかとも思った。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まことにおそろしいと言うことを覚えぬ郎女にしては、初めてまざまざと、おさえられるようなこわさを知った。あああの歌が、胸に生きかえって来る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
しかしさいわいあやまちを改めたので、一昨年もとの地位にかえり、昨年は奥通おくどおりをさえ許された。今は抽斎先生が亡くなられてから、もう二年立って、優善さんは二十六歳になっている。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「だからお前さんがも少し精出しておくれならこの節のように計量炭はかりずみもろくにかえないような情ない……」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
叫ぶ声、廊下をとどろと走る音、ふすま開閉あけたて騒がしく、屋根を転覆かえした混雑に、あれはと驚く家令の前へ、腰元一人けつ、まろびつ、蒼くなりて走りで、いきせき奥を指さして
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そんな気がして、また、藤吉を見やると、藤吉の視線も、いつになくおののいて、同じ意味を返事かえして来た。
『きっと返却かえします、きっと。』などとちかいながら、またぼうるなりった。が、大約おおよそ時間じかんってからかえってた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
檀家だんかであった元小倉藩の士族が大方豊津とよつかえってしまったので、廃寺のようになったのであった。
独身 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
仮令たとい、晴天はなくとも、風静かにして雨しげき国は何処かにないであろうか。若しあれば、その国に移り住んで、僕は再び前世の蛙か田螺に還元かえる憧憬と勇気とを持ち合せている。
雨の日 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
「ヘエ——、するとやはり、田代屋一家内の紛紜もめごとではなくて、由井正雪ゆいしょうせつ、丸橋忠弥の残党が、田代屋に昔のうらみをかえすためと考えたものでございましょうか」
「お前さんが表の戸を開けに往って、ひっくりかえったきりで、判らなくなったから、お隣の方に来てもらったり、お医師いしゃを頼んだりして、大騒ぎしていたのだよ」
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ともすれば、舟は波にあおられて顛覆かえりそうになった。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)