“顛覆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てんぷく78.4%
ひっくりかえ5.7%
くつがえ2.3%
ひっくりけえ2.3%
ひつくりかへ1.1%
うちかえ1.1%
かえ1.1%
くつが1.1%
でんぐりかへ1.1%
ひっくらか1.1%
ひっくりか1.1%
ひっくりかへ1.1%
ひっくりがえ1.1%
ひつくり1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
和氏もまた弟の頼春、掃部助かもんのすけなどつれて、その朝、上杉憲房とともにこれへ臨み、幕府顛覆てんぷくの大謀にも異議なく加盟したのであった。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
といいながら顛覆ひっくりかえしましたから、ばっと灰神楽はいかぐらあがりまして、真暗まっくらになりました。なれども角力取大様おおようなもので、胡坐あぐらをかいたなり立上りも致しません。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
乗り合いは前後に俯仰ふぎょうし、左右になだれて、片時へんじも安き心はなく、今にもこの車顛覆くつがえるか、ただしはその身投げ落とさるるか。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
清「あゝいてえ/\、下駄を横に顛覆ひっくりけえすと滅法界めっぽうけえいたえもんだ、これだこれじゃア穿く事が出来ねえ」
女王樣ぢよわうさま怒氣どきふくませられ、王樣わうさまから振向ふりむいて軍人ネーブまをされました、『其奴等そやつら顛覆ひつくりかへせ!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
歯をめてのけざまに顛覆うちかえりたるが、血塗ちまぶれの額越ひたいごしに、半ば閉じたるまなこにらむがごとくえて、折もあらばむくと立たんずる勢いなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ともすれば、舟は波にあおられて顛覆かえりそうになった。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
馳け集まった御林軍の勇兵百余人が、車を顛覆くつがえして、董卓を中からひきずり出し
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マーキュ なんぢゃ、調子てうしあはせて? 吾等われら樂人扱がくにんあつかひにするのか? 樂人扱がくにんあつかひにりゃ、みゝ顛覆でんぐりかへらする音樂おんがくきかす。準備よういせい。
負けぬ気になって、お島も床の間に活かったばかりの花を顛覆ひっくらかえして、へし折りへし折りして小野田にほうりつけた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
七年以来このかた手紙もねえからひょっと船でも顛覆ひっくりかえって海の中へ陥没ぶちはまってしまったか、又は沢山金を持って居りやしたから、泥坊に金をられたのではないかと、出た日を命日と思っていたが
わたくしは小野さんが画架でも顛覆ひっくりがえしたのだろうと考えて、別に気にも留めませんでした。屋根裏にある小野さんの寝室は画室から出入りするのでございます。
遺書に就て (新字新仮名) / 渡辺温(著)
このまゝにして置くと、太鼓樓と二階との重味で、後の方の置土をした弱い地盤へだん/\根太が滅入り込んで、顛覆ひつくりかへるといふ其の道のものゝ意見によつて、直ぐにこれを決行したのである。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)