“くつがえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
97.0%
顛覆1.5%
傾覆0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鳴神なるかみおどろおどろしく、はためき渡りたるその刹那せつなに、初声うぶこえあがりて、さしもぼんくつがえさんばかりの大雨もたちまちにしてあがりぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
それを聞き捨てにして、古臭い愚痴を繰返すのは、しみじみそう感じたからばかりではない、しみじみそう感じた心持を、急に病気が来て顛覆くつがえしたからである。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
荒浪の上にまるるたななし小舟おぶねのあわや傾覆くつがえらん風情、さすが覚悟を極めたりしもまた今さらにおもわれて、一期の大事死生の岐路ちまたと八万四千の身の毛よだたせ牙みしめてまなこみは
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
木のきしる音、もど姿さま、また撓む姿、軋る音、今にも傾覆くつがえらんず様子に、あれあれ危し仕様はなきか、傾覆られては大事なり、止むるすべもなきことか、雨さえ加わり来たりし上周囲まわりに樹木もあらざれば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
可なりの根本からくつがえらざるを得ないわけで、従って自然科学と文化科学との区別対立も撤廃されて、問題が再び元にもどって了うか、それともこの単なる区別対立を乗り越えて
科学論 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)