“傾覆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けいふく57.1%
くつがえ14.3%
くつがへ14.3%
たおれ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これによりて感激し、ついに先帝にゆるすに駆馳を以てす。後、傾覆けいふくにあい、任を敗軍の際にうけ、命を危難のあいだに奉ぜしめ、爾来じらい二十有一年矣。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荒浪の上にまるるたななし小舟おぶねのあわや傾覆くつがえらん風情、さすが覚悟を極めたりしもまた今さらにおもわれて、一期の大事死生の岐路ちまたと八万四千の身の毛よだたせ牙みしめてまなこみは
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
楯をも貫くべき雨の打付ぶつかり来る度撓む姿、木の軋る音、もど姿さま、又撓む姿、軋る音、今にも傾覆くつがへらんず様子に、あれ/\危し仕様は無きか、傾覆られては大事なり、止むる術も無き事か
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
之に反し凡て我がこの言を聴きて之を行わざる者は砂の上に家を建し愚人おろかなるひとに譬えられん、雨降り大水出で、風吹きて其家に当りたれば終に倒れてその傾覆たおれ大なりき。